自爆営業はなぜ横行しているのか?稼いだ給料でなぜ必要でないものを購入しなければいけないの?新入社員でこんな思いをしたことはありませんか?
売れなければ自分で買え!この言葉を辛いと思っている営業マンも多くいると思います。
今回は、自爆営業はなぜ無くならないのか、その理由について考えていきます。
自爆営業の実態
「わが社に自爆営業はありません」これは企業のトップが現場を知ろうともしない恥ずかしい発言かもしれません。つまりトップは裸の王様、営業をしている社員の苦悩など知らないのが実態なのかもしれないのです。
有名なのは年賀はがき
自爆営業が有名になったのは郵便局の年賀状かもしれません。社員一人一人にノルマを課し達成させなければ、自分で購入するぐらい追い込む管理者がいたのです。
年々年賀状を購入する人も減ってきました。これはSNSの向上も関係しているかもしれません。とくに若者は年賀状離れが起こっているのです。
これは個人情報も関係してきます。昔の小学生は緊急連絡網に住所の記載もあり、それを見ながら冬休み年賀状を書くという習慣がありました。しかし、最近の緊急連絡網には住所の記載はないのです。これにより年賀状を書くという行為が面倒なものになったのかもしれません。
小さいころから書いていたのならば大人になっても年賀状と言う習慣は残るかもしれませんが、書いていないものに対し思い入れがあるわけがないのです。1月1日に子供がワクワクしながらポストを見に行く行為は昔の出来事という訳です。年賀状を書かずに育った子供たちが大人になっていくのだから、販売枚数が減少するのも当たり前のことなのです。
ただそれを経営者が認めては収入は大幅な減少をしてしまいます。郵便局の収入の大半は年賀状によるものです。製造枚数は年々減少しても大幅に減らすような行動はできないのです。
前年の販売枚数は今年の販売目標枚数に影響を与えます。よって郵便局の管理者は前年度の販売枚数を目標ギリギリにしたいと考える人も多くいるはずです。販売枚数が多くなると翌年の配分枚数が増えてしまう恐れがあるからです。このような考えを持つということは、自分たちも年賀状離れは止められないと理解しているのです。ただだからと言って収入の大半を占める年賀状の製造枚数を減少させるわけにはいかないという負の連鎖が起こっているのです。
このような状況になると、シワ寄せから影響を受けるのは社員、無理にでも売ってこいという判断になってしまい、追い詰められた社員は自爆営業をしてしまうのです。
しかも中には契約社員に対し社員登用制度をちらつかせながらノルマを課すという管理者も居たと言われています。弱い立場の者に対しあまりにも酷い話をするものです。
この結果、自爆営業をした人が買取ショップで売り、それを必要な人が安く購入するというあまりにもくだらないサイクルになってしまうのです。つまり自爆営業をさせても企業は意味がないという訳です。
実は年賀状だけではない
郵便局の自爆営業は年賀状だけではないようです。ほかにもかもめーる、ふるさと小包など多くの商品で自爆営業が横行していました。
ことが公になったため、現在はそのような営業をしていないと言っていますが、実際は働いている社員が必ず自爆営業の実態をワイドショーで証言しています。
これが企業のトップがしらない現場の闇の部分なのでしょう。このようなな状況は郵便局に限ったことではありません。
イベントごとの自爆営
・お正月のおせち料理
・節分の太巻き
・バレンタインデー
・ホワイトデー
・ひな祭り
・子供の日
・ハロウィンパーティー
・クリスマス
他にもあるかもしれませんが、これらのイベントごとにケーキや食べ物が製造されています。
特に注目されるようになったのは節分の太巻きです。多くの太巻きが売れ残り廃棄処分されている映像を、毎年のように見るようになりました。
これらも従業員による自爆営業が行われています。企業は昨年の販売数よりも製造を減らすという行為はしたくありません。それは企業が不調なのだということを示すことになるからです。
最低でも昨年の販売数以上のものを製造し、イベント当日を迎えようとします。事前の予約状況で売り上げが望めなければ相当な圧力をかけてくることでしょう。またコンビニに関しては無理やりノルマを課す本社もあります。これはフランチャイズのオーナーが買い取るしかないのです。これも自爆営業と言えるのではないでしょうか。
保険営業にもある
保険の営業をされている人にも自爆営業はあります。保険営業のノルマは企業によっては本当に高い目標になっています。さらに給料にも響いてくるので社員も必死です。
