離職者の方で意外と多いのは、前職で嫌なことがあったのか転職先を慎重に考えたいと言って、中々面接に足を運ぼうとしない、求人案件にエントリーしないという傾向です。
確かに前職の選択に失敗した、辛いことがあったならば慎重にじっくり職探しをしたいというのが心理でしょう。しかし、それは非常に危険なことです。なぜなら、離職者の方は刻一刻と転職市場で価値がない人になっていくからです。
とはいえ、どういうことなのかあまりイメージが沸かないという方もいらっしゃるでしょう。本編では、離職者でしっかり転職活動を行わない人の傾向、実際に転職活動を進めなかった方の結果がどうなるのかについてご紹介いたします。
転職活動を積極的に行わない離職者の傾向
まず、積極的に転職活動を行わない離職者の主だった理由についてご紹介いたします。具体的には以下の通りです。
- 前の会社選びに失敗したから慎重に選びたい
- 前の会社に疲れた
- すぐ転職先が決まるだろうと考えている
- 働く会社を選べる立場と考えている
- バイトが忙しい
ではそれぞれの詳細についてご紹介いたします。
前の会社選びに失敗したから慎重に選びたい
前職のトラウマがあり、働いたことにかなり後悔している方にありがちな傾向です。
同じ思いをしたくないという防御本能が、エントリーする会社からしっかり選びたいという思いを強くしているということが言えます。
前の会社に疲れた
これも前の会社で厳しい勤務を続けてきたからこそ感じることだと言えます。折角の離職期間ができたので、それまで貯めたお金を使って旅に出たり、フリーター生活を楽しむといった自由を謳歌する生活を行う傾向にあります。
すぐ転職先が決まるだろうと考えている
20代の方を中心によく見られる傾向です。最近の売り手市場を反映しているのか、自身に自身があるのかは不明ですが、そういった余裕の見られる方も増えてきました。
働く会社を選べる立場と考えている
ある程度良い会社から内定をもらえても、行く会社を選びたいという意思表示をする方も多く、年収、働き方など本人の転職課題を一通りクリアしていたとしても、内定辞退をするケースも見られます。
バイトが忙しい
次の会社を決めずに退職した方の中には、当面の生活費を稼ぐためにアルバイトを始める方も割といます。
しかし、一定のお金を稼ぐためにアルバイトに積極的に入った結果、面接に行く時間が思ったように調整できない方もいらっしゃるという傾向にあります。
離職期間を空けるのは危険なこと!
上述の通り、色々な理由により離職し、その期間を空けることを受け入れている方が多い現状にありますが実は非常に危険なことです。
では、なぜ危険なのかというと以下の要因が挙げられます。
- 離職期間が空けば空くほど企業側の採用意欲が下がる
- 面接が不利な形で進む
- 自身の能力低下が進む
- 時代の変化が激しくなっている
採用企業側は、離職者の方は採用しやすいものの、一方で採用意欲が下がる傾向にあります。
なぜなら、次の会社を探していない中で退職をするという行為が非常に合理的でない、少なくともそのように捉えられる可能性が高いからです。
転職面接の際にも必ずなぜ次の会社を決めずに退職したのかを聞かれますし、聞かれた以上は納得のいく回答をしなければなりません。
しかし、その回答を採用側に理解してもらうことは案外簡単なことようで難しいことなのです。
大抵の方の場合、ストレスに負けたやパワハラで辞めたといったような回答をすることが想定されますが、それに対してストレスがない、パワハラされる理由が本人にあったと解釈されないとも限りません。
また、中には収入面をどうやって担保しようと考えましたかといったような質問までされた例もあります。
加えて、離職期間が経過すれば経過するほど労働感が鈍ります。しかし、基本的に中途採用は即戦力、または即戦力とはいかないものの早期で戦略となりうる方を採用するというのが通例です。
そのため、離職期間が離れたら離れるほど選考はどんどん不利になります。
その背景として3ヶ月離職期間が空けば採用確率が一気に下がるという通説が転職エージェントにはあります。そのため、最初はスカウトサイト等で接触してきますが、それが徐々に減ってきます。
離職中というステイタスは転職活動においてあらゆる角度から不利になりやすいのです。
また、時代の変化も激しくなり、既に製造業、金融業を中心に採用は鈍化しはじめています。
売り手市場という状況がこの先どうなるかも非常に不透明になりつつあることも認識する必要がでてきているのです。
既に退職している人はどうすればいい?
では既に退職してしまったという方は一体どうすればいいのかということを説明したいとおもいます。
具体的には以下の3点です。
- 自身のおかれている立場に危機感を持つ
- とにかく行動あるのみ
- 次を決めずに退職した理由を説明できるようにする
以下でそれぞれ補足をいたします。
自身のおかれている立場に危機感を持つ
まずは意識を変えましょう。
そのうち次の転職先が決まる、自分が良い会社をのんびり選びたいと言っている方はまず採用先は決まりません。
既に各業界では採用は厳しくなっていて、自動車の部品メーカー、化学系などの製造業、金融業界などでは既に採用の絞りこみがはじまっています。
ただでさえ選考において不利な状況に加えて転職市場も昨日は採用されたけど、今日はされないという状況がはじまっています。
そういった状況を認識して危機感をもつところからはじめましょう。
とにかく行動あるのみ
次にやることは「行動」です。転職エージェントに早急に足を運び、自身の経験が生きる、ある程度興味のある求人は積極的にエントリーし、短期間で多くの面接に行きましょう。
次を決めずに退職した理由を説明できるようにす
退職してしまった方の転職面接において、一番答えにくく頭を悩ませる質問はまさに「次の会社を決めずに退職してしまった理由」です。
この質問は必ず聞かれる、また突っ込まれやすい質問なので、退職理由をまとめたら、どんな突っ込みが入るか、またそれに対してどう答えたらいいのかということまで想定して考えておくのがベストと言えます。
まとめ
会社を辞めることは、全ての労働者に与えられた権利です。その権利を行使することに対して何の問題もありません。
しかし、辞めて次に理想の仕事に就けるかどうかは全くわかりません。加えてAIの発達に伴い、今世の中にある仕事は消えていく可能性が高いです。
現に、海外では無人のコンビニが生まれ、日本においても銀行をAI化させる方針がメガバンクで出され、新卒採用を減らしています。
そんな時代において、仕事を辞めたから次は何の仕事をしようかなという迷い、自分なら次の仕事も早く決められるという自意識、とりあえず自分探しの旅に出るという考えをもつ余裕は無くなってきているということが言えるのです。
心を病んでまで働く必要はありません。しかし、世の中が目まぐるしいスピードで変わっている以上、自分自身がスピード感をもって動いていないと世の中に置いてきぼりになってしまいます。
これから転職を考える方は給与がもらえない、キャリアが止まってしまうことのリスクをしっかり理解し、在職中に迅速に次の転職先を考える、既に退職してしまった方は危機感を持ち、早めに転職活動を進めることをおすすめします。
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