金融庁が老後に2000万円の貯蓄が必要だという発表をしました。これには、世間からの反感が多く集まり、財務大臣の麻生太郎氏が訂正をしたというニュースを覚えているかたも多数いらっしゃるでしょう。
現在の年金制度が破綻しているといいうことを世の中が認識したという内容ですが、本当に2000万円もの貯蓄が必要なのでしょうか。
そこで、本編では各年代が向かえる老後の実態をお話ししていきたいと
老後に2000万円は必要なのか
まず、今回世間をざわつかせた2000万円という金額ですが、本当に必要なのかについてまずは検証したいと思います。
結論としては必ず必要とは言えないが答えとなります。
では、そもそもどのような試算なのかについてお話を致します。
ポイントとしては以下の通りです。
- 65歳以上の年金生活者は 毎月の支出赤字額は年間66万円
- 95歳までだと、66×30年間で1980万円
しかし、この66万円という数値は単年のデータであり、根拠としては弱いですし、そもそも95歳まで生きるのかどうかも不透明です。
ただ、老後に働けるのかは不透明ですし、お金が必要になることは間違いありません。
1000万円以上の貯蓄が必要になることは認識しておいたほうが良いでしょう。
今後の日本の年金・高齢者事情
これからの日本における高齢者事情は深刻です。どういう状況なのかというと以下の通りです。
というのも、東京オリンピックが終了して5年後の2025年には、高齢者の割合が30%になります。
そして、2060年までには高齢者が全人口の半分くらいになり、人口自体も7000万人くらいになるみこみです。
これが何を示すのかというと、年金制度はもはや成立しないということです。
年金制度は、自分が支払ってきたお金をプールして65歳になったらお金がもらえるという制度ではありません。
現役世代が払っている年金を運用し、今の高齢者世帯に支払っているため労働者となる現役世代が揃っていることが必要となります。
そうなると、この高齢化社会が進んでいる現状というのは確実に年金制度を立ち行かなくさせる要因であると言えるのです。
日本経済と生活費
今、日本は物価を上昇させようとしています。そのため、傾向にあります。しかし、収入は増えておらず、税金や保険料は上昇し、家庭の可処分所得は減っているのです。
つまり、日本経済自体が停滞していることがわかりますが、これが何を意味をしているのかというと、少子化を進めている要因になるといえます。
結局、子供を複数人産むためには、経済的なゆとりが必要になりますが、成長曲線の振れれ幅の低い日本でそれを実現するのは簡単ではありません。
結果、今何が行われているのかというと、短期間で消費税を上げ、保険料の引き上げられていくのです。
こうなると各家庭や企業は支出を抑え、お金回りがわるくなります。つまり、今日本では完全に負のスパイラルになっており、自分の老後は自分で守らないといけないことが分かります。
これからは生涯働く人が増える
今60歳以上でも再雇用という形で働く高齢層がもはや当たり前になっていますが、今後は65歳以上でも働く生涯現役であり続けないといけない時代になっていると言えるのです。
事実、現状でも65歳以上の労働人口は全体の10%以上を占めており、この十年で急激に労働人口が増えています。
もはや、年金だけで暮らそうという発想は時代に則していないと言えそうです。
これから老後を迎える世代はどうなるのか
では、これから老後を迎える方の年金事情についてお話をしていきたいと思います。
60代
ご存じの通り、年金が貰える年齢は65歳ですが、民間企業の定年は55〜65歳で、60歳が最もメジャーな年齢です。
そして、60歳から65歳までは、再雇用という形で働くのが最もメジャーとなっています。これは、法律で希望者は雇用しなければならないと決まっているため、誰でも働くことが可能です。
そして、65歳から年金をもらうという形になります。
なお、65歳以上の雇用先はまだまだ多くはなく、パートで働くということになることが多いです。
50代
50代にもなれば、目の前に定年を迎えている年齢なので、老後のお金について非常に気にしている年齢層であると言えますが、50代の方が60代になるときには物価上昇リスクがあります。
また、年金の支給額が減ったり、支給開始年齢が67〜8歳になる可能性もあります。
非常に厳しい未来が待ち受けていると言えます。
30代、40代
30代~40代にとって、年金や老後の問題はまだまだ先の未来ですが厳しい時代が近づいていることはまちがいありません。
ここまで再三お伝えしてきているように、日本の少子高齢化、また、それに伴う厳しい情勢は言うに及ばず厳しい状況です。
そのため、税金、年金は増えるのに収入は上がらないという状況は間違いないと言えるでしょう。
冒頭で、老後までに2000万円という話をいたしましたが、もしかしたらそれでは足りないという可能性も十分にあります
厳しい時代であることを覚悟しなければならないといううことが間違いなく言えますが。
20代
ここまでの話からご理解頂けるように、少子高齢化の時代において、現役世代で最も厳しい世代であることは言わずもがなといったところでしょうか。
20歳の方が65歳になるときには、上述でもお伝えしたように全人口の半数は65歳以上という時代をこのままでは迎えてしまいます。
日本の高齢者医療費に関しては、日本の国家予算が現状100兆円程度といわれますが、そのうち現状が30〜40兆円程度,それが2025年には約60兆円に達すると予想されており、2065年まで横ばいになる試算になっています。
また、年金の支給に関してもはっきり言えば期待できません。間違いなく年金受給年齢は70歳以上になっており、年金を払った分が回収できないことは明白です。
国が抜本的な対策を講じない限り、年金は払っただけ、というような状況は十分に想定されます。
結果、老後に必要な資産が2000万円どころか、3000万円以上にもなっているかもしれません。
だからこそ、IDECOのような個人年金が当たり前になってくることでしょう。
もちろんそのころには労働人口不足から70代が積極的に採用される時代もやってくるでしょうが、若いうちから老後の資産形成が求められることなってくるのです。
非常に世知辛い時代を迎えてしまっているといえることでしょう。
日本の未来は明るくない!若いうちから老後の資産形成を
ここまでの話の展開をご覧いただいたように、日本の未来に対する見通しははっきり言って厳しい、暗いことが待っているといっても過言ではないでしょう。
若い世代は、楽しい20代という世代を楽しむということはできず、老後のことを考えて切々とお金をためていかなければならない事態となっています。
また、50代はキャリアの最終コーナーと言われていましたが、その概念は崩れていき、50代がそこそこの若手になる時代となり、定年の概念も気がついたらなくなっているのかもしれません。
つまり、これから先は、有効な資産形成と、50代、60代のキャリア形成、そして、年収が上がらないので、副業で足りないお金をカバーしていく体力と効率が求められる時代となっているのです。
この厳しい時代をどのように乗り越えていくか、いまのうちからしっかり考え、行動をしていきましょう。
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