最近はだいぶ副業OKとする会社も増えてきました。こそこそする必要がなく堂々と行うことができるようになったのです。
本業で残業ができなくなったから収入が減った、それならば空いた時間に副業を開始しようと考えている人も少なくないはず、ただ急に始めるのは注意点があります。
今回の記事では、サラリーマンが副業を始めて失敗した実話から注意点を確認していきます。
副業を始めようと考えた理由
副業が解禁になったことで収入を増やそうと考えてしまい、お金を中心でも仕事を考えてしまったことにより失敗したお話です。
本業の勤務時間は平日の8:30~17:30、土日祝日はお休みのサラリーマンでした。特に残業はなく、誰もがうらやむような有難い会社に就職できたのです。ただ問題は新入社員は給料がとても低いこと、年を重ねれば給料は上がっていくと思い2年目と突入しましたが、今度は住民税が引かれるようになりました。さらに会社の互助会制度に無理やり加入させられ収入は増えることが無かったようです。
さらに断ることのできない性格をしている彼は、会社に来られる保険の加入も行ってしまいました。上司から「この人昔からうちの会社に保険の説明にきてくれて信頼できる人だから、若いうちから入っていた方がいいよ」という言葉をかけられたのです。上司に気に入ってもらいたいと考えてしまった彼は、毎月自分の保険も支払うことになってしまいました。
副業がOKと知ると欲がでた
副業がOKと聞いた彼は、もっと広い家でとなりの音を気にすることなく住みたい、貯金もしたい、親にも仕送りだってと考えていました。彼の住んでいた家は古いアパートの1DK、となりのいびきすら聞こえるようなアパートで一人暮らしだったのです。
行動も考え方も実に素晴らしい人でした。借金は絶対にしてはいけないという両親の言いつけは必ず守ると決めていたのです。その彼が選んだの仕事は家から自転車で10分ほど離れた場所にある24hのガソリンスタンドだったのです。昔アルバイトしていたから、夜中は時給が1,350円で高収入だからと選んだ仕事でした。もちろんWワークOKの場所だったというのも理由の一つです。内緒にするのができない彼は、すべてを両方の会社に知ってもらわなければ仕事はできないと考えていたようです。しっかりと本業にも副業を行う手続きをしたし、ガソリンスタンドにもWワークと言う説明をしておきました。
勤務時間は、24時から翌6時を選びそれを週3回行うようにしたのでした。アルバイトの日は19時に帰宅し23時までは睡眠をとりその後にアルバイトへ行く生活を行っていたのです。6時に家についたらシャワーを浴びて出社の準備、もともと体力にも自信があった彼は問題なく仕事をこなしていきました。
副業の収入を見てびっくり
初めて給料日の収入を見て彼の考えは変わってしまったのです。収入は約10万円、本業の手取りが18万円だったので、一気に収入が増えてしまったのです。実際にお金を手に入れた彼は、もっと働けばすぐに貯金が貯まる、そうすればと考えてしまいました。次に彼がとった行動は、日数を増やすという行動に出てしまったのです。
本業の就業規則には「本業に支障をきたす勤務形態での副業は禁止」とされていましたが週5日に増やしても大丈夫だろうと考えたのでした。彼の頭には週に5日働けば給料は15万以上もらえるという考えしかなかったようです。
本業に近い収入を得ることができる、彼の頭にはそのことしかなく、体の心配は一切しなかったのです。仕事の曜日は月・水・金・土・日を選びました。これならば金曜日と土曜日は仕事が終わった後昼間に休める、だから大丈夫と言う判断だったようです。
本業の同僚の態度が気になる
副業を始めて2カ月ぐらいが過ぎたとき、彼は本業の同僚の態度に違和感があることに気づきました。その違和感はいじめとかでないのは、本人も分かったようです。いじめやパワハラがあるような会社では無い、これはいじめではないけど違和感があると感じたのです。
その理由はすぐに分かりました。彼は自分が付き合いの悪い人になっていると気づいたのです。確かに飲みに誘われても断るようになった、新人の頃は2週間に1度は飲んで帰っていたのに最近は飲みに行かなくなっていたということに気づいたのです。
