人はなぜ働くのか、ある意味永遠のテーマであると言っても良いでしょう。子供のころは、ケーキ屋さんやプロ野球選手など色々なりたかった職業もあるでしょうが実際にその職業で働く人はなかなかいないものです。
それでも、人は自分の職業に対して誇りをもち、日々懸命に働いています。
また、お子さんのいらっしゃる家庭では、親が毎日遅くまでへとへとになって帰ってきている姿を見て、なんでそんなに働くの?という疑問をなげかけられることもあるでしょう。
では、なぜ人は働くのか、働くことで何を得られるのかということを改めてお話していきたいと思います。
働く理由・意義とは?
よく、職業観という言葉を使われます。辞書には職業に対して抱く一定の観念と記載されていて,その職業観は以下の3つのものが根底にあるとされています。
つまり、働くことはお金を稼いで日々の生活を維持する、時に旅行に行ったり、お酒を飲んだりと楽しむためのお金を稼ぐことはもちろんですが、自らがどのようにして立ち位置を得て、社会の中でどういう役割で生きていたいのかという非常に哲学的な側面もあります。
よく、働くこと=お金のイメージを抱かれる方も多くいらっしゃいますが、自己実現や社会的な立ち位置を作るために働いているということが言えるのです。
自分の働く理由を明確にしよう
就職活動を行う上で、志望理由を考えるなど自分が働くことに対して見つめる機会があると思います。また、すでに就職した方においても、今は転職産業が盛んな状況ですので、転職する際にも自分の働く理由について見つめなおすことも出てくると思います。
では、どのような角度で働くことについて考えているのか、また、どういうことを考えていけばいいのかお話をしていきたいと思います。
仕事を通して成長できる
仕事を自己成長できると考えている方は、仕事を通してどのような自分になりたいのか、またそれを実現するためには何をしたらいいのか、どういった仕事をしていけばいいのかということを考えていきましょう。
この時気を付けたいところとしては、成長という言葉は非常に曖昧な言葉です。そのため、成長とは具体的にどうなることかというところまでしっかり考えていきましょう。仕事を通して成長したいとだけ言っていると非常に空虚になるので、成長を定義するということも大事です。
周囲から評価されたい
昇格・昇進、高年収など周囲から評価されたいと考えている方は、まずは自分の得意なことは何かを知りましょう。基本的に自分の苦手なことをやっている以上、高い評価を得られるということはありません。
また、同時に自分のモチベーションが上がる仕事内容は何なのかということを明確化していくことも重要であるとお考え下さい。
生活を充実させたい
自分の生活を充実させたいと考えている方は、仕事のメリハリをつけ、働ける仕事をすること、また、自分が楽しい、面白いと思える仕事を行うことを大前提に考えていきましょう。
よく、自分が何がしたいのか分からないと考えているなら、自分の行動パターンから考えてみるといいです。
例えば、筆者であれば、勝ち負けを競うことが好き、細かな社内ルールを覚えるのが嫌い、広く浅い知識を得るのが得意、人の面倒を見るのが好きという理由で、人材系の営業として働いています。
つまり、自分の好きなこと、行動パターンを考えて、それに当てはまる、もしくは当てはまりそうな仕事を探しだす、そのくらいの感覚でいれば良いです。
お金のため
もちろん人はお金のために働いています。しかし、お金のためだけに働いていると息がつまります。
なぜなら、社会人人生はどんなに少なく見積もっても30年はあります。嫌々お金のために働きながら30年過ごすというのは苦痛以外何者でもありません。
雑な言い方かもしれませんが、なにかがうまくいっていれば、そのうまくいっていることに対して楽しいと感じます。
ですので、自分の得意なことは何なのか、何をすればモチベーションが上がるのかなど、視座を変えてなぜ働くのかを考えてみられることをおすすめします。
自分の仕事は世の中の役に立っている
次に、社会との接点という視点で仕事について論じていきたいと思います。
缶コーヒーのCMではありませんが、私たちの社会はそれぞれの仕事で成立しています。
例えば、身の回りにある食べ物やモノは、それぞれ生産する人が存在しています。
しかし、作っただけでは、世の中の市場に出回らせることは不可能ですので、営業マンや商社、また小売店など売る人、また販売機関があって初めてユーザーのもとに届きます。
また、出荷するためには、トラックを運転する人、製品の品質が大丈夫か確認する人、そもそも製品の部品を調達する人も必要です。
加えて、自社のビジネスを進めるに辺り、必要な人材を探さないといけないため、転職サイトを作る人、またそのサービスを提供する人、また紹介する人も必用になります。
このようにして、私たちの仕事は一見連続していないようで、実は自分達の仕事が色んな人の役に立っていて、それが経済、社会を支えています。
裏を返せば、この労働に参加していないということは、みんなで支えている社会から逸脱してしまっているということになります。
もちろん病気などで働いていない人はやむを得ないかもしれませんが、こういった角度で労働を見るとみんなで行っている社会形成に参加していない人という立ち位置が出来上がってしまうのです。
こうなることに違和感や気持ち悪いという感覚をもつことも重要だと言えるのです。
単純作業をするだけの仕事はなくなる
さて、今後仕事は大きく変わってきます。具体的にはAI、ITの多様化で単純作業はすべて機械に取って代わられると考えられています。
事実、海外では無人で決済はすべてキャッシュレスのコンビニが生まれ、販売店員が必要にならなくなってくる時代をいずれ迎えるでしょうし、自動車は自動運転がかなりのレベルまで開発が進み、近い将来自動車の運転をする人材も必要なくなります。
加えて、これまで花形と言われたMR、銀行員の仕事もAIに取って代わられ、人員削減も進められています。
しかし、私たちは働いてお金をもらって生きていかなければなりません。そうすると、お金をもらうだけのためだけに働いている人は生きていけなくなります。もっといえば、何かを生み出せるクリエイティブさが職業人として必要になります。
クリエイティブさを醸成させるには、自らが誇りを持ち、考えて仕事を仕事をしていかなければなりません。そうなると、職業観、職業哲学をしっかり固め、前向きに仕事をしていく必要があるのです。
職業観は実はこれから一番大事なもの!目の前のお金のことだけ考えて働かないようにしよう
職業観なんてどうでもいい、目の前の仕事をすればいい、昔は確かにそういう時代でした。しかし、これからビジネスの世界で生きていくには前向きさ、クリエイティブな働き方が求められる時代になります。
そんな時代に求められるのは、自分がなぜ今この仕事を選んだのか、もっといえば自分の矜持をもって、前向きに自分の仕事に没頭できるのか、それで新しいものを生み出せるのかが大事なのです。
お金のために奴隷にならない、自らが前向きに誇りを持って働ける仕事をしっかり選び、邁進していきましょう。
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