会社員にとって人間関係は非常に重要です。人間関係を理由に転職をすることも珍しいことではありません。
また、仮に転職を果たした後でも、新しい職場、新しい同僚の中で働き、その中で新しい経験・新しいスキルを得られることになりますが、働いていくうちに得られる人間関係もありますが、それと同じだけ失う人間関係というのもあります。
そして、当たり前ですが転職すると、これまで作り上げた人間関係が０になってしまいます。
それは同僚だけでなく、顧客、取引先もゼロになってしまいます。これまで継続して作り上げた信用、人間関係から別れを告げ、新たな関係を構築していくことになります。転職する中で、この点をあまり意識していない方も実に多くいらっしゃいますが新たな人間関係構築は実に骨が折れると言えるでしょう。
知識経験は努力と時間によってなんとかななります。しかし、人間関係は相性も必要ですし、そのうえ時間とコミュニケーション量も必要となってきますので一朝一夕ではできません。
結果、転職した結果、孤独な時間が増えてしまうということになります。では、この孤独をどのように乗り越えていけばいいのかについて、本編では説明をさせて頂きたいと思います。
転職を決めた時から孤独は始まっている
転職したときから実は孤独が始まります。
転職をすることで、あいつはいずれ出ていく人間だと認定されることになります。また、自身でも自分は出ていく人間だということで認識ます。結果いろんなことはあれど目標を共にして働いていた同僚との心の隙間ができていきます。
仮に転職した後に一緒に飲みに行くことになったら、かつての同僚から前職の愚痴を聞くことになり、結果お前はいいよな、会社辞められて、という締めになってしまいがちです。
また、転職することが周囲に知れ渡ると、なぜだか今まで話す機会のなかった人たちから声をかけられることが増えます。
そして、そこで話しかけられることは、お疲れさまと声をかけられ、そのうえで自分も辞めたいから羨ましい、自分もいつか辞めるといったよく分からない宣言などです。ただ、そういう人に限って長期的に残っているものではあります。
そういうことを吹聴する人は周囲から辞める辞める詐欺だと揶揄されることもありますので程々にしたほうが良いとは思いますが、間違いなく言えるのは転職が決まってしまえば、9割以上の確率でもし会社が合わないなら戻ってきなよ、また近くに来たら遊びにきなよ、などの声のかけられ方はしません。
それどころか、羨ましがられたり、関係がギクシャクしたりと自分と同じ境遇を共有できない人達という認識すら持たれることが増え、少なくとも仲間ではなくなります。
以上を考えたら、転職は1つの人間関係の終焉を意味するものと考えましょう。
仕事の人間関係は仕事の人間関係でしかないがその結び付きは強い
このように、ビジネスの人間関係というのはビジネスの人間関係でしかありません。
プライベートはプライベート、ビジネスはビジネスとして割りきるという言葉がありますが、これはすべて正しいとは言わないまでも非常に正しい人間関係の距離作りのスタンスと言えます。
なぜなら、ビジネスの人間関係はいいも悪いも、利害関係、同じ目標、同じ苦しみを味わっているからこそ成立している人間関係でありますが、それであるからこそ結び付きが強くなってしまいがちになってしまいます。
というのも、お笑い芸人のコンビを見ていたら分かりますがビジネスの仲間というのは長い時間一緒に苦楽を共にして非常に結び付きが強くなりますが、だからこそそ色々な感情が沸いてしまい、プライベートの時間をお互い別々に過ごしてしまいます。
男女関係も同様で、情が強いが故に人間関係が破綻してしまったら連絡を取り合うなど関係を一切断つなんてことも珍しくないです。
もちろん、時にプライベートもビジネスも時間を共有するような仲間ができることも否定はしませんが、確率論としては非常に低めです。
むしろ、端からみれば薄っぺらい人間関係のほうが案外自分ののメンタルなどを支える重要な役割を持っていることも珍しくありません。
よくよく考えてみれば自分の仕事など身の上話をするのは、学生時代の同級生や遊び仲間と飲んだときなどで、仕事と縁遠い人達ではないでしょうか。
実際、アメリカの論文においても、有益なコミュニケーションが成立するのは、薄い関係性、利害関係や感情が生まれにくい関係性のほうが自身にとってプラスに作用するといった旨が発表されています。
仕事など結び付きの強すぎるコミュニティより、利害関係、嫉妬などが生まれにくい人間関係のほうが実はある意味大事だと言えるのです。
継続できる人間関係には客観性がある
しかし、なぜ、仕事関係から離れた結び付きの弱い人間関係がそんなに重要なのかという点に疑問を感じる方もいらっしゃることでしょう。
これに対して1つの解になるのが客観性です。利害関係のある人の場合、相談事をしたとしても客観的アドバイスができないケースが往々にして見られます。
例えば、同じ会社で同じチームで切磋琢磨している同僚に会社を辞めたいと相談した場合、考えられる回答は主に以下の3つです。
- 新しい道へのチャレンジ応援してる
- せっかく今まで頑張ってきたんだからもう少し頑張ろう
- 自分の人生だから自分で決めたらいい、意思を尊重する
一見どれも親身なアドバイスだと感じられるかもしれません。
しかし利害関係、結び付きの強い関係だと、ライバルが消えて自分の評価が上がる、人がいなくなると困る、自分が関わったら面倒なことに巻き込まれるなど、裏で色々な思惑も出てくる可能性があります。
しかし、利害関係のないそこそこ親しい人の場合、良いも悪いも客観的にその人の話を聞いてくれる素地があります。
加えて、その人の状況やバックグラウンドを詳しく認識してしないことから思いもよらないアドバイスをしてくれるケースも珍しくありません。
結果、目から鱗が出るような考え方を得られたり、納得感を得やすい結果になり得ますし、なにより利害関係がないため自身も受け止めやすいでしょう。
このように、結び付きの弱い相手側いるということが、実は自分の人生、仕事などにおいて重要になってくるのです。
転職して孤独になるのはプライベートが充実していないから!?結び付きの弱い仲間をしっかり作ろう
転職した後、孤独になったと感じ、不安になる方も数多くいらっしゃるかもしれません。
しかし、会社においては人間関係ができればできるほど利害関係やしがらみなどが生まれ、それはそれでつらいものです。本質的には働いていて、近くに人がいたとしても孤独は孤独なのかもしれません。
もし、そのような孤独が怖いならばプライベートを充実させ、結び付きの弱い友達を作っていくことが大事です。
そのため、仕事の人間関係ばかりにとらわれず、プライベートにおいても外に人間関係を作っていきましょう。
そうやって交遊を広げていくことで、利害関係などがなかったとしても自分が必要とする人、気のおけない仲間というのができていき、自身が感じている孤独感から救ってくれることでしょう。
もし、今転職をしたばかりで孤独を感じている、しがらみのある人間関係で息が詰まっているのであれば、会社とは関係ない場所で人間関係を作ることから始めてみてはいかがでしょうか。
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