パワハラが世の中に浸透してから数年が経ち、今では知らない人はいなくなりました。企業もハラスメント対策を強化しており、トラブルの対応に当たっている人も少なくありません。その中で解決に難しいとされているのがスメハラ、皆さんはご存じでしょうか?
今回の記事では、何かと話題になっているスメハラについて解説していきます。問題点と、対策方法について知っておくことが大切です。
スメハラとは?
スメハラとは、スメルハラスメントの略称、匂いで周囲を不快にさせる意味を持っています。匂いが周囲に迷惑をかける、このハラスメントで理解しておかなければいけないことは、本人が無自覚かもしれない点です。
また、パワハラと違う点を詳しく知りたい人は、こちらの記事も確認してください。
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匂いが迷惑なのはなぜ?
匂いは、周囲の人に影響を与えます。歩いていると、たまに雨が降る前の懐かしい匂いを嗅ぐことはありませんか?その匂いで子供のころの記憶がよみがえる、そんな経験です。懐かしい匂い、その時の状況、匂いと記憶が結びついてることがわかります。
感じの良い匂いならば歓迎ですが、あまりにひどい匂いは不快の記憶がよみがえります。不快の記憶が頭についているからです。被害を受けている人は、不快な匂いにイライラすることでしょう。周囲に迷惑をかけている、つまりハラスメント行為になるわけです。
スメハラの代表的な匂い
ではスメハラを起こす代表的な匂いを知っておきましょう。次に上げていく匂いが、スメハラを起こす原因とされています。
- 腋臭(わきが)
- 加齢臭
- 足の裏
- 疲労臭
- 口臭
- アルコール臭
- タバコ
- 香水
- 柔軟剤
匂いの問題なので、ほかにもまだまだ存在します。自分の嫌いな匂いを嗅ぎながら仕事をすることを想像してみてください。気分が悪くなると思いませんか?仕事の能率もダウンすることでしょう。
スメハラの問題点
次に、スメハラが難しいハラスメントと言われる理由について知っておきましょう。
自分の匂いは気づかない
スメハラの問題点は、自分の匂いは気づかないという点です。30代を過ぎたあたりの人が、このような話をすることがあるのを知っていますか?「もし俺から加齢臭が発生したら、必ず教えて」配偶者や、信頼できる友達にこのようなお願いをする人もいます。
自分の匂いに気が付かないと、自分でも知っている表れです。自分の匂いに対し、嗅覚は馴れてしまうことから、敏感になれません。気が付かない匂いに、対応しないのは当然です。
他のハラスメントと違い悪意がない
気が付いていないのだから、悪意がありません。また、ケアをしているにも関わらず、匂いが消えない人もいます。ニンニクを食べた翌日、多くの人が、口臭をケアするはずです。市販されている、匂いけしを購入し対策することでしょう。それでも消えない匂い、本人もどうもできません。アルコール臭なども同様です。
足の裏の臭いを気にしている人は、綺麗な靴下をかばんに入れ、対策をする人もいます。急な飲み会で、座敷に上がっても大丈夫なように対策を考えているのです。本人が一生懸命対策を講じている、それに対し文句を言えるものではありません。
伝え方を間違えれば名誉棄損になるかも
伝え方を間違えると、自分が別の加害者になることもあります。不快な匂いは、いじめと一緒と話す人もいます。しかし、それを不適切に注意すれば、人権侵害や名誉棄損に問われることもあるのです。
スメハラ問題を弁護士に相談する人も少なくありません。業務に支障をきたしているから、対象者(加害者)を訴えるケースです。対象者も、名誉を傷つけられたと弁護士に相談をします。泥沼化していくこともあるということを知っておきましょう。
スメハラへの指摘が加害者に対し、ほかのハラスメントやいじめを呼びおこす恐れがあるのが問題です。そのため指摘できず、がまんをしている人も結構多くいます。しかし匂いに敏感な人は、健康被害を発症させるかもしれません。解決ができないストレス、不調がでるのもわかります。そこで我慢したものが爆発し、一気に相手へ伝えてしまう、その結果、名誉棄損で訴えられてしまうのです。
スメハラへの対策
スメハラが解決の難しい問題だということが理解できたはずです。本人が無自覚、対策を一生懸命している、それに対し文句を言うのは自分が酷い人間に見えてしまうものです。
匂いは非常にデリケートな問題です。指摘を受ければ恥ずかしいと思い、出社拒否を起こすかもしれません。スメハラの対策は、十分に考えてから行動を起こすようにしましょう。
席替えをしてもらう
上司だけに相談し、席替えをしてもらいましょう。嗅覚には個人差があります。自分にはつらい匂いでも、他の人ならば大丈夫なケースもあるのです。近くに席があるのならば、上司に席替えを提案してみてください。
ただし、上司への伝え方によっては、いじめにとられることもあります。不真面目に相談するのではなく、しっかりとつらい気持ちを伝えるようにしましょう。席替えをしたあと、近くにいかないなど、目立つような行動もいけません。いじめにも見えるような行動は、慎むようにしてください。
おおぜいの人に相談をしてしまう、これは、名誉棄損になるかもしれません。できれば上司のみに相談するようにしましょう。自分が言いふらすと思われないよう、配慮してください。
マスクを利用する
最近は、高い消臭機能を備えたマスクも市販されています。席替えが無理ならば、マスクを購入するのも効果的です。また、不快な匂いが周囲に理解されないこともあります。理解されない場合、あなたがわがままを言っているように見えてしまうことから、自分自身で対策を講じるしか方法がありません。
その時に利用できるのがマスクをです。中には、鼻をつまむ道具とマスクを利用している人もいると言います。そこまでする必要はありませんが、自分自身でできる対策として、マスクの利用をしてみましょう。
個人からではなく企業から伝えてもらう
なんで自分が高いマスクを買わないといけないんだと、我慢ができない人もいることでしょう。イライラが募ると、すべてがムカついてくる、まさに「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」の状況です。
ただし、伝え方を間違えれば、あなたが加害者になることもあるデリケートな問題です。一旦冷静になり、個人から伝えるのではなく、企業から伝えてもらうようにしましょう。
企業は、マナーの観点から指摘を行ったり、一人に注意するのではなく講習会を開くなどの対策を講じるはずです。自分が加害者にならないためにも、ハラスメント対策があるのならば、その委員にだけ話すようにしてください。
スメハラは傷つけることのないように対策しよう
いかがでしたか?スメハラは非常に難しいハラスメントということが、分かったと思います。匂いは非常にデリケートな問題です。何も考えず行動を起こせば、相手を深く傷つけるかもしれません。
その結果、最悪な事態になったらどうしますか?あなたも無自覚でいじめを行ったことになります。相手も無自覚、あなたも無自覚ですが、周囲はどちらに同情するでしょうか。心無いいじめをしたあなたに同情する可能性は低いはずです。「気持ちもわからないでもないが、伝え方がひどい」と話す人もいることでしょう。
自分が加害者になることがある、それだけは理解をしてください。スメハラで相手を傷つけないよう、十分に配慮をするようにしましょう。
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