今、転職市場は非常に活況です。
事実、2018年の総務庁の調査結果によると、2018年の転職者は8年連続で増加しており、その数330万人という結果が出ています。
特に、若手の転職に関しては特に顕著で、10人に1人は転職を成功させているという現状があります。
従来の日本であれば１つの会社に定年まで勤めあげるのが当たり前でしたが、そんなことも過去の話で転職は誰にでもできることになっており、転職を斡旋する転職エージェントも次々生まれています。
とはいえ、これだけ転職者が増えてくればたくさんの成功例とともに、たくさんの失敗例もまた増えている現状にあります。
では、転職を成功できる人とできない人には何が違うのでしょうか。本編では転職の成功者、失敗者にありがちなことを説明していきたいと思います。
安易に転職をしていけない理由
転職が簡単にできるようになり、困ったことがあります。
それは、安易に転職できるようになれば、何となく転職する人達が出てくることです。
転職が難しい、狭き門であった時代ならば、そういった安易な転職をしようとしてもできなかったのですが、今は転職について明確な理由がなくても人材不足な会社が顕著であるため簡単に内定がとれてしまいます。
また、仮に転職に失敗しても、また転職をすればいいと考えているなら、安易な転職を繰り返し、結果たいしたスキルもつかず、最終的に最初にいた会社より労働環境も労働条件も劣悪な会社にずっといなければならなくなったり、会社を辞め定職に就けなくなったりということもあります。
ある人材会社は転職は慎重にというスローガンを掲げ、テレビCMを放映しましたがこの現状を見ると非常に正しいメッセージであるといえます。
転職成功者には転職をする理由がある
転職を成功させる方に共通していることがあります。
それは転職する明確な理由があるということです。
転職をするにあたって、今の会社ではどう転んでも解決できない問題があります。では、どんな問題があるのかというと以下の点が挙げられます。
- 昇進
- 給与
- 長時間労働
- 成長・キャリアアップ
- 人間関係
- 転勤
- 会社の方針
- 製品・サービス力
少なくとも今の会社がなんとなく嫌だから、仕事が面白くないという理由で転職をする人はあまり良い転職を実現させるには至らないと言えます。また、少数ですがこのような理由で転職される方で転職を成功させる方においては、何を変えたら、どう変えたらうまくいくのか明確に話すことができます。
また、不満ばかり述べる人もあまり成功には至らないです。結局不満ばかり述べるだけの人は、どこにいっても不満ばかりになる傾向があるからです。
まずは、自分が転職をするに至る明確な理由があるか、また、それは客観的に納得感がある理由か、どう変えれば良い働き方ができるのか自身の経験をもとに考えてみましょう。
理由があれば転職が成功できるわけでもない
転職に明確な理由があること、またどうすれば改善できるのかということに対する明確なイメージがあるかどうかは転職を成功させるうえでの最低条件ですが、それだけでは転職を成功させられません。というのも、転職を失敗しやすくする理由というのもあるからです。
その代表格が昇進、成長・能力開発、給料です。
では、なぜこの3点が失敗しやすい理由なのかについて説明をさせて頂きます。
昇進
転職希望者に実際、ポジションが頭打ちになり、管理職に昇格できないことを理由に転職を考えている方がいますが、そもそも以前と違い、管理職手形を多く発行する時代ではなくなっています。
というのも、今の時代は欧米のようなJOB制、すなわちスペシャリストが重宝される時代になっており、業務に長けた人に対しては最低限のマネジメントさえできていれば業務が回ります。
そのため、一人の管理職より、業務能力、実務能力の高い人材がもてはやされる時代になっているからです。
加えて、管理職というのは、ごくまれにマネジメント未経験者でも採用することはありますが、現実問題マネジメント経験者を採用するケースの方が圧倒的多数です。
管理職は長期就労者に用意しないと、その会社・その組織において不満が出やすくなります。いわば長期就労者であって初めてチャレンジできる椅子であります。
経営からも、また管理される側からも一定の信頼をおける、この人にならマネジメントされたいという人に与えるべきであるという会社も多いため、管理職を目指して転職をするというのはあまり現実的ではないからです。
もし、マネジメント層を目指して転職をされるのであれば、どう転んでもマネジメント層に行くには難しいという理由が明確で、客観的な理由がある、また転職先で長く頑張ってマネジメント層に昇格するチャンスが欲しい、それくらいの覚悟で臨む必要があります。
もし、今のマネージャーが昇格、転勤、退職したら自分が次のマネージャーになれる可能性があるというのであれば、焦らずその会社で働いた方が良いですし、自分がマネジメント層になれる資格がもしないとなれば今の会社で頑張った方がいいくらいの感覚は持ち合わせていた方が良いです。
成長・キャリアアップ
よく転職希望者の中には、成長、キャリアアップを理由に転職をしようとされる方がいらっしゃいます。
しかし、成長、キャリアアップとは具体的にどういうことなのかを問うと、回答に窮する方がいらっしゃいます。要は、成長やキャリアアップという言葉が耳触りがいいから言っているだけに過ぎません。
よくよく聞いていると、給料を上げることがキャリアアップ、また営業⇒マーケティングや経営企画に行くような職種転換がキャリアアップであるという方もいます。それはそれで問題はないのですが、それを実現させるために転職をするというのはあまりにも安易すぎます。
では、年収アップをするために、具体的に何が足りないのかということを因数分解していくと、転職も１つの方法ではありますが、他に何ができるのかどうか検討することができるからです。
もしも、自分の成果、会社の給与テーブル、また現状の人員などを考えていくと転職しか方法がないというのであれば非常に納得は行きますが、それも考えずに年収アップするのには転職一択だと考えているのであればそれは非常に安易です。
同様に、職種転換についても、マーケティングになるために、マーケティング要素を取り入れた営業活動をして成果を出すとか、英語を勉強して会社が求めるマーケの実力をつけるなど転職以外にやることはあるはずです。
それを無視して成長、キャリアアップのために転職をするというのは転職を安易に考えている証拠であるということが言えます。
成長もキャリアアップも継続して努力することで実現できることです。まず転職以外に何ができるのか自身で検討をしましょう。
給与
給与アップは確かに明確な転職理由であると言えます。しかし、その給与アップを今の会社でできない理由は明確になっているでしょうか。
例えば、会社の給与テーブル、自分が高い成果を出しているにもかかわらず、それが評価されていないのならば、もっと評価される可能性のある会社に行くべきです。
しかし、近年転職すれば給与があがるという転職サイトの広告文句に踊らされているのか、根拠のない年収アップを希望する方がいます。
少なくとも自分がその金額をもらうに値すべき人物なのかはしっかり吟味をすべきだと言えます。
転職理由が人間関係は悪いことではない
転職産業が成熟していくと、言ってはいけない転職理由があるということを世の中で浸透しています。
しかし、言っていけない転職理由も徐々に変わってきています。その1つとして、人間関係を理由に転職するケースです。
確かに、上司が気に入らないといったレベル感であったり、周囲にやる気がないから自分がやる気にならないといったレベル感だと良くないです。
しかし、パワハラを受けている、会社の雰囲気が暗くて盛り上げても限界があるなど耐えてたら精神的な疾患を受けるようならば状況や現状を打破できない状況ならば充分な転職理由になり得ます
納得感の有無は大前提となるものの、人間関係を理由に転職することは決して悪いことではないです。
転職は具体的にどうしたいかが重要
転職を成功できるか否かは今の何を変えたいのか、またどう変えたいのかが明確か否か、また、それが客観的に納得感があるかどうかが大事です。
今転職を検討するに辺り、それがありますか？まずはそこから考えましょう。
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