サービス残業で会社を辞めたい、そう考えている人も少なくありません。友達との会話で「うちの会社、最近残業が多くなって大変」「残業代が支払われるだけまだマシと思わなければいけないでしょ」という話をしたことがあります。
労働時間に対して考えれば、サービス残業という考え方は一番悪いことなのではないでしょうか?
もう会社の言いなりにはならない!辞める前に横行しているサービス残業をなくす対応をしてみましょう。
サービス残業の悪質な手口
断ればいい!そう感じている人は恵まれた会社に勤めているのでしょう。会社は悪質な手口によりその状況を作り上げているのです。
仕事を持って帰らせる
仕事を家に持って帰らせ行うのはサービス残業に当たる可能性があります。パソコンなどの記録媒体を家に持ち帰るには、手続きを踏まなければいけません。顧客情報などが入っていれば必ずです。多分家に仕事を持ち帰らせるような会社ならば、そのような記録をとる行為すらおこなっていないはずでしょう。
会社に残るのを禁止し、さも残業をしてはいけない会社を見せておながら、仕事の提出期限は無理なものにしておくのです。仕方なく持って帰るしかないという訳です。
ただこの仕事の持ち帰りは、社員が勝手に行っている場合もあります。会社でサービス残業するぐらになら家でテレビでも見ながらやった方が100倍いいと考える人もいます。この場合、サービス残業の対象にならないかもしれませんので注意するようにしましょう。
半端な時間はカット
分単位の残業時間はカットする会社もあります。残業時間は30分、15分単位で付けてくれているから、うちの会社は大丈夫と思われるかもしれませんが本来はアウトです。労働時間は1分でも残業すれば支払わなければいけません。ただ30分単位で行われているのならばまだ良い会社と思えます。
酷い会社は、50分残業させてもつけないという会社もあるのです。社員に「うちは1日1時間以下は残業じゃない」「勤務時間すべてにおいて仕事していたわけでないでしょ、その分の端数は仕方ないと考えなさい」と上司が説明する会社もあるのです。
納得するしかない社員は、毎日50分程度のサービス残業を繰り返します。一見会社側が正しいようにも見えてしまうかもしれませんが、明らかに違法な行為です。ただ先輩社員がそれで働いているから私も仕方ないという考えから、何も言わず仕事をするのです。
月に20日働いているとしたら、16時間以上の残業代が未払いになります。年間でいえば192時間、残業代を安く見積もって1,500円だったとしても288,000円の未払い、社員が50人居ると考えれば会社側は年間14,400,000円も残業代を支払わないで済んでいるのです。
1日50分ぐらいなと考えるかもしれませんが、会社側にしたら相当な金額になることが分かります。
就業時間を記録させない
仕事を終わる時間はもちろん、開始する時間すら記録しない会社があります。最近はパソコンを利用し勤務時間を記録する会社も多くありますが、その時間を偽って報告させるのです。
最悪な状況だと本人に記録をさせず上司がログインし勝手に行っている場合もあります。そこには綺麗に毎日8時間労働しているという記録しか残っていません。会社はこの状況を把握していながらも対策を行いません。何か問題が発生すれば、上司に責任を取らせることができるからです。
上司が社員に慕われていると、社員も上司を責めることはありません。上司は、毎日本社から「残業代は発生させるな」と厳しく指導されてるからです。社員は上司に対し、本当にいい人だからこの人に異動してほしくない、だから何も言わないという環境が作られていくのです。
このように暗黙の了解でサービス残業を行う会社もあります。サービス残業を行わせる雰囲気作りがうまいと言えるのです。詰められる上司がかわいそう、先輩も納得しておこなっているからなど、サービス残業をしなければいけない雰囲気が社内に充満しています。
サービス残業が横行する理由
ではなぜサービス残業は無くならないのでしょうか。そこには会社側の身勝手な理由があるのです。
結果を出さない社員に払う必要なし
会社に利益を出さない社員に、なぜ残業代を支払わなければいけないという考えを持っている会社が多くあります。「成果報酬はボーナス(インセンティブ)で支払っている、この上まだ給料が欲しいという考えがおこがましい」という考えです。
