会社で休憩時間がとれない!?その場合の労働法規と対処法

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仕事中、食事休憩を会社の規定通り取得できていますか?

最近は少しずつ改善されてきましたが、以前は食事休憩を取らせてもらえない、また食事休憩はとれるものの、短時間で食事をとり、食べ終わったらすぐに業務に戻らないといけない、就業規定では一時間の休みを取れるはずなのに、それが取れない、そのような状況の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで、本編では、労働時間における休憩に関しての法的立場、休憩が取れない時にどう対処すれば良いのかについて説明をいたします。

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なぜ休憩がとれないか、その要因について

では、なぜ休憩が取れないのか、その要因についてまずは説明をいたします。

業務が多すぎるから

基本的に、どの会社においても、必要人員を確保できるわけではないですし、仮に確保できる状況であったにせよ、経営側からすれば人件費がかかる訳なので最低限の人員で仕事を回したい、これが本音でしょう。

しかし、その人員で仕事を回せば当然現場に皺寄せがきます。結果、現場の人員がサービス残業をしたり、休憩時間返上で働くことを強いられるような状況が生まれるのです。

働き方改革のしわ寄せ

働き方改革が政府から発表されてから残業に関する締め付けが厳しくなり、また世間的にも厳しく見られるようになりました。

しかし、だからといって、仕事の業務量が変わるわけではないので、今までやって来た業務を凝縮して時間内に終わらせようとすることになります。

そうなると、休憩時間を返上して仕事をしなければなくなるような状況がうまれます。

結果、休憩がとれなくなる、サービス残業に繋がるということになります。

会社がブラック

会社としても休憩を取らせないようにしたいわけではなく、結果そうなってしまった、労働実態や現場のコントロールがやりきれてなくて休憩が取れない、労務管理が充分でなかったというケースも当然あります。

しかし、中には意図して社員を休憩時間に働かせるような会社もあります。

経営者の中には、労働基準法に定められた休憩の規定について知っている、知らないに関わらず休憩をとらせないような働き方をさせる方も一定数いらっしゃるのが事実です。

労働基準法における休憩に関する規定

次に,労働基準法では仕事中の休憩について以下のようなルールを定めています。(労働基準法34条によれば、

  • 1日の労働時間が6時間以上:45分以上
  • 1日の労働時間が8時間以上:60分以上

そして、上記の休憩時間に関しては、労働者の権利でもありますが、それ以上に国が企業に対して、上記の休憩時間を与えなければならないという義務であり、これに違反した場合は労働基準監督署からの指導、悪質である場合は刑事罰の対象にもなりえます。

よって、労働者に休憩を与えないことは完全なる違法行為なのです。

また、ここでいう休憩は労働時間が発生していません。そのため、仕事から完全に開放されていなければなりません。

そのため、休憩をしている間には、上司は業務指示をしたり、食事をしながら電話番をしている状況というのは、休憩時間とみなされないとされています。

よく新人が休憩時間に電話番をさせられるケースもあると思いますが、あの行為も労働基準法違反なのです。

休憩時間は管理しにくい

 
ただ、休憩時間に関してはなかなか労働基準監督署も違法性を指摘しにくいのが現状です。

なぜなら、一般的に、休憩時間はタイムカード等で管理しなければならないといったものはないうえに、休憩時間をしっかり取得させなかったという証明をどのようにするかが難しいです。

また、仮に休憩時間の記録を取らせていていたとしても、慣習的に1時間取ろうが取るまいが「1時間」と記載するのが一般的でしょう。

以上の状況から、会社に対して休憩時間未取得に関して労働基準監督署に訴えてもなかなか上手くいかないということになるのです。

休憩時間未取得に対して対策はあるのか

では、休憩時間未取得に対して賃金請求、および環境改善をするための対策について説明をいたしたいとおもいます。

集団で立ち向かう

確かに一人で休憩未取得に対して、労働基準監督署に対して訴えたとしても、証拠が乏しいため、労働基準監督署にアクションを起こさせるのはなかなか厳しいところです。

しかし、集団で、もしくは連名で訴えてきた場合はさすがに労働基準監督署も無視はできません。

実際に、過去休憩時間未取得に対して労働基準監督署が休憩未取得について改善するよう指導したのはユニオン、すなわち労働組合からの訴えによるものでした。

一人で証明するのは難しいところですが、労働組合がある会社であれば労働組合を介して、そうでない会社、もしくは労働組合はあるものの、会社との癒着が強すぎて取り合ってもらえない場合は、集団で意見をまとめ、労働基準監督署に訴えていくというのが最も適した方法だと言えます。
 

記録をこまめにつけていく

しかし、労働組合がない、機能しない、人も集められない、こうなった場合に有効なのが記録を残していくということです。

実は、労働争議に関しては、日々のメモ、記録に証拠能力があるとされています。

そのため、日々の休憩の実態について、日時と上司からの指示内容を事細かにメモに残していくことが大事です。

また、全て記録を残していくことは、不可能ですが、重要なところはボイスレコーダーで音声の記録を残していくことも良いでしょう。

スマートフォンにもボイスレコーダーの機能がありますのでそういったものを活用していくのも1つの方法です。

事業所外での仕事の場合はドライブレコーダーやタコメーターなども客観的証拠になり得ますのでかつようしていきましょう。

転職する

どうにもこうにもならない場合は転職をするというのも1つの手です。

確かに1つの会社に長くいられれば良いですし、休憩時間の労働に対して対価が支払ってもらえたらそれはそれでいいですが、一方でそれを行うために多大に時間を使ってしまうことにもなります。

転職も確かにエネルギーを使う行為ではありますが、それでも進まない交渉にやきもきするよりも非常に効率的に、また抜本的に職場環境を変えることもできます。

以上の点から、労働争議をするほかに、環境を変えてやり直していくということを検討していくのも大事でしょう。
 

休憩時間は重要だがおざなりにされやすい!法律をしって適した対処をしていくことが大事

日本人はそもそも休むということに対して怠惰であるということを言ってきた武士道精神みたいなものが根付いている国です。

かつては、部活の時に水を飲むことを許されなかった、有給を取得することは悪だと思われていたなど休みに対しては非常に指導者、経営者から目の敵にされてきた事項でもあります。

しかし、効率よく成果を出していくには、しっかり休みを取らないといけないですし、1日ずっと集中力を切らさずに仕事をするということは人間が人間である以上むずかしいことです

そのため、休日だけでなく、休憩をしっかりとって質の高い仕事をしていくことが大事です。

もし、今の職場で休憩がおざなりにされているのなら、しっかり主張をしていく必要がありますし、にっちもさっちもいかないのであれば、思い切って転職し、質の高い仕事をしていくことが大事です。

休憩を取ることは働くうえで大事なことです。しっかり、休息をとる時間を確保できるようにしていきましょう。

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