「指導」と「パワハラ」どう違うのだろう。
後輩がいる人や部下を持つ人は、後輩や部下に注意する時に悩むかもしれません。
今回は、指導とパワハラの違いを紹介していきます。同時に実はパワハラに当たる可能性のある行為も紹介します。こちらを読んで、気を付けるようにしましょう。
パワハラとは
パワハラは様々な言動がありますが、厚生労働省ではパワハラの定義を6種類に分けて定めています。
身体的苦痛
殴る、蹴る、物を投げつける・・・等。こちらは非常にわかりやすいですね。
精神的苦痛
人前で、お客様の前で怒鳴り散らす・・・等。こちらもわかりやすい方です。
人間関係からの切り離し
無視をする等、こちらもわかりやすいですね。
過大な要求
明らかに1人で終わらない量の仕事を押し付けられる、というのがよくありますね。
過小な要求
仕事をさせてもらえない、雑用しかさせてもらえない、というのもあるようです。
個の侵害
有給休暇を取る理由をしつこく聞かれる、業務に全然関係ないことを悪く言われる、というのがこちらに当たります。
「指導」と「パワハラ」の違い
では、本題に入ります。
どれが指導?どれがパワハラ?
今から5個の文例を挙げますので、どれが指導でどれがパワハラかを考えてみてください。
- いいか!これは○○にしないと△△になってしまうぞ!次から気を付けろよ!
- こんなミスをするなんて、これだから高卒はダメなんだ!お前なんか雇わなきゃよかったよ!
- お前、出世したいんだろ!?それならもっとこうしろ!
- 来客対応堅苦しいぞ!だから彼氏できないんだぞ!
- 何やってんだ!人でなし給与泥棒疫病神!さっさと退職しちまえ!
では、どれが指導、どれがパワハラでしょうか。
正解は、指導は1と3、パワハラは2と4と5です。
1は「このようにしないとこうなってしまう」と良くない理由をきちんと説明していますね。
3は「出世したいんだろ?」と部下を思いやり、アドバイスをしています。
一方、パワハラに当たる行為は、2と4は「高卒」「彼氏がいない」という業務に全然関係ないことを悪く言っています。これは「個の侵害」です。5はただ頭ごなしに悪口を言っているだけです。これは「精神的苦痛」ですね。
後輩や部下を指導する時は
では、後輩や部下を指導する時はどのように指導したらよいのかをまとめていきます。
指導の内容「だけ」を言う
「これはこうしてね」と指導の内容「だけ」言うようにしましょう。余計に「あなたより私がやった方がいいと思う」「これだから○○は」というようなことを言うと、言われた側はとても不快です。
ちなみに、「あなたより私がやった方がいいと思う」というのは、私も会社員時代に先輩に言われたことがあります。
(なので、上司に相談してその仕事内容を先輩の担当にしてもらいました。そうしたらそうしたで今度は「本当に私にふるとか馬鹿じゃないの!?仕事放棄だ。最低。」と言われました・・・。)
なぜ良くないのか理由を言う
ただ「こうしろ!」「ちゃんとやれ!」では注意される側も何が良くないのか、なぜ良くないのかわかりません。なぜ良くないのか、良くない理由をきちんと説明しましょう。
指導が終わったらもう蒸し返さない
指導が終わったら、もうそこでその話は注意をする側、される側、お互いに終わりにしましょう。また違うミスがあった際に、「この前はこんなことがあったよね?」というようなことは言ってはいけません。これでは注意を受ける側も自信を失ってしまいます。1つの指導はその場限りにしましょう。
実はパワハラに当たる言動
ここまでは指導とパワハラの違いを紹介してきました。しかし、知らず知らずのうちにパワハラに当たる言動をしてしまっているケースも少なくありません。
その言動が、厚生労働省が定義したパワハラの定義6「個の侵害」にあたる可能性があります。
その言動について紹介していきます。
他人の家庭のことに口出しをする
「彼氏くらいいないの?」「まだ実家暮らしなの?」「結婚の予定は?」「子供は作らないの?」
これ、聞かれる側は案外不快に感じますよ。
私が会社員の頃は本当に色々な家庭がありました。シングルファザー、シングルマザー、母子家庭、父子家庭、障害のある家族がいる、子供がいない中高年夫婦・・・etc。なので、私が勤めていた会社では、他人の家庭に口出ししてはいけないということが暗黙の了解になっていました。
これも「個の侵害」にあたる可能性があります。
有給休暇を取る理由をしつこく聞く
有給休暇は労働基準法第39条で労働者に認められた権利です。有給休暇を取る際に、労働者は休暇を取る理由を言う必要はありません。取得理由も「私用のため」で大丈夫です。(免許更新や体調不良、通院はストレートに書いても問題ないと思いますがね。)
ここで「なんで休むの?」「どこ行くの?」「何するの?」というようなことをしつこく聞くと、こちらも「個の侵害」に当たる可能性があります。
なぜ休みを取るか、何をするのかはその個人の自由ですからね。
SNSを監視する
これ、私もされました。詳しくはこちら→クラウドワーカー女の会社員時代のパワハラ体験談
上記URLにも記載したのですが、私は女性の先輩にパワハラを受けて勤めていた会社を退職したのですが、その退職の決め手となったのがTwitterでした。
私は本名を出さず、顔写真も貼らず、正体を隠してTwitterをやっていました。それなのに、なぜか先輩が私のTwitterを知っていて、先輩にTwitterを監視されていました。
私は退職前に1カ月半ほど休職したのですが、先輩はその期間中に投稿したTwitterの内容を見て、「休職中なのにTwitter更新している。上司に報告しよう。」とTwitterに投稿していました。私のTwitterのスクリーンショット画像が載っていました。
※ちなみに、私が先輩のTwitterを発見したのは、あることをTwitterで調べていたら、たまたまその先輩のアカウントが出てきたことです。
Twitter更新といっても、内容はほとんど私の好きなTV番組のことでした。私はそのTV番組を見た感想を投稿していただけでした。それを上司に見せてどうするのやら・・・。私は違法行為など何一つしていません。
みなさんも、SNSを利用する際は、もし自分の職場の人のアカウントが出てきたとしても、それを詮索するようなことは避けましょう。これも「個の侵害」に当たる可能性があります。
急ぎでもないのに休日に仕事の内容について連絡する
緊急の案件(不幸があった等)であればともかく、公休の日に仕事の内容について連絡する行為は避けましょう。公休の日はみなさんも仕事のことは忘れてゆっくり休みたいですよね。急ぎでない案件を公休の日に連絡する行為も「個の侵害」に当たる可能性があります。
まとめ
指導は下記のように行いましょう。
- 指導の内容「だけ」伝え、余計なことは言わない
- なぜ良くないのか、良くない理由を言う
- 指導が終わったら、もうその指導はその場限りにする
また、下記の内容は「個の侵害」のパワハラに当たる可能性があります。
- 学歴や交際ステータス等、業務に全然関係ないことを悪く言う
- 家庭のことについて口出しする
- 有給休暇を取る理由をしつこく聞く
- 会社の人のSNSを詮索する
- 急ぎの案件でないのにも関わらず、公休の休みの日に業務のことについて連絡する
こちらを参考に、部下や後輩を持つ人も、それ以外の方も気を付けましょうね。
END