失業保険はメジャーな給付金、多くの人が知っている制度です。ただ「再就職手当」を知らない人は結構いるようで、そんな制度知らないと言われる人が多くいます。
どうせ就職するならば給付金を貰いたい、これは保険制度で支払っているのだから誰もが思うことではないでしょうか。
今回の記事では、あまり知られていない再就職手当について解説していきます。
再就職手当とは?
再就職手当は、雇用保険の受給資格決定を受けている人が、早く就職を行った際に支給される一時金のことになります。これは早めに再就職を促すための制度、そのため受給するには次の8つ条件を満たす必要があるのです。
※雇用保険制度について詳しく知りたい人はこちらのサイトで説明しています。
働かなくても給付金がもらえる??雇用保険とは?受給資格は?申請方法は?いくら貰えるの?
・受給手続きが完了し、7日間の待期期間終了後の再就職である ・基本手当の支給日数が、所定給付日の3分の1以上残っている ・再就職先と前回離職した会社に密接な関わりがない ・自己都合退職により待期期間がある人の待期機関終了後1カ月間は、ハローワークか厚生労働省が許可した職業紹介事業者からの紹介で決定した採取職である ・1年以上勤務することが確実である ・雇用保険の被保険者になっている ・過去3年以内に、再就職手当や、常用就職支度手当の支給を受けたことがない ・受給資格決定前から採用が内定していた会社でないこと |
受給条件はかなりありすべてを満たすことが絶対条件になります。内容も複雑なので、もし分からなければ、ハローワークの担当者に確認をしておきましょう。お金のことだから恥ずかしくて聞けないという人もいるようですが、制度がある以上利用するのは当たり前の行動です。
ハローワークの担当者が該当の説明を忘れている可能性も考えられます。自分の受け取るお金のことなので、自分から率先して聞くようにしましょう。
中には、失業保険を最後まで貰ってから再就職をしたいと考えてしまう人も居ます。ただこの最後まで貰うという考えに没頭すると、せっかくの良い機会を逃してしまう恐れがあるのも事実です。
「再就職手当の支給」はこのような考えの抑制になる制度なのかもしれません。この手当金を貰うために、早期再就職を目指してみてはいかがでしょうか。
再就職手当の支給申請方法
再就職手当の手続きには「再就職手当支給申請書」へ就職した会社の証明を貰い提出を行います。原則1カ月以内に行わなければいけないので、早めに手続きをするようにしましょう。
再就職手当支給申請書は、条件を満たされている人だけに交付される申請書です。先ほども説明しましたが、担当者が「ついうっかり」することもあり得ます。しっかりと話すようにしましょう。
支給申請を行った後、約1か月後には支給決定がなされます。特に税金が引かれるよな給付金ではありません。
支給される金額
再就職手当の計算式は次の通りです。
基本残日数×給付率(60%か70%)×基本手当日額(上限あり)=再就職手当の金額 |
給付率は次の条件になります。
支給残日数が3分の2以上の人:70%
支給材日数が3分の1以上の人:60%
また、基本手当日額には上限が設けられています。
60歳未満:6,110円
60歳以上65歳未満:4,945円
中には計算をすると50万円以上の給付金を貰える人も居ます。条件を満たせていれば、最後まで失業保険を貰うよりもお得に感じることはできませんか?
つまり失業保険を満額貰おうと考えるよりも、頑張って再就職手当の支給を受けた方が良いという訳です。
再就職手当でよくある質問
再就職手当は条件も沢山あるので、分かりにくい点も沢山あります。よくある質問を見てみましょう。
独立や起業でも受給できる?
独立や起業の場合、再就職手当が貰えないのではと考えてしまいますが、実はもらうことができます。待期期間満了後1カ月が経過すれば受給することが可能なのです。
ただ会社に再就職した人よりも手続きは少々複雑になります。通常1カ月程度で申請は完了する再就職手当ですが、必要な書類をそろえるのに手間がかかり、長い人では3カ月ほど申請に時間がかかる人もいるようです。
また、独立や起業の場合は貰えないのではと考えてしまうのは、失業保険の考えが絡んでしまうのが理由ではないでしょうか。もちろん再就職手当も退職前から独立や起業を進めている人には、支給はされませんので注意してください。
派遣社員でも支給される?
やはり再就職手当を支給される条件で一番分かりやすいのは、正社員採用の人かもしれません。1年以上の雇用が見込めるという条件があるため、派遣社員では支給されるの?と不安に思われる人もいるはずです。
この場合も条件を満たせていれば、ちゃんと支給の対象者となります。雇用契約書の内容次第になりますが、1年以上の雇用が見込める内容ならば再就職手当が支給されるのです。
もし複雑な場合は、ハローワークの担当者に相談するようにしましょう。
再就職手当の申請後すぐに辞めてしまった場合は
再就職をしても、すぐに辞めてしまう可能性も考えられます。あまりにも当初考えていた会社と入社してみたら違った、人間関係がここまでひどい会社とは思っていなかった等、急遽辞めてしまう理由はさまざまです。もちろん再就職後、すぐに退社をしてしまえば、再就職手当は支払われません。
ただ、支払われないからと言って嫌な会社に残ることを選択できますか?逆に再就職手当をあきらめて、すぐに他の仕事を探す方が前向きな考え方と言えます。
再就職後ハローワークは、3か月後の雇用状況を転職先に必ず確認します。そのとき退職していると分かれば、受給できなくなってしまうのです。さらに再就職手当が受給されたあと、1年以内に自己都合退職をしてしまうと、給付された再就職手当を失業保険から差し引かれてしまいます。
再就職手当を貰っても、あまり無駄遣いをせず、とっておくのが大事かもしれません。
残日数が足りない
失業保険の支給残日数が3分の1以下の場合は、再就職手当を受給することができなくなります。たとえ1日足りないだけでも受給されなくなってしまうのです。失業保険を満額貰うよりはという話はしましたが、1日足りないだけで再就職手当が給付されなくなるのも痛いものです。
さらに3分の2と3分の1では10%も違いが出てきます。ここら辺のタイミングは自分でしっかりと把握しなけばいけません。不正してもらおうとするのではなく、よりよく給付されたいと考えるのは間違いではないのです。
たった1日で10万円以上貰える金額が減るかもしれないのならば、考えるのは当たり前の行動です。しっかりとタイミングを考えるようにしましょう。
再就職先が前職と関係があるのを知らなかった
すごい確率かもしれませんが、再就職先が前職の関連会社と知らずに転職してしまう可能性も考えられます。やはり同じような業種を選びがちですので、その可能性はゼロではありません。
もし知らずに再就職した場合の再就職手当はどうなるのでしょうか?不正ではなく、知らずに再就職したのだから給付してもらえるのかもと思われる人もいるかもしれませんが、これは支給の対象外になってしまいます。
再就職手当の申請を行うとき不正受給防止のため、書類を必ず提出します。その内容の中に、前職と関連していないかの確認を行う個所も設けられているのです。その結果、知らないで再就職したあと実は・・・と気づく可能性も考えられます。
不正じゃなく偶然ですと説明しても再就職手当は支給されません。この点は注意できる点でもありませんが、諦めることが大事かもしれない内容です。
給付金の制度をもっと調べるようにしよう
色々な給付金制度が日本にはあります。「知らなかった」ということで貰えるはずの給付金を逃している人もたくさんいるのではないでしょうか。わざわざ教えてくれる人もあまりいません。自分で調べて質問するしかないのです。
貰える可能性が高い給付金を見過ごすしてはもったいない、何か普段と違う行動をするときは、色々調べるのが大事かもしれません。
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