就活でも転職でも内定をもらったはいいけど、他の会社で内定がほしい、一度は頑張ろうと思ったけどやっぱり自分に合わない、そんな就活生や転職希望者はいらっしゃるのではないでしょうか。
一方内定を承諾してしまったため、内定承諾後の辞退はしてはならない、どうしよう、そんな風に思っている方が大半なのではないかと思います。
では、本編では内定承諾後の辞退に関して法的な観点で説明をさせていただきます。
内定承諾後の辞退は原則してはいけない!その理由は
まず、大前提として、内定承諾後の辞退というのは就活生でも転職希望者でもしてはいけません。
なぜかというと、以下の通りです。
- 信用問題
- 採用してくれた会社に迷惑をかける
- 就活・転職エージェントのブラックリストに載る
では、どういうことなのか、以下ではもう少し詳しく説明いたします。
信用問題
社会人にとって信用とは最も大事なものです。社会人は会社、顧客、社内の人間関係などあらゆる関係者から信用を積み重ねることにより仕事とは成立していくものです。
それなのに、一度約束したことを反古にすることは、社会人として、またこれから社会人になろうとしている方にとって適した行動であるとは言えません。
社会人としての振る舞いとして、約束を守るということは大切なことだと言えます。
採用してくれた会社に迷惑をかける
内定を出してくれた会社というのは、少なからず自信を評価してくれた会社であるということが言えます。
そのような会社に対して、内定承諾をしたにも関わらず辞退をすることで、自身を受け入れるために色々な準備をしてくれている会社に対して迷惑をかけてしまいます。
また、もし就活、転職エージェントを利用されている方は、1円ももらっていないにも関わらず奔走した就活、転職エージェントにも迷惑をかけます。
社会人として活躍する方というのは、迷惑をかけないようにするという基本行動が徹底しています。
そのような基本行動が徹底していないということは、社会人として生きていく資質がないといっても過言ではないのです。
就活・転職エージェントのブラックリストに載る
就活・転職エージェントは一度利用した方のデータベースを保管しています。いくら消してほしいと依頼しても、再度利用するとなったら、それなりのデータが呼び起こせるようになっているケースが多いです。
そして、内定承諾後の辞退というのは、各エージェントにとって、顧客である採用企業側との信用問題に繋がります。
そのため、一度内定承諾後の辞退をした方は二度と自社サービスを利用させないというエージェントが大半です。
内定承諾後の辞退は信用という観点で非常に致命的な行為だということをエージェントの対応からもご理解いただきたいです。
法的な観点からはOK?内定承諾後の辞退は
上述の内容から、道義的な理由により内定承諾後の辞退は良くないという事をお伝えしました。
しかし、法的な観点で内定承諾後の辞退というのはどうなっているのかを見ていきましょう。
結論から言えば内定承諾後の辞退で法律的に責任を取らされるケースは非常に限定的にだといえます。
というのは、一般的には、内定承諾書に署名をしたら、労働契約を締結したとみなされます。
そのため、内定承諾後の辞退は、労働契約の解約するとなるといえます。
しかし、その一方で、労働契約の解約については、民法において、いつでも解約の申し入れができることになっていて、会社に対して解約の意思を伝えてから2週間後に契約解消されるということになります。
したがって、入社の2週間前までには、内定承諾後の辞退を伝えておけば問題ないとするのが法律的な見解になるのです。
しかし、入社前日に内定を辞退した場合などは、会社から損害賠償を請求される可能性は0ではありません。
そのため、遅滞なく内定辞退の旨を伝えることが求められるとお考えください。
そもそも内定承諾後に辞退をするようなことになるのか
確かに内定承諾後の辞退は道義的には認められないものの、法的にはある程度認められることはご理解頂いたものと思います。
しかし、そもそも内定承諾後の辞退はなぜ発生してしまうのかを改めて認識したいと思います。
では、どういい理由があるのかというと、以下が挙げられます。
- 入社前に聞いていたことと違うことがわかった
- 転職するのが怖くなった
- 現職から引き留めにあった、魅力的なオファーをもらえた
- もっといい会社からオファーがもらえた
では、それぞれ説明をいたします。
入社前に聞いていたことと違うことがわかった
転職面接を経て内定をもらったあと、内定通知書の条件を改めて提示されたり、会社の経営状況などが実は極めて悪かった、退職者が多い職場だったなどが挙げられます。
そうならないようにするため、IRを確認したり、複数の転職エージェントに情報を求めたり、ネットで情報収集を選考中に行うといった取り組みが必要です。
このとき注意すべきは、転職エージェントは自分に有利な情報提供しかしない、ネット商法はいい情報と悪い情報が玉石混淆となっているので多方面から情報を得る、きっちり吟味するといったことが必要です。
転職するのが怖くなった
転職は変化を求めるために行う行為です。
しかし、よっぽど現職に不満がないにも関わらず理想を追い求めた転職をした場合、いざ辞めようとするときに変化が怖くなり、メールで一方的に内定を辞退するといった行動を取る方がいらっしゃいます。
転職するということは何かを変えたいから行うものですが、リスクについては案外認識していないものです。
活動しながらでもいいので、リスクについてはしっかり確認をしていきましょう。
現職から引き留めにあった、魅力的なオファーをもらえた
入社承諾後の辞退において、最も多くあるケースで、転職エージェントはこれをカウンターオファーと呼んでいます。
カウンターオファーは一見良さそうに見えるケースもありますが、実は非常に危険です。カウンターオファーというのは、企業側において、従業員が辞めないようにするための苦肉の策です。
よくあるケースとして、給与アップや、将来のポジションチェンジなどがありますが、給与アップはしょせん前倒しにしか過ぎないですし、ポジションチェンジも保証のない口約束です。
結局時間が経てばまた同じような不満を感じてしまうケースは少なくありません。
また、一度退職したいと会社側に伝えている以上、会社から見える自身はもはや反乱分子です。そのため、今は良くても、会社の都合が悪くなったらあっさり退職させられるということもあります。
自らのキャリアを会社に委ねるより、自らでしっかり決めていくということを大事にしていただきたいです。
もっといい会社からオファーがもらえた
新卒採用においては、内定をキープするため、内定承諾後の辞退というのが横行しています。
やむを得ない場合も多いのですが、採用側は非常に困る要因となりますので避けたほうが良いと言えます。
内定承諾後の辞退は法的にはOK!しかし原則やってはいけないこと
内定承諾後の辞退は難しい場合はあるものの、法的にはOKというケースが多いのが現状で、新卒採用を行っている会社の大半はそうならないように必死で策を講じています。
もちろん、自らの人生のことですので最善をもとめることは必要なことです。
しかし、それゆえに社会人にとって最も大事な信用を欠く振る舞いをすることは自らにとってマイナスです。
社会人として信用のある振る舞いをすることはすることを念頭に置き、内定承諾辞退をしない段取りが必要といえます。
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