ただ特に周囲もわざといじめで話しているのではなく、普通に先週の飲んだ時の笑い話をしているだけ、その話についていけない事を寂しいと感じ始めたのです。
誘いを断っても周囲は「副業頑張れよ」と言ってくれたので、こんな風に寂しくなるとは考えもしなかったようです。
この状況から彼は仕事の曜日を、月・水・木・土・日と変更したのです。みんなが飲みに行くのは金曜日が多いためその日の仕事を木曜日に変更してもらったのです。ガソリンスタンドは曜日変更にも応じてくれ、本当に恵まれていると思っていました。
体に異変が
副業を始めてから3カ月が経ったころから体がだるくなるようになったそうです。夜に起きるのが辛くなり始めたのが最初でした。ガソリンスタンドの仕事を始めると問題は無いのですが、始めるまでが本当にだるく仕方がない状態になったようです。
家に帰りシャワーを浴びて仕事に出るときもダルく、会社へ行きたいくないと思い始めたのです。土日の昼間は休めているから体力的には大丈夫と思っており、実際に仕事を始めれば問題なくこなせる、だから問題ないはず、なのになぜこんなにだるくなっているのだろうと不思議に思ってました。
それでも彼は睡眠時間はしっかりととってるから大丈夫、事故は絶対に起こさないと考えていたようです。芯が真面目な彼は、仕事では絶対にミスはしないという人、分からないこともしっかりと先輩に確認し仕事を進めていたので、信頼もありました。
その性格はガソリンスタンドの仕事にも表れており、社長の信頼もあったようです。そんな真面目な彼だからこそ、曜日変更も柔軟に対応してくたようでした。
ただ体の異変は進む一方、今度は食事をするのが嫌になったようです。食べるのが嫌になったころから一気に体はおかしくなり始めました。
ついに倒れてしまう
食事ができなくなり彼はついに仕事中に倒れてしまったのです。驚いた上司はすぐに救急車を呼び病院へと搬送をされました。上司が付き添って運ばれたのです。実家にも連絡があり、母親もすぐに息子のもとへと駆け付けました。
医者からの診断は「過労と栄養失調」、母親が来た後、上司は診察結果を話し2~3日の入院で大丈夫みたいですと伝え会社に戻りました。彼が気が付いたとき上司の姿はなく母親のみが病室にいたのです。
彼は母親の前で号泣をしました。会社と上司に迷惑をかけてしまったこと、今の自分が情けないと感じ、どう説明していいか分からないと気が動転していたようでした。それでもガソリンスタンドにすぐに連絡したいと母親にお願いをしたそうです。仕事に行けないから迷惑がかかると心配したようでした。分かったから今はゆっくりと休みなさい、その言葉が彼には辛かった、仕事先にだけでなく母親にも迷惑をかけてしまったと自分を責めたのでした。
翌日上司が病室に訪れ、なぜ今回のような状況になったのか質問を受けました。彼はすべて正直に話し、上司に明らかなオーバーワークと言われたのです。副業は許したが本業に迷惑がかかる副業は許可されないと言われました。就業規則から外れた行為、今回は処分があるかもしれない、また副業も取り消しと言われたのでした。
退院後、母親とともに本業とガソリンスタンドに誤りに行きました。ガソリンスタンドでは仕事を辞めると告げたとき、社長に「これからは無理をするなよ。気にしてやれなくてすまなかった」と言われたのが辛かったと話していました。
救急車で運ばれてから1週間が経ち仕事に復帰、処分は副業禁止のみでその他は不問と上司に告げられ、感謝をしたそうです。
無理をする副業はダメ
今回の件は、友人の母親から若いのにしっかりとした考え方の人がいるということで聞いたお話です。育て方がよかったから真面目に育ったんでしょう、お金の大切さを分かっていた人だと聞きました。
ただお金に注目しすぎた点が問題です。大きな収入を得たため無理をし始めてしまった、若さゆえの過ちかもしれません。
副業は自分のできる範囲、本業に迷惑がかからないよう行わなければいけません。それができないのならば、手を出してはいけないのです。
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