「また、今月も始まった。ああ嫌だなぁ・・・。」
女性が10代から50代前半まで約40年間付き合うことになる「生理」。女性は妊娠と出産をするため、毎月の生理は避けて通れません。
生理中、特に生理痛等の体調不良は全く何もないという人もいますが、生理が始まってから2日間は生理痛がひどい、体調が悪いという方の方が多いでしょう。また、中には会社を休むほど生理痛等の症状がひどい人もいます。
ところで・・・労働基準法第68条で「生理休暇」が定められているのはご存知でしょうか。今回はその生理休暇、生理時の不調についてまとめてみました。
生理休暇の概要
生理休暇とは
生理休暇とは、生理による体調不良が著しく酷い女性従業員に認められた休暇です。勘違いしないでいただきたいのは、「生理になったら休める」のではなく、生理による体調不良が著しく酷く、就業が困難な場合です。
労働基準法でも定められているため、こちらは会社の就業規則でも定められているはずです。要確認ですね。
生理休暇は有給?無給?
こちらについては、労働基準法上では定めはありませんので、会社によって異なります。就業規則を確認するか、総務担当に問い合わせましょう。
例:「生理による体調不良が著しく、就業が困難な女性従業員は、生理休暇を申請することができる。生理休暇は1ヵ月に2日認め、最初の1日を有給とする。」といったように規定があるはずです。
私が会社員時代に勤めていた会社は、上記の例のように生理休暇は月に2日、最初の1日は有給の形でありました。
もし、生理休暇が無給だとしても、労働基準法では生理休暇の給与発生の有無については定められていないため、違法にはなりません。
正社員以外は対象になるのか
「生理休暇は正社員だけ?」「賞与も福利厚生も正社員だけ。非正規労働者には生理休暇もないのかな・・・。」
結論から言うと、雇用形態に関係なく生理休暇を申請することができます。契約社員も、パートタイム労働者も対象です。これは安心ですね。
筆者の生理と生理休暇エピソード
ここで、私の生理と生理休暇エピソードを赤裸々に語ります。
私の初潮は小学6年生の春でした。もうこのときから生理初日の生理痛がひどく、出血も非常に多かったです。ほんの少し動いただけで大量に出血した程でした。中学卒業くらいに、ようやく生理がある生活に慣れてきました。それまでは布団や下着をよく汚す日々でした。
それから大学を卒業して就職したのですが、何回か生理休暇を申請したことがありました。まだ入社して3ヵ月の頃、就業時間中に酷い生理痛に襲われて、応接室で休みました。症状も少し落ち着いたので、業務に戻ろうとしたところ、上司から「帰っていいよ」と言われました。
え?入社して3ヵ月で有給休暇ないから欠勤になるんじゃ・・・?と私は思いました。・・・が、上司が就業規則を見せてくれて、生理休暇があり、月1日のみ取得でき、有給になることを教えてくれました。
結局、その日は帰り、その日の分の給与は減額されていませんでした。私が勤めていた会社は男性がほとんどでしたが、生理時の不調について理解があり、とても助かりました。
その後も度々生理痛が酷かったり、めまいや吐き気がして、生理休暇を申請して会社を休むことがありました。これじゃ会社に迷惑がかかるな・・・と思い、婦人科に行ってみました。すると、子宮内膜症になりかけているということでした。
それ以降、ピルを飲むようになりました。(※写真は実物ではありません。)今では生理中も体調不良はなく、出血量もかなり減りました。
なかなか理解されないことが多い生理の体調不良
私が会社員時代に勤めていた会社は、生理について理解があり、とても助かったのですが、ネットを見ていると、
「生理で体調悪い時に体調管理がなってないと嫌味を言われた」「毎月決まって生理休暇を取る人がいる。何なの?」「私は生理痛が辛くても我慢して出社しているのに!それが社会人として当たり前のことでしょ!」と、心ないことを言われた人や、生理による体調不良の辛さや生理休暇を申請して休む人が理解できないという人がいます。
それぞれの人へ言葉を贈ります。
生理による体調不良が辛い人へ
無理したところで良いことはひとつもありません。生理休暇を申請して休んでください。もし会社の人から生理休暇について嫌味を言われたら、頼れる人に相談したり、上司に報告しましょう。
また、中には「私はどれだけ生理痛が酷くても、きちんと出社しています!這ってでも出社します!生理痛で休むなんて考えが甘いと思います!」という人もいるでしょう。
しかし、出社しても症状が重くて周囲に心配をかけたり、ミスをして周囲に迷惑をかけるくらいなら休んだ方が良いのではないかと思います。無理に出社される方が他の人としても迷惑でしょう。
そして、もう1つお伝えしたいことがあります。
そこまで症状が酷いのであれば、1度婦人科に行って、子宮の検査をすることをお勧めします。もしかすると、子宮内膜症、子宮筋腫・・・といった婦人科系の疾患が隠れているかもしれません。とにかく、無理はなさらないでくださいね。
生理による体調不良をよく理解していない人へ
こういった人は、男性か、生理中も特に体調不良がない女性でしょうか。
生理痛というのは、何十キロもの重りが下腹部に乗ったような感覚です。また、生理痛の一種として、子宮や肛門に針でチクッと刺されたような激痛が走ることもあります。さらに、誰かにタックルをされたようなドーンとした腰痛を伴うこともあります。それだけでなく、めまいや吐き気の症状も出てきます。
辛い人にとってはとても辛いものです。どうかご理解ください。
そして、毎月のように生理休暇をとって休んでいる人がいたら、婦人科を受診するように勧めてあげてください。女性特有のものなので、男性社員が気になった場合は、男性社員が直接伝えるのではなく、女性社員を通して婦人科の受診をするように伝えた方が良いでしょう。
まとめ
今回は女性の生理と生理休暇についてまとめました。
もしかすると、この記事を読んで初めて生理休暇があることを知ったという方もいるかもしれません。私は先程も書いたように、業務中に酷い生理痛に襲われて、上司に帰っていいよと言われた時に初めて知りました。
私が勤めていた会社は女性が数えるほどしかいませんでしたが、理解があって本当に良かったです。女性が多い職場に勤めている方は、女性同士で悩みを共有するのも良いかもしれませんね。
また、中には「上司が男性だから、生理だなんて言いにくい」「生理休暇っていう名前がストレートすぎて何か嫌!」という人もいるのではないのでしょうか。
しかし、女性の生理は義務教育の保健の授業で習うことなので、男性でもまともな人であれば理解してもらえるはずです。思い切って相談してみると、もしかしたら理解して配慮してもらえるかもしれませんよ。
「生理休暇」は働く女性にとって強い味方となります。就業時間中に症状が酷くなった時は無理をせず、また、ためらわずに上司に生理休暇を申請しましょう。朝起きて辛いな・・・と感じたら会社に電話して生理休暇を申請しましょう。
労働基準法でも定められており、会社は認めなければならないため、まともな会社であればダメとは言われないはずですよ。(何かしら嫌味を言われたら頼れる人に相談しましょう。)
仕事ももちろん大切ですが、それ以上に自身の健康が一番大切です。生理について悩んでいる方はこちらの記事を参考にしていただけると幸いです。
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