ブラック企業で働き、会社内外から非常にプレッシャーをかけられた挙げ句、長時間労働が続き、身体も精神もボロボロになったという方もいらっしゃることでしょう。
そして、その結果精神疾患となり、退職した、もしくは休職、もしくは今も精神疾患を隠して働いているのかもしれません。
しかし、その環境で長期的に働くことは不可能でしょう。とはいえ、精神疾患にかかった状況ではなかなか転職は難しいというのが現状です。
ではどうしたら良いのでしょうか。本編では、精神疾患に罹患した状況での転職が難しい背景とその対策について説明したいと思います。
精神疾患は必ずしも公表しなければならない訳ではない
前提として、精神疾患だと精神科、心療内科だと言われたとしても、ドクターストップがかかっていない限りは必ずしも面接で言わなければならない訳ではありません。
ドクターストップがかかっている場合は就労を継続しがたい事由となるので働いてはなりませんし、採用企業側に伝えないとなりません。
しかし、精神疾患にかかりそうなくらい追い詰められているレベル、もしくは既に完治したということであれば特段面接で言わなければならないことではありません。
むしろ、採用企業側はそういった情報を取得してはならないことになっています。
この点は最初に認識していただきたいです。
それでも精神疾患経験者が面接に不利な理由
上述では、精神疾患を経験したからと言って公表しなければならない訳ではないとお伝えしました。それだったら、精神疾患の罹患経験者は面接に不利にならないのではないかと考える方もいらっしゃることでしょう。
しかし、現実としては精神疾患にかかった経験のある人は面接においてうまくいかないケースが多いです。
それはなぜなのかというと3つの理由があります。
それは以下の通りです。
- 離職期間が空いてしまう
- 雰囲気が暗くなる
- 休んでいたことに後ろめたさを感じる
以下、それぞれ説明をいたします。
離職期間が空いてしまう
精神疾患で離職してしまった場合、短ければ数ヶ月、長ければ1年程度の離職期間が空いてしまいます。
離職期間が空けば空くほど、精神疾患が関係あろうとなかろうと選考には不利になりますし、なぜ一定期間の離職をしていたのか説明を求められます。
この理由を精神疾患だと説明した場合、採用側は採用をためらうことになります。また、精神疾患ではないと説明するにしても合理的な説明が難しくなります。
以上のことから採用する側が求職者の採用に対してためらってしまうのです。
雰囲気が暗くなる
意外と自分自身で気がつかないことかもしれませんが、精神的に追いやられた方も、精神疾患の治療が終わった方も決して明るい雰囲気を持っているとは言えず、どこかしら暗い、また疲れきっているような印象を持たれます。
実際に転職エージェントがそういった方を企業に紹介し、面接に至った場合、面接が終わったあとのフィードバックを企業側に取ると「暗い」や「あまり印象がよくない」などのコメントをもらうケースも少なくありません。
現実的に、暗い印象を持たれる方はなかなか採用されないものです。
精神疾患に罹患した方、もしくは精神疾患に罹患していないものの、精神的に追いやられている方はそういった認識を持っておいた方が良いと言えます。
休んでいたことに後ろめたさを感じる
仕事を長期的に休んでいると、そのことに対して後ろめたさをかんじてしまう方も多くいらっしゃいます。
上述でお話ししたコミュニケーションがくらくなってしまったり、1つ1つの言葉の歯切れが悪くなってしまうことも気がつかないうちに起きてしまうものです。
しかし、面接においてはそういったコミュニケーションは伝わり、面接ではあまりよい結果を導かないものです。
そういった認識をもってもらうことも大事だと言えます。
どうすればいい？精神疾患で離職したor精神疾患にかかりそうな方の対応
では、実際に精神疾患で離職した、もしくは精神疾患にかかりそうという方は以下のように対応しましょう。
- 精神的に厳しいなら会社を辞めるのも一つの方法
- とにかく早々に転職活動をする
- 精神疾患に罹患したらとにかく医師に従う
- 精神疾患が完治したら正直に明るく面接を受ける
では、それぞれ補足を加えていきます。
精神的に厳しいなら会社を辞めるのも一つの方法
仕事をは自分を豊かにするものです。確かに辛いことも多いですし、一つレベルの高い仕事をするために厳しいと思うこともあるでしょう。
しかし、頑張ってみてそれでも前向きに仕事をできない、パワハラなどで精神的に日々追い込まれるのならば会社を辞めてリスタートをきるのも1つの方法です。
確かに離職して転職活動をするのはおすすめしませんが、健康に代えられるものではありません。心身充実した状態で働くということを第一に考えましょう。
とにかく早々に転職活動をする
自身が精神疾患でないということが前提となりますが、完全に精神的にまた肉体的に追い込まれる前に転職活動を完了し、はやく新しい会社に行くというのも方法です。
これまでの経験を元に、自分がやりたい仕事、目指す道、相性の良さそうな会社を見定めるということを行い、転職を完了させましょう。
有給を消化する間にしっかりと英気を養い次の道に向かって邁進しましょう。
精神疾患に罹患したらとにかく医師に従う
精神疾患に万が一罹患してしまったらとにかく担当医師に従いましょう。心身充実した状態で働くのが一番です。
あまり受け入れたくないことかもしれませんが安静にすることも将来の自分のためにも大事なことです。
精神疾患が完治したら正直に明るく面接を受ける
精神疾患が完治して医師から就労許可が降りたら仕事を探しましょう。
この時大事なのは面接の時は明るく振る舞うことです。簡単なことと思われるかもしれませんが、意識をしていないとできないことです。
また、離職期間が長期化してしまえばそのことについて聞かれることでしょう。もし、説明ができないようであれば、明るく正直に言いきることも1つ選択肢にいれてもよいです。
中途半端な説明をするくらいならあっけらかんと言い切り、なんでそのような状況になったのか、また完治して医師からの就労許可を得ていることを説明したほうが自身を理解した環境で働けるという点では利点です。
ただし、多少なりとも新たな就労先を見つけることに苦労する可能性があることは覚悟しておきましょう。
まとめ
キャリアは「継続」していくことで形成されます。そのため、どんな形であれ途切れないように考え、行動することがベストです。
ただし、それは心身が充実していることが大前提です。日本におけるマラソンランナーの草分け的存在である金栗四三氏は「体力」「気力」「努力」とマラソンランナーとして大成するのに必要な条件を挙げましたがビジネスパーソンにおいても同じです。
「体力」と「気力」が備わってはじめて「努力」が生きてきます。
裏を返せば「体力」と「気力」が減退しているのならば環境を変えて取り戻し英気を養った後に「努力」をしましょう。
もし、「体力」と「気力」が無くなってしまったら、一度休んで失った「体力」と「気力」を取り戻し、再び「努力」しましょう。
繰り返しますが、仕事はあなたの日々の生活を充実させるもので、苦しむものではないということをしっかり認識してもらえると良いでしょう。
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