今月は契約がまだ0、もう中旬だと感じたら「しかたない、今月も安い保険に加入するか」という判断をしてしまうのです。なぜでしょうか?それは上司の詰めが待っているからです。ひどい詰めは、人の気持ちをどん底に突き落とします。相手もそれが嫌だと分かっているから行うのです。詰められるのが嫌ならば契約を持ってくる、それだけのこと、簡単なお話だととぐらいに考えている上司もいることでしょう。
最悪なケースになると、もう自分の名前では保険契約ができない、親に頼んで毎月の保険料は私が払うから加入してと、泣きつく人もいるようです。保険営業の場合はこのように、毎月の支払がどんどん厳しくなる自爆営業と言えるのです。
営業マンが友人や親を頼るようならばセンスが無いから辞めた方が良いと言われていますが、まさにそのとおりだと思います。保険加入をしつこく頼んで友達をなくしたり、自爆営業で生活を苦しくするぐらいならば、すぐにでも転職をする方がマシという事です。
自爆営業が無くならない理由
他にも様々な業界で自爆営業は横行しています。それではなぜ自爆営業が無くならないのでしょうか。理由を考えてみましょう。
やる人がいるから
まずは管理者ではなく、労働者の立場から考えてみましょう。自爆営業が無くならない理由、これはまさに「やる人がいるから」という答えが導き出されます。
もちろん仕方ないことは分かっています。自爆営業をやらなければいけなほと上司に追い詰められている状況も理解した上での発言です。これは被害者が加害者のように思われる発言として批判を受けるかもしれませんが、実際にやる人がいるから、それなら自分もやらなければいけないと感じ自爆営業をする人もいることを知って欲しいのです。
社員全員が強い意志を持ち自爆営業を断らなければ始まらないのです。自爆営業は自分のお金の無駄遣い以外に首を絞めていることを考えましょう。自爆営業で達成した目標は、次のときにそれよりも高い目標としてのしかかってくるのです。達成し続けるのは素晴らしいことですが、それは自分の営業力でしなければ意味がありません。
あなたは何のために仕事をするのでしょうか?より良い生活をするためではないのでしょうか。仕事をするという根本的な理由を忘れてはいけないのです。
管理者が詰める
これは明らかなパワハラです。先ほどのもう自爆営業はしないという強い意志を持ったのならば、これに耐えるようにしましょう。
また、契約社員に対しノルマを達成したら正社員にしてやるという言葉にそそのかされてはいけません。分かります。正社員という魅力的な言葉はあなたの判断を迷わすことでしょう。ただ、そのような営業をさせる会社に本当に就職してもよいのでしょうか。正社員になっても自爆営業の数が増えるだけで収入が逆に減るかもしれないという恐れはかりませんか?甘い誘惑に惑わされないようにしましょう。
営業会社の上司の詰めは正直恐ろしい人も居ます。人の尊厳をすべて奪うような、よくそんな言葉が思いつくと感じるような言葉を用意しています。それに屈しないことは本当に勇気がいるかもしれません。そのようなときは録音するという行動を起こすようにしましょう。それがあなたの心のよりどころになるかもしれません。
企業が実態を知らない
わが社は好調、イベントの品は売れ残ることなく完売していると勘違いしているトップがいる場合もあります。
つまり、社員が自爆営業したことにより達成したという事実を知らないのです。その結果、翌年はノルマが上がってしまうという訳です。これにより管理者は営業マンにさらなる自爆営業を強要する、そして無理やり達成させまたノルマが上がるというまさに負の連鎖が続いていくという訳です。
自爆営業が無くならないのには、連鎖という理由があるのです。どこかで断ち切らなければ無くなることはありません。しかも1度断ち切ったとしても自然に復活するかもしれない、それが自爆営業の無くならない理由なのです。
勇気をもって自爆営業を断るようにしよう
自爆営業は自分の利益にならない行為です。いくら詰めが怖くとも拒否をする勇気を持たなければ、変わることはないのです。
中には上司に言われてもいないのに進んで自爆営業をしてしまう人もいるようですが、それは本当に必要だから購入しているのでしょうか。
周りからよく見られたいという一瞬の満足感が、周囲に大きな迷惑をかけている可能性も考えられます。無意識に自爆営業を行っている人は周りの意見も確認してみることをおすすめします。
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