面接官
面接官はは60歳はいっているブランドと厚化粧で身を固めていた女性であった
まず、自分の自慢話からはじまる
院長の妻だったこと(~その時にはもう夫は亡くなっているので院長は雇われ医者)
いかに自分がお金持ちなこと
何故そんな病院に就職したのか?
単に経験年数がほしかったかである
私の場合は短期大学卒業の栄養士は2年の実務経験がないと国家試験を受けれない
最終的には病院で活躍したかったので管理栄養士の国庫刺客は必須だった
一年で辞めた最初の職場
真面目過ぎたと思う
理不尽なことで怒られた!!
そんなことで会社を辞めてしまった
低給与とか忙しいとかからではない
正当な主張を通されることがないというのがショックだった
冷凍コロッケ1個なしで大騒ぎ
まずは、毎日ムダな作業をやっている
冷凍食品を数える
毎日、毎日・・・1個~2個~3個~
まるで皿屋敷である
これにはあきれた
そのとなりでは例の院長夫人のお気に入りの調理員、Mさんが魚屋に電話して「今日は何がお勧め?」なんて値段を気にせず買い物をしているのである
患者さんの食費
計算してみると患者さんの1日の食材費は300円だったのである
国からは2000円位もらっていた時代だったので、凄い話だった
ブランド品も買い放題だったのもよく分かる
そして私が架空の献立を作って月60万かせいでいた
給与は安かった
多分お気に入りのMさんは高収入だっただろう
気に入る気に入らないで給与を決められたらたまったものではないのだが・・・
入院しているのは生活保護者
あるとき患者さんが枝豆を持ってきた
「取れたから茹でて」
ええ!畑で枝豆作っている患者がどこにいる!?
彼らは生活保護を受けている人たちだったのだ
生保を受けている人は病院代は本人の負担にはならない
入院していると自分で出す必要がないので生活保護には全て自分のものになるはずだ
近頃では生活保護詐欺というのがあるが、彼らが入院することで病院が儲けていたことは事実だ
姥捨て山
高齢者も多い
が、見舞いにきた家族を見たことがない
いい方は悪いが姥捨て山である
刻み食をほんの少ししか与えられず、毎日ひっそりと暮らしている
その両方を使い常に満床にしておく
治療はしない
儲かるはずである
ちなみに患者の食事の原価は700円位にするのが当たり前である
一般の飲食店も原価の3倍とるのが目安
制度が変わってしまって危機に
国が
「高血圧は特別食の対象にはしない」
ということを発表した
その病院は高血圧が多いので、院長夫人は慌てふためいた
高齢の方は血圧が高くなる傾向にあるので、高血圧というのはつけやすい病名だっただろう
今は血圧だけでも塩分制限食は出すがお金はとれない、摂れるのは管理栄養士が栄養指導した場合のみ
看護師でも准看護師が多いのにただでさえ少ない管理栄養士はその病院にはいなかった
ただいるだけでも、もう一つの条件さえそろえば特別食加算と言ってお金が入る
だがこれは最初からあきらめているようだったので何とか特別食を作っているふりをしてお金を取らなくてはいけない
(管理栄養士の資格は自分の犬が警察の嘱託犬になるより難しいと考えているようだった)
再び金が入ることに
院長は雇われ医院長だったので、経営にはあんまり興味がない
金の亡者だった院長夫人は病名を変えて引き続き特別食加算を取ることにした
病院はこんなことをして危機を乗り越えていった
その後
私は2年の実務経験を得て、すぐ病院を辞めた
国家試験に受かり見事!管理栄養士の資格を得た。短大では5%という狭き門だった
それを知った彼女は私がもらっていた給与の倍でハローワークに管理栄養士を募集を依頼
それだけ給与を出しても儲かるんだな
病院もある程度は儲けないとやっていかれないが、これ程がめつい病院を見たことがない
今ではとっくに倒産したとのことだ
私としては良かったと思う
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