「給与低いから転職しようかな・・・」「スキルアップしたい。新しいことをしたい。」
転職や退職を考えている方、多いことと思います。実は、退職を考えているときにすべきことがあります。
引き継ぎ?いえ、もう一つあります。(私は「退職を考えている人必見!後任者に迷惑をかけない引き継ぎ方法」を執筆した者です。引き継ぎについてはそちらを参考にしてください。)
それは、退職する時にすべき手続き等を確認して、手続きをすることです。
これは会社ごとに就業規則があり、やり方は様々のため、私からはこうしてくださいとは断言できない部分がありますが、今回は退職時に何を確認すべきか、どのような手続きをすべきかを説明していきます。
そして、万が一トラブルが発生した時の対処法も説明します。
退職時に確認すべきこと
いつまでに辞表を出せばよいか
退職するとなると、まずすべきことは辞表を出すことですよね。いつまでに会社に辞表を出せば良いのでしょうか。
労働基準法では、「最低でも14日以内」と定められています。しかし、これはあくまで労働基準法の定めです。「最低でも1ヶ月以内」「最低でも2ヶ月以内」等、会社の就業規則によって様々です。
(私が会社員時代に勤めていた会社は最低でも14日以内という決まりでしたが、大学時代に行っていたアルバイト先は最低でも1ヶ月以内という決まりでした。)
遅くともいつまでに辞表を出さなければならないのか、きちんと把握しましょう。
また、有給休暇がたくさん残っている方もいると思います。いつを退職日にしたら丁度よく有給休暇を消化できるかを会社側と相談して決めましょう。(私は「退職しよう・・・あ!有給休暇がたくさん残っている!どうすべき?」の記事も執筆しています。詳しくはそちらをご覧ください。)
退職金は支払われるのか
これは完全に会社や雇用形態、勤続年数によって異なることでしょう。
ちなみに、私が会社員時代に勤めていた会社は、退職金が支給されるのは正社員のみで、かつ2年以上勤務している人が勤続年数に応じて支払われる形で、私もいくらかもらいました。
退職金についても、就業規則で、または人事部に確認しましょう。
退職後の住民税
一般的には、退職するのが1月~5月であれば、退職時に残った金額を全て給与から天引きする一括徴収という形で各市町村から依頼があると思います。退職するのが6月~12月であれば、普通徴収となり、退職者が各自で決められた期日に負担することとなります。
しかし、こちらもあくまで一般的にはの話です。詳細は総務担当に確認しましょう。
もし、次の就職先が決まっているのであれば、
1.次の就職先の会社名と住所、電話番号を総務担当に伝えて、次の就職先から早速天引きする形にする
2.退職する時に住民税異動の手続きを普通徴収の扱いにしてもらって、届いた住民税の普通徴収の用紙を次の就職先の総務担当に提出する
のどちらかを総務担当と相談して必ず行いましょう。
退職後の健康保険
退職後の健康保険については、選択肢が4つあります。
1.国民健康保険に加入する
2.家族の扶養に入る
3.社会保険を任意継続する(最大2年間)
4.次の就職先の社会保険に加入する
こちらも決まったら総務担当に連絡しましょう。
1、2、4の場合は手続きの際に「○月×日に●●さんが健康保険の資格を喪失しました」という健康保険脱退証明書が必要となり、それを総務担当で作成して郵送します。
3の任意継続は、自分で手続きをするか、会社側で手続きをするかは会社によって異なるので、この辺りもきちんと総務担当に確認しましょう。
万が一退職するとき、退職した後にトラブルが発生したら?
円満に事が進めば問題ありませんが、下記のようなトラブルも少なくありません。
ケース毎に対処法を説明していきます。
辞表を受け取ってもらえない場合
労働者には、自由権の1つである職業選択の自由が認められています。そのため、基本的に会社側は辞表の受け取りを拒否することはできません。会社側が辞表の受け取りを頑なに拒む場合は、管轄の労働基準監督署に相談しましょう。そうすると、労働基準監督署から会社に指導が入ります。
退職日までに残っている有給休暇の消化を認めてもらえない場合
有給休暇は、労働基準法第39条で労働者に当然に認められた権利です。
余程の繁忙期、また、緊急を要さない用事なのに、明日いきなり有給休暇をください・・・ということでない限りは、会社側は有給休暇の取得を拒むことはできません。そして、これは普通に働いているとき、退職間近等、時期は関係ありません。
有給休暇の消化を認めないのは違法です。もし、有給休暇の消化を認めてもらえない場合は、さらに上層部や総務担当に相談しましょう。中小企業の場合は、労働基準監督署に相談するのも良いでしょう。(詳細は「退職しよう・・・あ!有給休暇がたくさん残っている!どうすべき?」をご覧ください。)
会社側が退職日を引き延ばそうとしてくる場合
労働者が「退職の届け出は最低でも1ヶ月前までに」という決まりをしっかり守って辞表を出して、引き継ぎや挨拶を済ませても、会社側が退職を認めなかったり、退職日を引き延ばそうとしてくる事案もあるようです。
この場合は、退職日を過ぎたらもう出社しなくて結構です。これだけで雇用終了となります。労働者側はきちんと就業規則を守っているので、違法になりません。
退職金制度があり、受給要件を満たしているのに正当に支給されなかった場合
退職金を受け取ったら、まずは金額を確認しましょう。退職金についても、就業規則で定められているはずです。それで、1度自分で金額が合っているかどうか計算して確かめてみてください。
なぜこの金額になるのかわからない場合は、人事部に問い合わせましょう。また、退職金が支給されるはずなのに支給されていないという場合も、必ず人事部に確認しましょう。
退職してから必要な書類が届かない場合
これは私が会社員だった頃の黒歴史なのですが、退職者の健康保険脱退証明書を発行し忘れたり、住民税の普通徴収の切り替えの手続きを忘れてしまったことがありました・・・。消したい過去です。
もし、健康保険脱退証明書や住民税の普通徴収の書類が届かない場合は、退職した会社の総務担当に連絡して確認してください。
まとめ
今回は、退職時の手続きと、万が一退職時、退職後にトラブルが発生した場合の対処法を紹介しました。
退職時は、いつまでに辞表を出せばよいか、退職金の有無、退職後の健康保険と住民税について総務担当者に確認しましょう。
私は会社員時代、中小企業の本社で総務事務をしていました。社会保険、雇用保険、住民税関係の手続きを担当していたのですが、知識をより深めようと社会保険労務士の資格のテキストを購入しました。そこには様々な労働にまつわる法律が載っていました。
例えば、週の労働時間について、残業や残業代について、有給休暇について、産前産後休暇について・・・。会社に勤めている以上、就業規則は把握しておくべきですが、総務担当者でなくとも、こういった労働にまつわる法律についての知識も頭に入れておいた方が良いかもしれません。
そうすると、「あれ?これおかしいんじゃないかな・・・?」「労働基準法違反しているのでは?」と、自分で自分の会社はきちんと法律を守っているのか、違法にあたる行為をしていないか、がわかります。
「この会社おかしい!労働基準法違反だ!」と思ったら、すぐに辞表を出したり、労働基準監督署に相談することをお勧めします。
END