行き届いていない?海外と日本の金融教育

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欧米では金融教育というものが行われ、お金の使い方、投資について学ぶ機会があります。

しかし、日本では、金融教育というものは原則行われておらず、世界的に見て日本の金融教育は遅れていると言われており、金融に対する知識は非常に低いと考えられています。とはいえ最近では金融に関する教育を始めるということで2022年度から実施される高校の新指導要領には、家庭科の授業で資産形成の指導することが決定しました。これにより、日本の金融教育もスタートすることになったのです。

しかし、日本人は本当に金融について疎いのでしょうか、また日本の金融教育はどのようになっていくのかを本編では説明していきたいと思います。

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そもそも家庭科の授業で金融を指導することが良く分からない

兎にも角にも、日本の教育において、金融教育がスタートすることになったのは前述の通りですが、ここでいきなり1つ大きな疑問を持たざるを得ません。それは家庭科の授業で金融を扱うということです。家庭科の教師においてはもちろん教員試験で数学を勉強することにはなりますが、その割合はほんの少ししかありません。

しかし、金融を扱う上で、金融工学など数学的な知識もなければ、金融の現場で働いたこともなく、金融を教育する専門家としては非常に適切であるとは言えません。

以上の点をみても、家庭科の教師に金融や資産運用について指導をさせなければならないこの状況というのは日本の金融リテラシーがないということを暗に示していると考えて良いでしょう。

子供に投資を教えることが悪だという論調

もう一つこの金融教育に対し、日本で聞かれました。

日本では子供に投資を教えることが悪だという論調もこの新教育指導要領に対しあるのもまた事実で、日本人にはこのようにかねてから投資が悪いものだと考えているところがあります。

しかし、投資を悪だと考えている方は、この先生きていけなくなるかもしれません。事実、財務大臣の麻生氏は老後資金として2000万円かかるということを発言して物議をかもしました。麻生大臣はこの点を訂正しましたが、間違いなく少なくとも大きなお金が必要であることは間違いありません。

加えて、現状だと60歳以上の再雇用になれば年収も下がってきますし、65歳以上になれば採用してくれる会社もなかなか出てきません。

そう考えると、お金に働いてもらってお金を作る、すなわち投資をして資産形成をしていかなければ人生100年時代を生き抜いていけなくなってしまうのです。投資は
悪だと考えている人は時代遅れなのです。

そして、お金のことを知るのに老後になってからでは遅いです。早い段階からお金について知っておく必要があり、長期的な資産形成が必要です。そのためには早い段階から金融教育を受けておく必要があります。

海外では金融教育をどのように行っている?

2022年から日本では金融教育を行うことは上述でお伝えした通りですが、海外の金融教育というのはどのようになっているのかについても説明していきます。

海外の方と日本人との金融知識の違い

まず、日本人は他国に比べ金融知識が浅いという結果が世界的な調査ではっきりしています。実際、金融知識を問う試験を世界的に実施したところ、各国では以下の正答率となりました。

  • 日本:60%
  • イギリス:65%
  • ドイツ70%
  • フランス75%

また、アメリカと日本で実施したテストに関してもアメリカの正答率が55%、日本が45%となり、こちらもやはり日本人の知識の浅さがはっきりしました。

日本人は現金資産の比率が多い

日本人は他国と比較して現金資産の割合が多いと言われています。

実際、日本人の金融資産の半分以上が現金・預貯金となっており、株式や投資信託の運用をしている人は全体の10%しかいないという状況です。

一方で米国では家計の金融資産の半分以上が資産運用に充てられていることが分かります。この状況だとデフレには強いですが、インフレ、すなわち物価上昇が発生したときに対応することができません。

日本はアベノミクスで物価上昇を狙っている現状から考えると現金比率の多い運用というのは厳しいということになります。いわば選択肢の少ない状況であるとお考え下さい。

アメリカの金融教育はどのようになっているのか

アメリカでは金融教育といっても、学校で金融の授業を行っているというわけでもないですし、投資に関する教科書が非常に充実しているわけではありません。ただ、お金における教育が根付いているというのが現状です。

そのため、投資はもちろんのこと、お金を稼ぐための労働、、お金とはそもそも何なのか、税金について、借金についてなどお金に関する教育が根付いているような現状があります。

ですので、お金に関する興味関心があるため、お金に関する書籍も売れている現状にありますし、みんながお金に関して知りたいという意識を持っているのです。働いた分しかお金がもらえる、お金は汚いものという発想がある日本との大きな差があります。

お金に関する考え方、文化などが日本とは大きく異なるということが言えるのです。

イギリスの金融教育は?

アメリカとは対照的に、イギリスでは小学校のころから徹底的な金融教育を行い、資産形成についての知識を若いうちから形成する教育体制が出来上がっています。

では、具体的にどのようなことを教わっているのかというと以下の通りです。

  • 金融に知識や理解
  • 金融の技術と能力
  • お金に対する責任
  • つまり、お金とは何なのか、どのような支出があるのか、予算を立ててどのように使うべきか、またお金のリスクなどについて、そしてお金における家族や社会の影響などについて徹底的に義務教育の段階から叩き込まれるという教育システムになっていきます。

    もしも、金融教育を今後日本で徹底的に行っていくというのなら、日本はまったくもってお金に関する教育文化が出来上がっていないため、アメリカ型の金融教育より、イギリス型の金融教育システムを作り上げていかなければならないと思っていただければ良いでしょう。

    このように、元々土壌があるのか、教育システムが整っているのかという違いはあれど、欧米においては日本より確実に金融リテラシーが根付くような仕組みや文化があるのだとお考え下さい。

    日本においても金融教育の徹底が必要!お金に対する考え方を改める必要がある

    今日の日本では、貯蓄から投資にお金を回していこうという考え方が出来上がってきています。各証券会社は、株や投資信託の売買手数料を0円にする動きが加速してきておりますし、NISAIDECOなど投資を進めていくような施策も進められています。

    すなわち、日本でこれから生きていくためには、投資、金融におけるリテラシーが必要な状況になってきているといっても。

    幸い、ここ10年20年で投資に関する日本人の考え方も少しずつ変わってきていますので、このタイミングで金融教育を行っていくことが必要であると言えます。

    とはいえ、まだまだ投資に対して怖いものだし、お金がかかるものだし、なかなかやってみようと思う方が出てきていないのもまた事実です。

    そのため、古い価値観を一掃して、日本においても金融教育を行い、またその金融教育のやり方も絶えず最良なものに改善していき、令和という新しい時代に必要な金融リテラシーが日本人の中で育ち、かつ定着していくことを真に願ってやみません。

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