さらに成果を上げていない社員に対しては、「結果を出していないのになぜ残業代を付けなければいけない、本来に給料すら払いたくない、残業代を付けたいならば売り上げを持ってきてから言え!それが営業の世界だ」という考えを持っているのです。
昔の考えは会社があるから給料が貰えるという考えが強く根付いていました。最近は労働者の意見が通るようにもなってきましたが、その名残は現在でも横行しています。
それがサービス残業という状態に変わっているのです。この会社がなくなれば路頭に迷うのは社員、そうなっても良いのかという考えを押しつけてくるのです。気の弱い人ならばこの言葉だけで納得してしまうかもしれません。
コスト削減
先ほども話しましたが、残業代をカットすれば会社は相当なコスト削減を行えることが分かったと思います。1日の残業代を1時間程カットしただけで50人居る会社ならば年間10,000,000円以上も削減できる現実は、会社側からすれば魅力的です。
利益を上げるにはどうすれば良いか、もし売り上げをあげられないのならばコスト削減ぐらいしろ!会社側にはこのような意見も持つ管理職がいるのです。もちろん残業時間を減らして売り上げをあげることは難しい話です。相当なセンスがなければできません。残業代がないのならば残業をしないという考えは結局売り上げをあげることができないと考え、するしかないという考えが生まれるのです。
「今頑張ればきっと売り上げが上がり残業しなくても良くなる」という夢を考え頑張ります。ただいつまで経っても業績が良くなることはありません。売り上げをあげるために残業をしますが、コスト削減のためサービス残業するという状況ができるのです。
ただ会社側はサービス残業をしろという命令はしていません。コスト削減をしろと伝えただけです。残業は社員が勝手にやったという環境が作れているのです。
サービス残業への対応策
サービス残業は、自然に起きている可能性が高いという実態があります。そのような慢性的なサービス残業を無くすには、誰かがその流れを止める必要があるのです。
残業を率先して断る
これができるのならば悩んでいないと思うかもしれませんが、まずはこの行動を見せなければ状況が変わることはありません。一人で断るのが怖ければ同僚に相談してみましょう。みんなでサービス残業を断っていくのです。
「そんなことしたら怒鳴られるし仕事を失うかもしれない」そのように考えることを会社側は望んでいます。その考えを止めて行動するしかないのです。
誰かがやれば状況が変わるかもしれない、その誰かが出現するのを待っていたら年間にどれだけの時間を会社のために使うと思いますか?その期間が長ければ長い程、社員にとっては無駄な時間なのです。
労働組合を活用する
労働組合があるのならば利用するのも一つの手段です。ただ大手でない限り労働組合が機能しているということは考えにくいです。表向きのために作られた労働組合がほとんどだと言えるでしょう。
何の説明もなく36協定の残業時間に了承のサインと印鑑を押させて説明もしていない会社も多くあります。社員なのに36協定という言葉を知らない人も居るのです。
自分の会社に労働組合があるのか?まずはその点を調べる必要があります。確認し機能していないのならばこの手段は使えませんが、もし機能しておらず残業をしているのならば問題です。そのような会社なのだと判断できるきっかけとなることでしょう。
労働基準監督署へ通報する
これが一番良い方法かもしれません。サービス残業が横行している実態を証明資料と一緒に管轄する労働基準監督署へ持っていき通報するのです。多くの社員が一緒に行けば、労働基準監督署もことの重大さを理解してくれることでしょう。
さらに名前を明かしたくないと説明しておけば、ある程度の相談にものってくれるはずです。ことが急を要すると考えられれば監査にも入ります。ここで違法行為が認められれば未払いの残業代を請求することもできるのです。
ただ会社側は通報した犯人捜しを行うかもしれません。その結果通報したことがバレてしまうと扱いがひどいものになる可能性も考えられます。この点は良く考えて行動するようにしましょう。
サービス残業が嫌で辞める前に対応策をしよう
サービス残業は社員にとってプラスなことはありません。働いた時間は正当に支払われるべきです。何もせずに辞めるという行動は泣き寝入りと一緒です。自分の大切な時間を無駄にした会社なのだから、行動を起こしてから辞めてもいいのではないでしょうか。
時間は人に平等に与えられた大事なものです。その大切な時間を、サービス残業はあなたから奪っていくのです。
コメント