昔からパワハラは問題視されており、最近は気を付けている企業も増えてきましたが、それでも無くならないのは事実です。
中には自分が本当にパワハラの被害を受けているのか分からなくなり、自分を見失ってしまう人もいるようです。
もし不安に感じたのならば、自分の状況を冷静に考えてみましょう。
今回の記事では、定義と具体例からパワハラについて解説をしていきます。
パワハラの3つの定義を確認
パワハラは厚生労働省で定義がされたほど、大きな社会人問題となっています。ニュースで取り上げられた会社も多くある中、なぜ一向に無くならないのでしょうか。まずは定義から理由を確認していきましょう。
地位や優位性の利用
地位や優位性とは会社での上司や先輩にあたります。上からの命令が断れない状況になると発生するパワハラです。この断れない状況を作るところからパワハラが発生してしまうのです。
例えば、「上司に逆らうと出世できない、飛ばされる」「先輩がいないと起案が通らない」など、後輩が簡単に弱点ともいえる環境を作りやすくしている会社もあります。この状況を利用し上司や先輩から仕事を余計に強要されたら、パワハラと判断して間違いないでしょう。
人は楽をして収入を得たいと考えてしまうものです。そのため優位性を獲得すればそれを利用したいと考えてしまう人も居るという訳です。一度考えたら上司や先輩がその環境を作るのはたやすいこと、後輩は断ることができなくなるのです。
最近ではこのような状況から、有能な若手が辞めていくという現実を知り、辞めさせると上司の評価を下げるという会社も増えてきました。これにより後輩にも力を与えるようになったのです。ただこれを悪用する後輩も出てきてしまい、中々上手くいかない会社もあるようです。
一人でも誰かに押し付けて楽をしようと考える人がいる、これが起きる理由かもしれません。
業務の適正な範囲を超えた行動
例えば、仕事でミスをしたとき上司から土下座を強要されたら、こちらは明らかにパワハラと判断できる内容です。業務の適正な範囲を超えた行動になるため、土下座の強要は行ってはいけないのです。
他にもミスの責任からおごらせたり、営業ならば売れ残った販売品を購入させることもパワハラにあたります。
またプライベートな仕事を指示として与えるのも問題です。例えば「あそこの宝くじがよくあたるから、明日の休みに買ってきて」など業務に関係ないことを休日にお願いするのもいけません。
ただこれは、友好な関係のもと行われているのなば問題がないのですが、無理やり頼んだとすれば問題です。ここら辺がパワハラの判断を難しくしてしまうのかもしれません。
できれば仕事以外のお願いごとは、上司や先輩からはしないというのが望ましい状況です。ただすべてがダメとも言い難いのも事実、なんでも頼みあえるアットホームな環境は職場を良くします。
ここで重要なのは相手が好意で受けているかどうかです。もし嫌々行くのならばそれはパワハラと判断できる内容です。
身体的、精神的に苦痛を与えたり就業環境を害する
相手の人格を否定したら、それはパワハラに該当しま。例えば「よく今まで生きてきたな」「どの会社でも必要じゃない」「そんあ考え方に育てた親の顔を見たい」など、このような内容の責を受けたらパワハラと判断しましょう。
ただ本人がミスをしてしまい、1度だけ「辞めてしまえ」という言葉を言われたことがあるという程度だと判断が難しくなります。
このような「辞めてしまえ」という言葉は、複数回使用されたらパワハラと考える方が妥当です。
本当にそんな内容な責をする人いるの?と不思議に思うかもしれませんが、世の中には信じられないことが無数に存在しています。実際に言われている人がいるという事実を疑ってはいけないのです。
また、周りに何の意図もなく「雑用はすべて〇〇1人に任せていい」という発言も問題です。このような状況から「職場内のいじめ」に発展する可能性も考えられます。
これらは上司の、業績が上がらないことからくるストレス解消の手段として用いられることが原因かもしれません。このような状況になるとまさに負の連鎖、業績を上げる可能性を自分から低くしているのです。
自分の人格を否定するパワハラ上司がいるような会社は、すぐにでも辞めるべきだと考えます。
具体的な6つの行為
それではさらに具体的な例をあげ、パワハラを理解していくようにしましょう。
身体的
殴る、蹴るという暴力があれば明らかに身体的なパワハラと判断できます。頭を叩かれたや突き飛ばすという行為も同様です。喧嘩は先に手を出した方が負けという言葉もよく聞きますが、まさにその通りです。
