年収1000万円、それは社会人にとって、１つ目標になる年収目標であると言えます。そのため、年収1000万円という年収を手にした時には幸せになれるのだろうと思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、1000万円の年収を稼げたら本当に幸せになるのでしょうか。結論から言えば年収1000万円を稼ぐことは必ずしも幸せとは言えず、むしろ、つらい日々を送ってしまう可能性もあります。
では、なぜ1000万円を稼ぐことでつらい日々を送ってしまう可能性があるのか、またどうすれば幸せなキャリア構築ができるのか本編では説明をしていきたいと思います。
年収が上がれば、仕事のハードルは上がる
今日本の全正社員の平均年収は420万円程度です。それからすると、年収1000万円というのは、平均給与の2,5倍もの金額となります。
そのため、会社から要求される仕事のハードルは高いものとなってしまいます。
まず、大半の会社において、年収1000万円以上の方は、中間管理職以上の役職を与えられることになりますが、中間管理職以上の方々には残業という概念がありません。
実際に労働基準法に管理監督者については実態とは異なるものの経営者と一体的な立場にある者という位置付けとなり、残業という概念はなくなります。
しかし、年収1000万円以上稼いでいる中間管理職以上の方というのは、実質的に経営者と一体的な立場という言葉とは裏腹に、そんな力もなく、部下のできない仕事、終わらなかった仕事を肩代わりし、残業も厭わず行わなければなりません。
それでいて、経営から飛んでくる厳しいミッションと直に向き合わなければならなくなり、結果、精神的にも肉体的にも追い込まれてくるということになってしまうのです。
働き方改革は年収1000万円層には無縁の話
とはいえ、今は働き方改革で労働時間は減っているんじゃないか、そうお考えの方もいらっしゃるかもしれません。
確かに、今社会全体のトレンドとしては、労働時間短縮がトレンドとなっているのは事実です。
ただし、これは非正規社員や部一般社員に限られた話で、中間管理職以上の一般社員においてはあまり関係はないのです。
働き方改革があろうがなかろうが、経営から求められる成果は変わりません。高収入の方は高収入であるがゆえのプレッシャーと戦わなければならないのです。
結果として体を壊す人、精神疾患を抱えてしまう方も相応にいます。年収1000万円という大台を越えたからパラダイスだとは決して言えません。年収1000万円という数値にはそれ相応のタフさがもとめられるのです。
家庭との両立もなかなか難しい
年収1000万円台を目指すには家庭も犠牲にしなければならないことも少なくありません。
というのは、大企業においては、転勤という文化があり、大企業で出世していくためには複数回の転勤をしなければなりません。
時には単身赴任だってしなければならなくなることもあるでしょう。
加えて、上述でもお伝えしたように、ハードワークをこなさなければならなくなるため、家を配偶者に任せっぱなしになり、教育に参加できないということも珍しくありません。
会社での成功は家庭への犠牲で成立しているといって過言ではないのです。
後戻りできない年収問題
もうひとつ年収1000万円を稼いだ後に出てくる問題があります。それは仕事の負担は減らしたいけど、年収を減らせなくなることです。
年収を稼いでしまうと、その生活レベルを落とせなくなってしまいます。そのため、年収を落としてまで仕事を変えることが不可能となってしまうのです。
またそれだけでなく、今の年収を守るためにしゃかりきに働かなければならなくなるため、神経はそれなりに疲弊してしまいます。
一度手にしたお金という権利を手放すことは容易ではないのです。
幸せの価値観は変わってきている
幸せの価値観は若い人を中心に変わってきているという事実があります。
一昔前は、確かに大企業に入って、ビジネスマンとしてのキャリアを同じ会社で継続することこそが幸せであると思われていました。
しかし、今は大手企業に入社できていたとしても、リストラなどがあったり、超大手企業でも不祥事がおきて、会社自体が傾くなど一生安定して働けるとは限らなくなりました。そのため、もっとやりたいことをやろうとする人が増えてきています。
実際、大手企業の名刺を捨て、地元で伸び伸び働くUターン転職、または全くゆかりのない地方に住むIターン転職などをする方が増えてきていますし、中には大手企業や官僚を辞めて、ベンチャー企業へチャレンジするような方も少しずつではありますが増えてきました。
このように、自分の幸せを自分で決める流れが確実に出来上がっているのです。
豊かさについて考えよう
ここまで年収を1000万円以上稼いでいる方の悲哀について述べましたが、誤解していただきたくないのは、年収1000万円以上を稼ぐことに対しても、仕事に対して常に終われている状況を否定しているわけではないのです。
日本経済としては、お金をたくさん稼ぐ人が増えればそれだけでもお金回りは良くなり、経済は豊かになり、各家庭も豊かになります。
また、仕事に邁進してそれを楽しいと思っている、成果に追われながらそれでヒリヒリする感覚が好きだという方もそれはそれで良いのです。
ましてやIターン転職やUターン転職を勧めるわけでもありません。
大事なことは、今自分の心が豊なのか、それに尽きます。
お金だけにとらわれず、自分の心が仕事をする上で幸せになっているかが大事なのです。
もし、今心が幸せになっていないのであれば、そのことを認識まずは認識すべきであると言えます。そして、もし、自分が幸せになっていないのならば改善するようにしていきましょう。
もちろん転職をするのも1つの方法ではありますが、必ずしも転職が全てではありません。
自分の働き方のスタンスを変える、社内異動、時間を決めて働き、かつ成果を出せるような働き方にシフトしていくなど色々考えられる方法はあります。どう変えていくかを考えること、それこそが大事であると言えます。
働くことは我慢することではない！自己実現と生産の場
一昔前はその会社に生き残るために、我慢をして働き続けるというのが当たり前でした。
そのため、やりたくもない接待、上司への付き合い飲み、ゴルフ、また無意味で実現不可能な命令、たらいまわしにされるような転勤なども積極的に受け入れなければなりませんでした。
それでも、なぜそんなことを受け入れたのかというと、そういうことを我慢すれば年収1000万円を稼げ、安定した人生を手に入れることができたからです。
しかし、年功序列型の賃金は崩れ、安定はなくなりました。
今1000万円を稼いでいるにしても、その状況は延々と継続できるとは限りません。一歩間違えれば精神崩壊をして仕事から離れないといけなくなってしまいますし、はしごを外されて今のままでいられなくなる可能性もあります。
しかし、仕事に満足感があり、仮に今の会社から席がなくなったとしてもそれ相応の力があれば、都心地なのか地方なのかわかりませんが仕事がある時代でもあります。
そのため、満足に前向きに取り組み、日々の業務に満足できるような働き方ができるような方法がないか考え、変化・工夫をしてみることをおすすめいたします。
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