「仕事辛い、今すぐ、会社を辞めたい・・・」「親が倒れて実家に戻らないといけなくなり、急に辞めることになった」
人間関係のいざこざ、パワハラ、体調不良・・・もしかしたら今後、「今すぐに会社を辞めたい」と思うような状況や、実家でトラブルがあり、実家に戻らないといけなくなるという状況に陥るかもしれません。
そしてその時に気になるのが、「急に会社辞めた時に損害賠償を起こされるかどうか」というところです。
今回は、損害賠償を起こされない場合と起こされる可能性がある場合を紹介していきます。
損害賠償を起こされない場合
きちんと退職の手続きを踏むこと
きちんと就業規則に従って退職する旨を伝え、退職の手続きを行った場合はもちろん問題ありません。
決められた期間以前に辞表を出し、引き継ぎをきちんと後任者に行い、会社に返却する物は返却し、デスクやロッカーを綺麗に清掃して私物を持ち帰れば大丈夫です。
退職することになった場合にとるべき手続きについてはこちら→会社退職時の手続きは?そしてトラブルが起きたら?〜知っておくべき就業規則と法律
退職時の引き継ぎについてはこちら→退職を考えている人必見!後任者に迷惑をかけない引き継ぎ方法
ブラック企業の場合は?
また、「明らかに契約書と勤務の実態が違いすぎる」「休みが月に2日しかない」といった労働基準法違反をしているブラック企業の場合は大丈夫なのでしょうか。
ブラック企業か否かの判定基準はこちらを参考にしていただけると幸いです。→総務担当でなくても知っておくべき「労働基準法」その会社は大丈夫?
こちらも、「○月●日で退職致します」と就業規則で定められた期間以前に辞表を出せば問題ないでしょう。デスクやロッカーの整理、引き継ぎを進めてください。
もし、退職させてもらえない、辞表の受け取りを拒否されたという場合は、管轄の労働基準監督署に通告しましょう。労働者には「職業選択の自由」が認められています。辞表の受け取りを拒否する、退職させないという行為は違法ですので、この場合は、むしろあなたが会社を訴えるべきです。
もう会社にも行きたくないという場合は退職代行を利用するという手もありますよ。(お金はかなりかかりますけどね。それでも弁護士に依頼するよりは何倍もお得です。)詳しくはこちら→流行りの退職代行とは?何をしてくれるの?利用するメリットデメリット
あとは、こちらも読んでおいた方が良いかもしれませんね。→勢いで会社を辞めたらどうなる?気になるその後の生活
損害賠償を起こされる可能性がある場合
筆者が会社員時代に本当にあった話①
いくらすぐに仕事を辞めたいからといって、次の日からいきなりバックレるという行為はもってのほかです。きちんと辞表を出しましょうね。
バックレ退職の危険性はこちら→バックレ退職の危険性、仕事を辞めたその後はどうなった?
実際に私が会社員時代に勤めていた会社でも何人かいました。1日だけ来て来なくなった、2日来て来なくなって音信不通・・・。
さらには業務中に気に入らないことがあって、怒って勝手にタイムカードを押して帰って、次の日から来なくなり、「もう辞めますから」と言って辞めた人もいました。
全員いい歳の人がこういった行為をしたんですよ?
もうびっくりですよ。新卒で社会人になりたてだった私は、まるでネットに書かれているような信じられない行動をする人が、現実世界にも本当にいるんだと衝撃を受けました。
いきなり仕事を放棄すると、会社にも取引先にも迷惑がかかります。さらに、もし会社の物を借りている場合は、返却しないといけません。「○○を返せ!」と訴えられますよ。
筆者が会社員時代に本当にあった話②
その他にもこのような事案がありました。
私が新卒で入社して半年経過した頃に、私の部署で正社員を1人一般事務として募集することにしました。一般事務は大人気職種のため、何十件も応募がありました。
一般事務の仕事についてはこちら→人気の職種「一般事務」の実態~またの名を「●●●●」
事務職への転職はこちら→事務職への転職で取得しておきたい有利な資格とスキル
大半の人は書類選考の段階で採用見送りになり、面接を行ったのはほんの数名でした。
そして、その中からある男性1人に内定を出し、正社員として採用をすることになりました。
しかし、採用日から数日後、その人は来なくなりました。
私の部署のトップの上司から「すみませんがみなさん、応接室に集まってください。」と私の部署の人全員召集がかかり、その人について話がありました。
「●●さんは、もう2度とここには来ないことになりました。」
事の顛末はというと、
- 面接の時に、その人に「他に選考を受けている会社はありますか」と確認したところ、「ありません」と返答があった
- その人は、社会保険、雇用保険の手続きの経験が豊富で、即戦力になりそうだと思って内定を出した
- しかし、採用から数日後、その人から役員と私の上司に「申し訳ありませんが、第一志望の会社から内定を頂いたので、こちらの会社は辞めます。」と話があった
・・・社会人になって半年の私も、その場にいた人も、全員唖然としました。
面接では「他に選考中の会社はない」と言っていたのにも関わらず、結局は選考中の会社があったのです。この人は嘘をついていました。
私の上司は、その人が入社するからと、その人の机とパソコン、事務用品等を購入して全て揃えて、もうパソコンのセットアップもその人の名前で済ませていました。
しかし、結局は数日で来なくなったという結末になりました。この人は退職ではなく、内定取り消しという形になりました。上司は、「こういう場合は損害賠償を起こすことも可能です」と言っていました。
この人は40代半ばです。いい大人がする行動じゃないですね。本当に信じられないです。
まとめ
- きちんと辞表を出して、退職の手続きを踏んで、引き継ぎや後片付けを行って退職した場合はもちろん問題ない
- ブラック企業の場合は、すぐに辞表を出して良いし、辞表を受け取ってもらえない場合は管轄の労働基準監督署に通告すること
- 仕事が嫌だからといって、いきなり無断欠勤、バックれるという行為はもってのほか
- 転職活動の際、他に選考中の会社がある場合はきちんと正直に伝えること
- 内定を複数いただいた場合は、きちんと内定辞退の手続きを取ること
私も会社員時代は本社に勤務し、採用の活動を手伝ったことがありました。
※こちらに少し体験談を書きました。→仕事が終わらないのを人のせいにしていませんか?効率良く仕事を終わらせる工夫
人を採用するという業務は、非常にお金がかかります。求人サイトに求人を掲載するだけで数万円から数十万円、採用した人が使用する備品の購入・・・人材の採用というのはお金がかかり、とても大変な業務です。
せっかく何十万円もの費用をかけて募集をしても、人が集まらないというだけでもとても辛いことです。その数十万円を他のことに使えた、と後悔します。
これが、せっかく何十万円もの費用をかけて採用したのに、数日でバックレた、やっぱり違う会社に行くから辞めます、なんてことになったものなら、たまったもんじゃないですよ。
転職をする際は皆さんも注意してくださいね。間違っても嫌だからってバックレる、面接で選考中の会社があるのに選考中の会社はないと嘘をつくようなことはしないでください。
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