今転職エージェントには、自分自身が転職エージェントとして活躍したいという希望を持っている方々が増えています。
また、一時期よりは落ち着きましたが、上向き基調の景気を背景に大量採用の方針を出し、エージェントに面談に足を運んだ方に自社の案件や同業他社の案件を紹介することも少なくありません。
しかし、転職エージェント業界は楽な業界ではなく、ややもすればブラック業界といっても過言ではありません。
では、転職エージェント業界の現状を現職の転職エージェントである筆者の経験からお伝えいたします。
転職エージェントはかなりきつい、その訳は?
では、なぜ転職エージェントはきつい業界、ブラックとも呼ばれる業界なのかについてお話をいたします。
- 競合が多い
- 業界特性は非常にイケイケ
- 事業収入が安定しにくい
- 成果には運の要素が大きい
ではそれぞれ詳細な説明を加えていきたいと思います。
- 日系のエージェント
- とにかく新規開拓のテレアポは行われる
- 毎日夜10時まで勤務
- 何か理由を見つけられ詰められる
- 毎年4分の1人員はは退職する
- ベテラン社員が多く在籍
- 福利厚生がある程度整っている
- 面接官が穏やか
- 日系のエージェント
競合が多い
転職エージェントというのは非常に開業が簡単であるため、同業他社が多くなります。
加えて製造業のような製品の差別化ができません。そのため、どのくらい企業に売り込みができるのかがポイントになってきます。
決してスマートな仕事ではないのです。
業界特性は非常にイケイケ
人材業界の代表格と言えばリクルートですか、元々リクルートという会社は将来経営者を目指すような成長意欲の高い人材が集まる会社で、いわゆる「モーレツ社員」が多い業界です。
また、業界内にもリクルート出身者が多いですし、非リクルート系でも往々にして同じようにイケイケな会社が多いです。
業界的にも非常に体育会な雰囲気があるのです。
事業収入が安定しにくい
転職エージェントが企業からの採用フィーを支払ってもらえるのは実際に入社してはじめてもらえる「成功報酬」型です。
、求職者が何度か面接を通過し、かつ本人が内定を承諾し、実際に入社するまで色々とハードルがありますし、期間がかかります。
以上のような理由で、個人の売り上げ成績が0円になることもあります。精神的にも厳しくなりがちな仕事だと言えます。
成果には運の要素が大きい
成果を出すには良いクライアントを獲得すること、キ良い求職者を獲得することが大事です。これら双方が揃ってないと成果をだすことができません。
しかし、小規模のエージェントだと顧客開拓が大変ですし、大手であれば顧客は揃っていても良い顧客が回ってくるかどうかは運です。
努力だけでは何ともならないケースも少なくないのです。
筆者が在籍していた中堅〜大手エージェントの状況
筆者は約3年大手〜中堅レベルの転職エージェントに在籍していました。
筆者は企業窓口を担当する営業職としてはたらいていましたが、そのエージェントの状況はおおよそ以下のとおりです。
働いている当時は慣れていたので大したことはないと考えていましたが、今考えるとなかなかの苦行と言っても過言ではありません。
朝は9時、早い日には8時に出社し、毎日夜10時まで仕事をするような環境で、売り上げに関しては非常に厳しく言われていました。
また、「再現性」という言葉を多用され、会社が求めるKPI、すなわち目標達成するために必要となる業績評価指標(転職エージェントでいえば推薦数、新規獲得求人数、顧客訪問数など)がクリアしていなければ売上をクリアしても詰められるという状況でした。
結果、かなりの精神的、体力的な忍耐力も必要な状況で、売り上げも担当する会社や領域によるところも大きく頑張っても年収が上がらない状況でした。
結果、毎年4分の1が退職し、3年も経てばほとんどベテランのような状況になっていました。
もちろんエージェントによって状況は異なりますが、少なくとも定年まで安定して働ける会社はかなり限られていると考えて下さい。
働きやすいエージェントの特徴
では、どんなエージェントだとはたらきやすいのでしょうか。働きやすいの定義は異なりますが、おおよそ以下の通りです。
ではそれぞれ説明をいたします。
ベテラン社員が多く在籍
20代、30代の若い方の多いエージェントというのは、長く働いた人があまりおらず、人が取っ替え引っ替えして法人として維持されている可能性が高いです。
裏を返せば体力が落ちてくるベテランの方々が長く働けている会社だとそういうイケイケな社風ではないからこそ在籍できているという側面があるため働きやすい転職エージェントであるということが言えます。
事実、筆者の在籍している転職エージェントは40代、50代の社員が大半で、入社した当初は30代中盤で最年少という状況でした。
社風は非常に穏やかで一日の平均労働時間も低くなり、このことを身をもって感じました。
福利厚生がある程度整っている
転職エージェントのビジネスはとにかく売り上げが安定しません。そんな中、大半の会社では退職金など福利厚生を準備しない会社も数多くあります。
しかし、そんな中、福利厚生を充実させているということは、社員に対して長く働いてほしいという会社のメッセージが込められていると言えます。
福利厚生の充実度というのは重要なポイントであると言えます。
面接官が穏やか
これは絶対的な要素ではありませんか、厳しい環境で働いているエージェントの面接官はどことなく眼光が鋭かったり、口調がどこかきつかったりということがあります。
そのため、おだやかな面接官のいる会社のほうが働きやすい可能性が高いです。
ただし、優秀なエージェントは演じる力もあるため、あくまでも参考程度に留めていただきたい内容であることも合わせてお伝えいたします。
日系のエージェント
外資系の転職エージェントというのは、あまりおすすめしません。何故なら、外資系のエージェントはかなり強引なことをさせます。
一例としては、本人が受けたいと言っていないのに勝手に推薦したり、説明を求められた場合も適当な説明しかしないなど、決まれば何でもいいし、お金のためには何でもやってしまえというよいたなやり方が横行しています。
そういった観点からも日系のエージェントのほうが長く働けると言えます。
働きやすいエージェントでも成果は必ず求められる
働きやすい、働きやすくない転職エージェント双方に言えることですが、結局売り上げが求められることになります。
逆に、売り上げが上がらなかった場合は会社に在籍しにくくなりますし、場合によっては退職干渉をされる可能性も十分あります。
転職エージェントの仕事は社会貢献度の高いような仕事に見えますが、中身は肉食系、ハンター気質が求められる仕事です。
そのことを理解していないとかなり厳しい仕事だと認識してください。
また、キャリアアドバイザーの仕事をしたい方に認識していただきたいのは、求職者は平然とうらぎることがあります。昨日の約束を翌日翻すなんてこともあります。
もしかしたら人間不振になる仕事なのかもしれません。そのことも知っておいてください。
まとめ
転職エージェント業界は製造業のようにものがあるわけではないですし、企業に提供する商品が人なので安定性もありません。
また、業界は営業体質が強い業界で、どんな会社にしても結局営業力が求められます。筆者は誤解を恐れず申し上げるのなら、まともな人がやる仕事ではないとも思っています。
社会貢献性を求めてやりたいというのであればおすすめしませんが、この業界に期する何かがあるのなら本編を参照にしながらチャレンジしてもらえたらと思います。
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