中にはすでにフレックスタイム制の中で就労しているという方もいらっしゃるでしょう。
時間に縛られない働き方ができるのかな、くらいのイメージを持つ方は多いでしょうが実際、フレックスタイムとはどのような制度なのでしょうか。
本編では改めてフレックスタイムについて本編で説明をしていきたいと思います。
フレックスタイムとはどんなな制度
前提として、会社には始業時刻と終業時刻を定めなければならなくて、雇用契約を結ぶ時には内定通知書、雇用契約書に記載されるようになっています。
その一方で、職種によっては、時間通り働くよりも、時間の裁量をもって働いた方が成果の出るような仕事も多くあります。そういった方に対してより成果が出せるよう1998年から労働基準法を改正してフレックスできるようになり、始業と終業時間を社労働者に裁量を与えることができるようになりました。
なお、このフレックス制度については以下の2点が実施要件になっています。
始業、終業時間は労働者が決められること
フレックスタイムについては、コアタイム、すなわち固定の出社時間を決めるなど一定の縛りを決めることができますが、具体的な出社、退社時間を指示することはできません。
そのため、雇用側は会議を実施する場合は原則コアタイムの中で実施しなければならないですし、残業指示もできないということになります。
フレックスタイムの内容は会社と労働者代表で合意がある
フレックスタイムを導入するにはあらかじめ労使間で以下の合意が必要となります。
- 誰がフレックスタイム制の対象になるのか
- 総労働時間とその期間(週40時間以内にならないといけない)
- 標準の労働時間
- コアタイム、ただし、すべての労働時間がフレックスになるなら特段定めなくてもよい(スーパーフレックス)
以上のポイントが満たされていることがフレックスを導入するうえで必要になります。
働き方改革が進んでいる昨今においても、フレックス制度はまだまだ導入が進んでいない現状があります。しかし、導入する企業も増えており、今後フレックスは普及されてくることが想定されるといえます。
フレックスタイム制のメリット
では、フレックスタイム制のメリットについてお話いたします。
プライベートを充実させることができる
フレックスの良さは、出社・退社時間を自分でコントロールすることができます。
そのため、満員電車の時間をさけて通退勤する、前日飲みすぎたのでゆっくり出勤する、また飲み会があるので早めに出勤して、早めに会社に出るというような柔軟な勤務が可能にできます。
また、結婚されている方は、お子さん保育園のお迎えなどをスムーズに行えるように夫婦間で出勤時間をずらすということも可能となります。
全ての職種で実現できるわけではありませんが、フレックスタイムはゆとりのあるビジネスタイム、プライベートタイムを実現することが可能なのです。
メリハリの利いた働き方ができる
仕事には繁忙期もあれば閑散期もあります。
すなわち、忙しい時もそんなに忙しい時もありますが、労働時間が固定されている場合、仕事が忙しくないときは手持無沙汰になってしまい、非効率となります。
また、疲れた時は最低限の仕事だけして帰り、必要な時はバリバリ働けるといったメリハリの利いた働き方が可能となります。
フレックスを導入すれば、このようなメリハリの利いた働き方が実現できるのです。
裁量をもって仕事ができる
仕事は時間で区切られるより、自らの判断で進めていく方が縛られていないし、ゆとりをもって働けるというのがモチベーションになる方もいらっしゃると思います。
このような時間的な制限のない、裁量をもった働き方が可能というのもフレックスタイムの魅力であるといえます。
フレックスタイムのデメリット
では、次にフレックスタイムのデメリットについても説明いたします。
自己統制能力が必要
フレックスタイムは、多少の規制はあれども、自由な働き方ができます。
しかし、自由すぎるがゆえに、自己統制がはかれなくなり、任せられた仕事についておざなりになってしまう方がいます。
よく言われることですが、自由には責任が付きまといます。
自由な働き方を実現するためには、果たさなければならない責任を果たさなければなりません。
そういった点でやらされる仕事をする、主体的に仕事をできない人にとっては厳しい制度だといっても良いのかもしれません。
調整力が必要
フレックスタイム制であったとしても、完全に個人プレーで働ける方は限られ、大半の方は他の従業員の方と日々協力をしながら働くことになります。
そのため、同じ時間に作業をしたり、会議をするなどすべて自由にできるわけではありません。また、いろんな方と時間を調整しながら、自分のプライベートを作り上げていかなければなりません。
ただ、漠然と自由な時間が作れるわけではなく、大前提として高い調整能力が求められるということも認識しておきましょう。
フレックスタイムに残業・残業代という概念はあるのか
フレックスタイムについて、導入されたら残業代がもらえないのではないかと心配する方もいらっしゃると思いますので、その点についてもお話をしたいと思います。
結論から言えば、フレックスタイムにおいても残業という考え方は当然ありますし、残業代も当然発生します。これが発生しなかったら労働基準法違反となります。
ただ、フレックスタイムが導入されている会社とそうじゃない会社の大きな違いは、フレックスタイムが導入されていない会社においては基本的に1日の労働時間でカウントをしていくこととなりますが、フレックスタイムは清算期間、すなわち総労働時間との差分、一般的にフレックスタイムは1か月単位でカウントしていくことになりますので、あらかじめ労使間でで見ていくこととなります。
例えば一か月の総労働時間が1日8時間で20日労働と仮定した場合、総労働時間は160時間となります。この時、160時間を超えて働いた分が残業代支給の対象となるのです。
また、フレックスタイム制でも、深夜残業、休日出勤も例外なくあります。法律上、フレックスタイムを隠れ蓑にして残業代を払わないということはできないのです。
これからフレックスは一般的な働き方になる!しっかり理解しよう
フレックスタイムは、働き方改革において注目されている働き方ですが、働き方改革がスタートする20年も前から法律で認められていた働き方です。
しかし、仕事には社内の労働者同士での協力が仕事の推進において日本においてはなかなか定着しなかった働き方でした。
しかし、今はスマホを主流とした携帯電話や、ノートパソコン、どこでもインターネットをつなぐことのできるwi-fiが当たり前になった今、最低限社内にいれば仕事は簡単に成立しますし、働き方改革の考え方も浸透しつつあり、フレックスタイムが非常に注目されています。
フレックスタイムを活用することができればワークライフバランスの整った働き方もできますし、ツールもそろった現状においては非常に適した自由な働き方といえます。
ただし、自由には責任が付きまといます。フレックスタイムがあろうとなかろうと責任は変わりません。フレックスタイムをうまく活用にするには、それ相応の自己統制能力が問われます。
フレックスタイムについて、またその背景にある労働法のポイントを正確に理解し、自分の裁量で、効率的な仕事ができるように自らで工夫調整をしていただけたらと思います。
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