昇進を断る若者が増えています。昇進に魅力を感じないと、考えているようです。その中には、断りたいけどその後の仕事にマイナスはないか、不安に感じる人もいることでしょう。我慢して受けるべきなのか、判断に迷いが出てきます。
昇進を断ることにはリスクが伴います。会社の意向に逆らう行為です。上司や部下に疎まれることもあり得るでしょう。周囲が冷たくなることも考えられます。
今回の記事では、昇進を断る際の注意点について解説していきます。昇進を断る前に、どのようなリスクがあるか確認をしておきましょう。
昇進を断る本当の理由
昇進を断る本心には、どのような考えが隠れているのでしょうか?断る時に本当のことを話す人は、ごくわずかです。昔は昇進と聞くと喜ぶ人ばかりでした。時代が変わったことと、その本音を考えてみましょう。
また、起業によっては、経費削減の目的から、名ばかり管理職を行うブラック企業もあります。違法行為の可能性もあり得るので、詳しくはこちらの記事も確認してください。
名ばかり管理職の実体、違法の可能性があるので残業代を請求できるか確認をしてみよう
昇進にメリットを感じない
昇進にメリットを感じないという人が多くいます。これは、自分の上司を見て判断しているのでしょう。上司のポジションに、メリットを感じないのです。昇進をすることで、管理職になれば残業手当が出なくもなります。管理職手当以上にもらえる残業手当ならば、給料のメリットを感じません。
昇進により給料が減ることもあるというわけです。それで早く帰れればいいですが、帰ることもできない現状があります。会社は早く帰れと言うかもしれませんが、残業で頑張っている部下をおいて帰るのは、今後の士気にも関わる行動です。
給料が減るにも関わらず、遅くまでいなければいけない事実、メリットがどこにあるのでしょうか?やりたくないと感じる若者が増えることにうなずけます。
昇進による責任感の重圧
昇進に伴い起きる責任感の重圧を、味わいたくないと考える人もいます。昇進をすることにより、今までの上司よりも上の上司との会議にも出る可能性が高まり、そのような責任ある会議の重圧に耐えられないと考えるのです。
また、今までは自分のノルマだけを考えればよかったのですが、昇進をすれば、メンバー全員を合わせたノルマ達成を考える必要があります。部下のノルマを考えたくない、部下のせいで怒られたくないと考えてしまう人もいるようです。
これも現在の上司を見てしまったことで、思う内容です。現場で仕事をしているときは、あれだけ輝いていた人が昇進した後、日に日に元気がなくなる姿、挙句の果てにうつ病まで発症させていたら目も当てられません。昇進による責任の重圧に耐えられない上司を見たことで、断りたいと思うのも当然と言えます。
管理職は面倒というイメージ
管理職=面倒というイメージを持っている若者が多くいます。部下の育成は、気に入った人ならばいいが、嫌いな人の面倒までも見なければいけない、そんなのは嫌だと考えてしまう人もいるようです。
周囲に気を配って仕事をするよりも、一人で黙々と仕事をしている方が楽、確かにそれも一理あります。このような考え方は、管理職には向いていません。自分でも自覚していることから、断りたいと考えます。
昇進を断る時の注意点
本音と建前、先ほどあげたような本音を伝えれば、叱られる可能性も考えられます。もしかすると無理やり昇進させれらることもあり得るのです。ならば何かしらの理由を考えるようとするかもしれませんが、それにより大きな落とし穴にはまることも考えられます。昇進を断るときは、次の点に注意をしてください。
正当な理由がなければ断れない
昇進を断るには、正当な理由が必要です。社会人が企業の一員として働いている以上、個人のわがままを通す会社はゼロに近いと言えます。正当な理由なくして人事を変更するなど考えられません。
正当な理由とは、上司が納得する理由です。例えば家族の介護が必要で家の負担が大きくなるなどは、多くの上司が納得する正当な理由と言えます。ほかにも、現在体調が悪く、責任の重い役職は耐えられないと説明をすれば、納得をするかもしれません。
ただし、企業によっては昇進を断るなど言語道断と考える人もいます。どんな正当な理由があったにしろ、関係なしに昇進を決定する可能性があることも知っておきましょう。それは、勤めているご自身が一番肌で感じていることではないでしょうか。
ウソの理由がバレることも
中には、正当な理由がないためウソの理由を考える人もいます。しかし、正当な理由になるようなウソは、バレるリスクが相当高いです。何かしらの理由を考えても、見破られたらアウトになることでしょう。
ウソの理由の裏付けとなる証拠の提出を求められたらどうしますか?内容によっては、書類を提出してと依頼されることもあり得ます。提出できなければ、これもアウトです。
ただ、感情的になることもいけません。昇進したくないことを感情的に説明するなど、個人の信用がガタ落ちです。昇進を断る時は、それなりに真実の内容を、感情的にならず説明するようにしてください。
昇進を断ったときのリスク
最後に昇進を断ったときのリスクを知っておきましょう。会社の申し出を断るわけですから、当然おおきなリスクを伴います。
次のチャンスはないかも
昇進を断れた場合、次のチャンスは巡ってこないと考えてきおきましょう。巡ってくるかもしれませんが、可能性はだいぶ低いです。会社は、昇進を断る社員にもう一度チャンスを与えようなど考えません。それよりももっとやる気のある社員を探します。
古い友人と会った時、役職を持っていたことに劣等感を感じても、後戻りはできません。一度断った以上、自分から昇進をしたいと話すのも無理なことです。一度断った人に、もう一度チャンスを与える会社は、よほどの人材が不足している会社ととれます。
ほとんどの会社は、二度と昇進の話を持ちだしません。そのリスクを考えて断るようにしましょう。
周囲に疎まれる
昇進を断ることで疎まれる人になるリスクがあります。先ほど説明しましたが、名ばかり管理職の企業も存在し、管理職に対し良いイメージが持てない会社も多く存在していのが現状です。
そのようなブラックに近い企業であなたが昇進を断った場合、別の人が昇進することになります。あなたは、お前も断ればいいじゃんと思われるかもしれませんが、その言い訳は周囲に通用しません。あなたが断ったことで、後輩が苦労をしている、周囲にはズルい人と映る可能性が高まります。
その結果、周囲から疎まれ距離を置かれます。あなた自身は、自分は悪くないと思うかもしれません。誰しもあなたの立場ならそうです。しかし周囲にいる人はそうは思わないことを知っておきましょう。
解雇の可能性もある
昇進を断ることで解雇になる可能性があることを知っておきましょう。これは企業に備えてある就業規則に関係してきます。会社の昇進という評価に対し、それに従わない行為は、職務不履行に該当するかもしれません。
正当な辞令を拒否すること、人事権をもつ企業としては、放っておくことができません。他の社員に悪影響を及ぼす可能性が考えらえることから、解雇を考える場合もあり得ます。
正当な昇進に対し、正当な理由なく断れば、解雇の可能性は0ではありません。昇進を断ったことで職を失うリスクがあることも知っておきましょう。
昇進を断る場合は企業とよく話し合う
昇進を断りたいという気持ちもわかります。ただ、企業から給料を頂いている以上、あなたも歯車の一員です。一人のわがままが、周囲に影響を与える可能性があることを考える必要があります。
そのため、昇進を断る場合は、感情的にならず冷静に企業と話し合うようにしましょう。一時の感情で突き進むことがないように注意してください。
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