また座って行う業務なのに座ることを禁止したり、不必要に正座をさせて仕事をさせるという行為もパワハラにあたります。
本当にこのような状況があったのか問いただすと「ミスをしたことによる罰ゲームでした」と答える上司がいますが、明らかに幼稚な言い訳です。
分かりやすい暴力以外にも、身体的に与えるパワハラは存在しています。自分が受けていると感じたら、今後の行動を良く考えるべきかもしれません。
精神的
先ほども例をあげましたが、精神的に追い詰めていくのはパワハラに該当します。朝礼や終礼など大勢の社員の前で罵声を浴びせるられるのは、精神的な苦痛を非常に感じます。
営業会社の店長を集めた会議などで起きているのが、このパワハラです。例えば、先月の業績が優秀な店長は褒め、悪い業績の店長は多くの店長がいる中で罵声を浴びせるのです。来月の改善策を発表させますが、本当にできるのかと詰められ、できなければ責任を取れというような責を受けます。このような侮辱を受けた店長が店舗に戻り、スタッフへパワハラをしていくという構図もよくある話なのです。
なぜこのようなパワハラをするのでしょうか?それはこんな思いをしたくなければ業績を上げろという見せしめの会議だからです。このような方法でしか業績を上げられない会社ならば辞めても悔いはないはずです。
人間関係の切り離し
人間関係の切り離しは子供のいじめのようですが、パワハラに該当します。例えば、飲み会に誘われない、一人だけデスクが遠い、就業時間が周りと明らかに違うなどが該当します。
このパワハラは、女性の職場でも良くみられるパワハラのようです。スーパーや飲食関係のパートでも、このような行動をされる人がいます。長く勤めている先輩パートが新人に対し行ってしまうようです。
お店側も長く勤めているパートを辞めさせるわけにはいかないので、見て向ぬふりをするという典型的なパターンも事実として起きているのです。
まるで子供のいじめのようなこの問題も、パワハラとして大きな社会問題になっているのです。
過大要求
明らかに教わっていないような仕事や能力以上の仕事を与える、周りの人の仕事をやらせるなどがこのパワハラに該当します。明らかに複数の人が必要な仕事でも、無理やり一人の社員に押し付けるような状況です。
無理な仕事内容により残業が発生してしまう、周りは帰社しているのに自分だけ残らないといけない、このような状況が良いわけがありません。
もしかすると仕事が終わらないことを理由に、次のパワハラを準備している可能性も考えられます。それが言葉によるパワハラ、つまり精神的なものになります。
「こんな仕事もできないのか」など責をされたら、明らかなパワハラといえるでしょう。
ここまでくるとパワハラと言いやすくなるのですが、その前の状況では立証するのが難しくなります。指示した相手も、「彼ならできると思って任せた」という言い訳を準備しているからです。
過小要求
先ほどとは逆に重責な仕事を与えないことがこれに該当します。例えば十分な実績がある人に対しコピーしかさせない、掃除を一人でやらせるなどの行為です。
これは仕事を辞めさせたい相手に行うパワハラと考えることができます。一日中コピーだけをしていたら辞めたくなるのも当然です。
自主退社になれば退職金も多く払わなくて済む、このような考えらから過小要求というパワハラが発生してしまうのです。
個の侵害
休日の過ごし方や、交際関係など仕事に関係ないことを「上司として知る必要がある」と説明し、聞いてくることが該当します。
また休日の日に連絡を取れるような仕事を与えることや、電話を強要してくるのも個の侵害と言えるでしょう。
個人のプライベートにまで会社が関係する必要はありません。休日が仕事のように感じる状況ならば、これももうパワハラと判断できます。
パワハラを受けているときに利益はありません。
パワハラの定義や具体例について解説してきましたが、いかがでしたか?
自分が不安に思っていた内容も、パワハラだという確信が得られたでしょうか。
パワハラと確認した後の行動は自分が決めること、訴えるかすぐに辞めるかを判断するようにしましょう。間違っても耐えて仕事するという判断をしないでください。忍耐力を付けたいのならば他の方法があります。パワハラ会社にいても何の利益も無く、逆に病気になる可能性が高くなるのです。
今回の記事でパワハラと判断できたのならば、すぐにでも行動を起こすようにしましょう。
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