私の友人に小学校の先生がいました。そう現在はいましたという過去形です。彼はモンスターペアレントの対応に精神が保てなく仕事を辞めてしまったのです。
その後彼は教育現場が怖くなり、昔アルバイトをしていた飲食業に勤めることにしました。
彼の一生を台無しにしたモンスターペアレントの行動とはどのようなものだったのでしょうか。
モンスターペアレントとは
モンスターペアレントとは、不当な要求や苦情を言い続け、学校を困らせる人の事を指します。その内容は非常識で理不尽、とても身勝手な内容となっており、学校側としても受け入れることができないのです。
学校側に文句を言うだけでモンスターペアレントと決めるのは早すぎます。モンスターペアレントはとても飲めないような過剰な要求をしてくることです。その点を間違えると失礼にもなりかねないので注意するようにしましょう。
行き過ぎた過保護と、世間知らずが生んでしまったモンスター、常に自分の行動が正しいと考えているため、我が強い特徴を持ちます。だからこそ厄介、間違えを認めさせることができないのです。自分は「見本のような良い親」という勘違いをしている傾向があります。
彼が学校を辞めるまでの体験談
これは私が聞いてた悩み相談です。彼とは子供のころからの友達で、年に2～3回ほどはあって飲むような仲でした。その時に聞いた体験談を説明します。
始めは気にもしなかった
最初にモンスターペアレントが先生に抗議してきたのが、「授業中に手をあげているけどうちの子が当てられないと言っている、なぜうちの子に発言させないのか理由を説明してください」というものでした。その時は、謝罪を行いこれからは注意するという話で事なきを得たそうです。
ただこの行動も問題だったと今となれば言え、罪を認め謝罪をしてしまったため相手に先生が悪いという感情を芽生えさせたかもしれないと話ていました。その後、念のため授業中には、彼をあてるようにする行動をしたようですが、そもそもそのような行動も間違いだったと振り返っていました。
今回の最初の抗議は、その後に要求される序章に過ぎなかったのです。
1か月後また連絡がある
大体1カ月が過ぎたあたりにまた抗議の電話がありました。その内容な「うちの子が先生に話しかけても、ほかの生徒と話していて相手にしてくれないと言っている、これは前回私が注意した内容による報復行為ですか？」と、強めの口調で電話してきました。
これに対しそのようなことは無いと説明するも納得してもらえず、「先生が子供に対し仕返しを考えるなど許せない、うちの子供は落ち込んでいる、校長に直談判させてもらいます」と話てきたそうです。
彼にその子を無視したという自覚はありません。どうしてそのような意見になったのかも分からないのです。ただ学校に来るということですぐに副校長に説明をし対策を考えました。
その時は「真実を話せば大丈夫」と言っていたのですが、乗り込んできたモンスターペアレントに学校が驚愕する事態になってしまうのです。
校長室で話合い
モンスターペアレントはついに学校にきました。校舎で出迎える先生の話すは聞かず「校長室に早く案内して」と話すだけ、とてもご立腹の状態なのが良く分かったそうです。
校長室に着くなり話した言葉は「この担任から今回の事件の報告は受けていますか？」と、事件という言葉を使用してきたそうです。ことを大ごとにしたい構えが良く伝わってきます。
校長先生も話の内容は聞いていると説明し、勘違いが起きているのではないかと説明しました。それに対しモンスターペアレントは「うちの子が精神的にまいっているのが何よりの証拠、勘違いで済まされる状況ではない」と話てきました。
今回の事件をうやむやで終わらせる気はなく、先生を訴える覚悟もしてきた、もしうちの子が不登校になったときは学校側に全責任を取ってもらうという話をしてきたのです。
そして彼に担任を外れてもらい、子供への謝罪を要求してきたのです。「担任が報復行為をしてきたのだから然るべき要求、受け入れてもらえないのならば、このまま教育委員会に今回の事件を報告しに行く」と話てきたそうです。
その場はモンスターペアレントに対し、ことの顛末を確認する責任があると話、後日もう一度話をする場を設けるので、この場は一旦収めてくださいと説明をしました。
ただモンスターペアレントからは、「後日は分かりましたが、明日からの授業で報復行為をする先生に教わるのは子供たちがかわいそう、明日からの授業はまともな先生にしてもらいたい。それだけは今日決めてもらいたい」と詰めてきたのです。
それに対し校長先生も「わかりました」と答えてしまったと言っていました。
話合いを行う
校長先生に事の顛末を聞かれましたが、すべては先ほど話たことです。私にも身に覚えがないことでと説明しました。校長先生も副校長もいい人で、彼がいい加減な態度はとっていないということは分かってくれていたようです。
ただあれだけのモンスターペアレントに対しどのように対応するかに困ってしまったそうです。彼の頭の中もこれからこの親とどのように対応していけばいいのか分からなくなっと言っていました。もし今回解決したとしても、新たな内容で怒鳴り込んでくるかもしれない、そのたびに悩むのが怖くなってきたそうです。
もうこの時点で辞めることを決断していました。校長先生に迷惑をかけたのは自分の責任と思ってしまったそうです。
翌日の授業
翌日の授業は特に何の対策もせず、彼が行ったそうです。「先生に非がないのに担任を1日でも変えることはできません」という結果になったことからの判断でした。
ただそのことを知ったモンスターペアレントは学校に乗り込んできたことは言うまでもありません。要望が通らなかったことに怒りが頂点に達したようです。
彼の決断
モンスターペアレントが乗り込んできたことで、彼は話したそうです。今回の件で辞めるから許してくださいと話たのでした。誰にも言っていなかったことを急に話したので、校長先生も驚いたようでその場ですぐに止めてくれたそうです。
ただ、彼はもう先生を続ける自信がまったくなく、教育以外のことに悩まされるならばもう辞めたいと考えてしまったのでした。
モンスターペアレントは「誰も先生を辞めて欲しいなど言っていない、それはそちらの勝手、私はそんな要求はしていない」と話てきたそうですが、もう関係無いと考えていたそうです。
ことが起きたのは1カ月前の手をあげても当てられないということからです。たった1ヶ月で彼を辞めさせるというとこまで追い詰めてしまったという訳です。
その後
彼は現在回転寿司のチェーン店の店長をしています。辞めたことを後悔することもあるようですが、あのまま続けていて同じようなことが起きたら、最悪な行動をしていたかもしれないと話していました。
学校の先生は私にとって適材適所ではなかったのだと思う、そう言っている彼の姿がとても印象的でした。彼は今でも大切な友人です。だからこそ最悪な結果にならなかったことを良かったと喜ぶことしかできない現実が辛いのです。
モンスターペアレント被害は今でもある
現在もモンスターペアレントによる被害は沢山あります。中には事業参観に行くことに対し、交通費と会社を休んだ日当を支払えといった内容もあるのだから驚きです。
なぜこのような不当な要求に対し、真面目に働いている人が被害を受けないといけないのか、本当に不思議な世の中です。早くこのような被害がなくなることを願います。
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