子どもの読解力が低下しているとよく聞きます。この話を聞くと「子どもの読解力はやはり必要だよなぁ」と思われる母親もいるのではないでしょうか。ただ、読解力って言われていますが、その意味をしっかりと説明できる人も少ないようです。大人によくある、何となくで利用している言葉の一つかもしれません。
まずは、読解力が何かを知ってから、子育て中に高める方法を実践してみましょう。読解力が低下している今だからこそ、読解力がある人材が求められるかもしれません。
読解力とは
読解力とは、書き手の意図を読み取る力だけのことを指していると勘違いしている母親もいるはずです。もちろんそれも不正解ではありませんが、もっと幅広いものを指していると考えましょう。文章の意味を正しく理解し、その内容を考え自分なりの解釈や考え方を、自分の言葉で表現する力も含まれています。
書き手の意図を把握するためには、大前提としてその文章をしっかりと間違わず読む力が必要です。これを精読力と言います。その正確に読まれた文章をイメージし思い浮かべ、自分なりの解釈や考え方を述べていきます。これにはイメージ力が必要です。
精読力があっても、イメージ力がなければ算数の文章問題ができないことがあります。イメージ力があっても、そのイメージを精読力がなくそもそも間違えていれば、正しい計算は導き出されません。読解力は幅広い能力なのだということを理解しておきましょう。
読解力が高いことのメリット
子どもの読解力を高めることで、多くのメリットが生じます。書き手の心を理解することで、共感できる心が養われます。自分の経験をしいてないことも、まるで自分が経験したことのように思えれば、多くの心情を分かり合えることになるのです。これにより、相手の痛みが分かる子どもになることでしょう。文章を正しく理解しイメージをすることで、いじめはダメと素直に感じることができます。読解力の乏しい子どもは、いじめはされる側ではなく、する側になるのが嫌な思いをしないで済むと勘違いをするかもしれません。
また、読解力が高い子どもは、自分の気持ちを周囲の人に伝達するのが上手です。コミュニケーション能力も向上し、良い人間関係を保つようになることでしょう。子どもは集団生活の場に身を置く時間が長いです。読解力があれば、人とのつながりもしやすくなり、周囲に友達が増えることでしょう。これにより、さらなる向上へもつながります。
もちろん学力の向上にもつながります。ただ、一番は周囲の人とのつながりです。読解力によりその場の適切な言葉を選択できるようになれば、リーダーシップが取れる魅力ある子になれるかもしれません。小さいときから読解力を伸ばすことで、その後の得られる経験も変わり、さらなる飛躍が期待できます。
ただ、親の過大な期待は子どものプレッシャーです。親は読解力を育てつつ見守る立場がちょうどいいでしょう。
母親ができる読解力を高める子育て方法
読解力の必要性がわかったところで、母親ができる子育て中の高め方を確認していきましょう。母親が子育てに対しイライラすると、読解力の向上にも良くありません。そんな時はこちらの記事も参考にしてください。
子育て中のイライラが止まらない、理由を考え対処方法を考える
感じる心を育てる
感じることができる心を育てるようにしましょう。朝になったら子どもの寝室のカーテンを開けます。これをたたき起こすようなイメージで行っている母親はいませんか?「早く起きなさい!」と言われても感じる心は育ちません。うるさいなぁと感じることが先に起こることでしょう。そうではなく、カーテンを開けたら朝陽が気持ちいいと思わせる起こし方をします。それだけでも子どもの感じ方は変わってくるのです。
他にも外遊びをどんどんさせるようにしましょう。外にはいろいろな発見があります。外に出て友達と遊ぶことで、多くの感情を味わうことでしょう。外の自然に触れることで、不思議と感じ調べるようになります。イメージを膨らませるために必要な行動です。
ただ外に出て遊びなさいと言うのだけでは、子どもも嫌がるかもしれません。外に興味を持たせるのは母親の役目です。家族で旅行をしたり、山にピクニックに行ったりと自然を身近に感じさせるようにしましょう。外に出るといろいろな経験ができる、きれいな情景を見て感動することができる、この思いを育てます。家の中では見つからないことがたくさんあることを教えていきましょう。
ただ、興味関心が高まることで、無茶をする子どももいます。危険なことを注意するのも母親の役目です。ここも忘れてはいけません。
疑問を投げかけられたら母親は放っておかない
子どもの疑問には、必ず答えるようにしましょう。母親は子どもから投げかけられた質問を放っておくことがないようにしてください。忙しい時もあるので、すぐに答えられないこともあります。そのような時は「ちょっと待ってね」と一声かけ、後で忘れずに答えてください。一人の人として対応するのがコツです。子どもだから忘れるだろうという考え方をしてはいけません。
大人は調べる方法を知っています。子どもは分からないことの調べ方すら分かりません。興味があってもわからないままでは、自然と離れていくことでしょう。分からないことを知れることで楽しみが増えていきます。
まずは、一緒に調べるという姿勢をとりましょう。質問されたら、一緒に事典や辞書を持ってきて調べていきます。調べ方を知れば、次から自分で探そうと努力をするようになるかもしれません。
ただし、スマホを利用して子どもと調べるのは止めておきましょう。最近は、スマホを利用すれば簡単だから時間短縮もでき、その分早く成長できると思われる大人もいます。
ただスマホを利用することで、子どもの好奇心はすべてスマホに向く可能性もあり、その思いが読解力を育てる弊害になるやもしれません。それでスマホのスペシャリストになり、将来役に立つかもしれませんが、非常に可能性の低いお話です。簡単に答えが見つかるスマホは、まだ先でも大丈夫、まずは事典や辞書を利用させるようにしましょう。
漫画でもよいから本を読ませる
本を読ませることで、精読力を高めます。本を読み、その背景を考えるようになればイメージ力も向上することでしょう。本には読解力を高めるための要素が詰まっています。
漫画は良くないのでは?と思われるかもしれませんが、漫画でも読解力は向上します。主人公の心理描写を知ることで、感情移入がしやすくなるかもしれません。一概に漫画はダメと決めつけることがないようにしましょう。
漫画に興味を持たせたら、その漫画が小説になっていることもあります。小説版を渡すことで、ステップアップするかもしれません。ここから他の小説にも興味を示すこともあります。何がきっかけになるかは分かりません。とにかく本を身近に置くようにしましょう。
感想を聞く
本を読んだ後に子どもの感想を聞くようにしましょう。どんなお話だったのか、主人公の気持ちはどう理解できたなど、我が子なりの解釈を聞くようにします。子どもにとって、その本は面白かったのか、考えさせられたのか、もっと知りたいことが増えたのか、そこまで聞けるといいでしょう。
中には、流し読みをする子どももいます。書いてある文章をすべて読まない子どもです。これでは、精読力が養われないかもしれません。子どもの感想が曖昧かもと思えば、興味がない?と聞いてみましょう。本を嫌いにさせる問い詰め方はしてはいけません。他の興味を持てそうな本を探せば良いだけです。
読解力を意識した子育てを母親は心がけよう
読解力が低下している今だからこそ、我が子の読解力を伸ばす必要があります。ただ、無理やり伸ばそうとするものでもありません。自然に伸ばすことで、豊かな感情を手に入れることができます。
読解力を意識した子育てを母親は心がけるようにしましょう。我が子の健やかな成長には、両親の優しさが必要です。
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