看護師は、売り手市場の転職先です。看護師不足が慢性化していることから、多くの求人を見つけることができます。ただし、看護師不足が慢性化していること、もちろんこれには理由があり、それが簡単に転職先を決められない原因になっているのです。
看護師の転職を考えている人は、まず売り手市場になっている理由を知っておきましょう。そこから、転職を成功させるために必要なポイントを解説していきます。
看護師が売り手市場である理由
看護師が売り手市場である理由を解説していきます。また看護師だけでなく、介護業界に興味がある人は、こちらの有利になる資格の記事も確認してください。
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離職率が高い
看護師が売り手市場になる一番の理由は、離職率がとても高いことが原因です。ではどのような理由で辞めていくのでしょうか。
出産や育児
看護師の仕事はとてもハードです。出産や育児を経験する女性、仕事との両立は、周囲の理解を得られなければ難しいと言えます。夫は妻が忙しいことから、体への負担を考え、仕事はやめて欲しいと進言するかもしれません。
本人も、両立が難しいことはわかっています。夫の意見を尊重することでしょう。出産や育児を理由に辞めていく看護師は非常に多くいます。育休を取得し復帰しようと考えていても、途中で無理と判断する人も少なくありません。
超過勤務が多く休暇の取得ができない
人手不足なことから、1人の看護師への仕事の負担が大きくなります。そのため、超過勤務が多くなり、休暇すら取得ができない状況です。その結果、辞めていく看護師もいます。するとさらに、残された看護師の仕事量が増える、あまりにもよくない状況です。
ここまで仕事してこの給料、このような声もよく聞かれます。看護師の給料は安すぎる、ここまで働いているのにこのお給料では、ほかの仕事の方がマシ、言いたくなることも十分理解できます。苦労して取った資格を持っているにも関わらず、ほかの業種に転職する人は、相当数いるようです。
このままでは、自分の体を悪くする、でも休みももらえそうにない、辞めるしかないかと考えるのも仕方ありません。慢性的な人手不足になるのもうなずけます。
人間関係
看護師の人間関係は悪い、このようなイメージを持っている人も多くいることでしょう。事実、人間関係が原因で辞めていく人が多いことも、問題になっています。これだけハードな仕事です。イライラし冷たく当たることもあるのではないでしょうか。
女性が多い職場でよく問題に上がるのが、人間関係です。看護師も例外ではありません。仕事への不平不満の八つ当たりがいじめにつながっているかもしれません。それを苦に辞める人もいます。ただし知っておいて欲しいのが、すべての病院で起きている訳ではありません。人間関係が良好の職場もあります。嫌な部分が目立ってしまうこと、これはよくあることです。「看護師=人間関係が悪い」と決めつけるのだけは止めてください。
看護師に転職する際の注意点
看護師不足が慢性化している原因から、転職をする際の注意点を解説していきます。
労働条件をよく確認する
看護師の求人を見る時は、労働条件の確認を必ず行いましょう。良さそうなことが書いてあると簡単に見るのではなく、しっかりと確認をする必要があります。
・休日の確認
休日の確認は絶対に必要です。公務員待遇の病院ならば、祝日も休みとする場所が多くありますが、それでも必ず確認をしておきましょう。できれば「4週8休」の病院を選ぶようにしてください。有給休暇などの制度も大切です。
・残業について
残業の有無も大切なポイントです。また、残業代の支払いがしっかりとなされるのか、この点を確認しておきましょう。
・給料について
労働条件に「看護師の経験が5年以上ある人は、基本給を上乗せします」と書いてあっても油断をしてはいけません。転職してみたら「配属先の科の経験が5年」と総務に説明されることもあります。条件を詳しく確認することの大切さがこれで分かりるはずです。
希望条件を考えて病院を選ぶこと
病院により条件はだいぶ変わります。「大学病院」「総合病院」「クリニック」「訪問看護」など、同じ看護師の仕事でも、勤める病院により違うことを考えておきましょう。
日勤で働きたい女性ならば、クリニックや訪問看護がおすすめです。経験を積みたい、年収を上げたいなど、キャリアアップを目指す女性は、大学病院や総合病院を選ぶのがおすすめ、なぜ転職を希望したのかを考えておきましょう。
看護師への転職を成功させるために必要なこと
最後に、看護師への転職を成功させるために、必要なことを紹介していきます。必ず実践をしてください。
病院見学を必ず行う
病院見学は必ず行うようにしましょう。人間関係を事前に確認するのは、なかなかできることではありません。しかし、前職を人間関係が原因で辞めた場合、気になるのは、チームワークが良い職場かどうかです。これを知るためにも、看護部へ連絡し、病院見学を申し出るようにしてください。
中には断る病院もありますが、そこは見せたくない理由があるのかもしれません。もしかすると人間関係が悪い職場かもしれませんので、注意をしましょう。また口コミを安易に信じすぎるのも問題です。
大切なのは、後悔をする可能性を低くすることです。病院見学までするのは面倒と考える人は、後悔する可能性が高まります。転職を失敗すれば、何度も転職先を探すことになり、最終的に困るのは自分自身です。転職を繰り返すことで、受け入てくれる病院がなくなることもあります。ダメなら辞めればいいという考えはなくしましょう。できれば一つの病院に3年以上は勤めておきたいところです。
希望の条件をリスト化しておく
転職先の条件はリスト化し、求人サイトを見る時の近くに貼っておきましょう。看護師へ転職する時に必要なのは、自分に合った勤め先を見つけることです。ただ転職先を探す期間が長くなると、なぜ転職を考えたのか、この理由を見失うこともあります。意味のない転職をしないためにもリスト化は必要なことです。
リストを常に見ながら、自分に合った勤め先を探すためにも、転職先が決まる前に現職を辞めるのはいけません。仕事が忙しい中で、転職先を見つけるのは大変と思われるかもしれませんが、辞めてしまうと当然のことながら収入がストップします。それが転職を焦らす原因になるかもしれません。焦り始めると、希望条件を無視し始めます。その結果、前職の方がまだ良かったと悔やむこともあるので、十分に注意をしてください。
求人情報はくまなく取得する
看護師の求人サイトは、とても多くあり、どこに登録しようか迷うかもしれません。どこも同じ情報だろうと思うかもしれませんが、違う情報を持っている転職エージェントもあります。気になるサイトはすべて登録を行うようにしましょう。
求人情報をくまなく取得するのは、看護師の転職を成功させるのに必要なことです。エージェントが非公開にしている求人もあります。エージェントから、病院の裏事情を聞けるかもしれません。
親身になってくれる人、嫌な感じな人、さまざまなエージェントがいます。良いエージェントと、転職先に巡り合う確率を上げるための努力は、できるだけ行うようにしましょう。
看護師への転職は慎重に
離職率が高い看護師へ転職するからこそ、慎重にならなければいけません。売り手市場だから選び放題という考え方にはならないことも知っておきましょう。人間関係が良好なことから、離職率が低い病院もあります。そのような病院の求人情報をはなかなかでないこと、これは当然のことです。
転職を繰り返さないためにも、看護師への転職は慎重に行うようにしましょう。焦ることだけは、ないようにしてください。
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