労働奴隷という言葉をご存知でしょうか。一般的には、外国人労働者が安い賃金でハードな仕事をすることを労働奴隷というということが多いのですが、実は日本人労働者においても労働奴隷に陥っているといわれます。
では、日本人における労働奴隷というのはどのような状況を指すのでしょうか。また、どうすればそのような状況から回避されるのか本編では説明をしていきたいと思います。
人が奴隷労働に陥るときはどんな時
では、人が奴隷労働に陥るときはどのような時なのでしょうか。奴隷労働には大きく2つあります。
戦争奴隷
戦争で勝った側が、負けた側を奴隷にして強制労働を強いるというのは歴史的にも珍しいことではありません。
現に、旧ソ連は、第2次世界大戦後、日本人を奴隷にしてシベリア等に抑留したというのは歴史的にも有名な話です。
現状日本人においては、戦争捕虜になることは日本国内で生活している以上ありませんが、歴史的に見れば労働奴隷というのは当たり前に存在したのです。
経済奴隷
今発生している労働奴隷は、ほとんど経済奴隷、すなわちお金の奴隷になっている状況です。
安月給で働かされている外国人労働者も、今の環境から離れることができないからこそ、給料も安い、労働内容もつらい中でも敢えて抜け出さず働いているといって良いでしょう。
日本人の多くは借金を抱えている
さて、上述では一部の外国人労働者は経済奴隷として、働きたくないのに安い賃金で激務をさせられているというような話をさせて頂きました。
しかし、それは一部の外国人労働者に限ったことでしょうか。結論から言えばそうではありません。なぜなら、日本人も経済奴隷に陥っている方がたくさんいらっしゃるからです。
というのも、日本人にとって借金はもはや当たり前だからです。では、どんな借金があるのかについて改めて押さえていきたいと思います。
奨学金
大学に行くとお金がかかります。文系の学生が国立大学に1年通えば、学費だけで初年度が80万円、2年目以降が55万円程度かかります。また、大学生が一人暮らしをすればそれとは別に家賃もかかりますし、教材の費用も別途かかります。
つまり、どう考えても300万円以上はかかる計算になります。
文系の私立大学であれば400~500万円はゆうにかかりますし、私立医学部となればとんでもない金額になります。
実際、大学生の40%程度が奨学金を利用していて300万円くらいは、奨学金としてお金を借りている方が多数いらっしゃいます。
この借金を10年以上かけて働いて返しているというのが現状です。
この状況は借金の奴隷になって働いている状況であるといっても過言ではないでしょう。
住宅ローン
最近は、住宅神話は崩れてきましたが、やはりマイホームは根強い人気を誇っています。
結婚し、家庭を作る過程で、自分の住処であるマイホームを購入するという方もおおくいらっしゃいます。
しかし、マイホームを手に入れるためにはそれ相応のお金がかかります。
例えば都心から離れたベッドタウンで新築のマンションを購入する場合は、どう転んでも3000万円程度はかかりますし、実際各種金融機関は21兆くらいを住宅ローンとして貸し出しをしています。また、その平均金額もおおよそ3000万円程度です。
また、毎年70万人以上がマイホームを購入するために住宅ローンを借りています。
住宅ローンを払い終わるには、たいてい30年程度かかります。
すなわち、30年間は借金地獄にいるまま働いているということになるのです。
この状況は、借金を返済するために地道に働き続けるという状況、働く以外の選択肢がない状況というのは経済奴隷になっている状況といっても過言ではないでしょう
自動車ローン
地方に住んでいる方の場合だと、都心と比較して交通網、特に電車網が発達していないため、一家に一台は車を必要となります。
しかし、自動車を新車で1台買おうものなら、軽自動車でも100万円以上、普通自動車であれば150万円~200万円はゆうにかかるでしょう。
そうなると、自動車ローンを組むことになります。
住宅ローンや、奨学金に加え、自動車ローンも積みあがってくるということが言えるのです。
また、上記以外でも散財をして、借金を背負うという方もまたいらっしゃるとお考え下さい。
借金をするのは自分が悪いのではないのか
しかし、借金を背負うのは自分が悪いのではないかとお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
確かに、散財をしてお金を使ってお金が無くなり、借金をしている状況は自業自得としかいいようがありません。
しかし、現状の日本において大学に行かないという選択肢を取ることは、就職においてもかなり制限が生まれてくることになりますし、そのためにはかなりの費用が掛かります。
また、4人家族になった場合のマンションの部屋を賃貸で探すのも大変ですし、地方の方で車を持っていないとかなりの生活が大変になるため、車を買わざるを得ません。
以上の状況から、一定のお金を支出しなければならない状況となっているのです。
一部のお金持ちの方以外は、経済奴隷となりながら日々働くしかない状況であるといえるのです。
経済奴隷とならないようにするために
では、経済奴隷とならないようにするためには、どのようにしていくのが良いのかについてお話をしたいと思います。
無駄な支出をしない
まず、経済奴隷とならないようにするためには、無駄な支出をしないこと、これにつきます。
例えば、家の問題でいうのならば、家を購入しなくても賃貸で問題ないのに、マイホームは夢だといって、わざわざローンを組んで自宅を購入するというのは非常に非効率です。
自動車に関しても、都心部に住んでいて、シェアカーが流通しているような場所で、わざわざ車を購入する必要もないでしょう。
無駄な支出をしないということ、これは大前提として考えるべきであるといえます。
やりがいをもてる仕事をする
奴隷というのは色々定義できますが、少なくとも、自分が望む仕事をして、ある程度満足できる給料をもらうことができていれば、少なくとも精神的には奴隷であるというような感じにはならないでしょう。
もちろん生きていくためにはお金がいるのでお金の面を無視することはできませんが、少なくとも精神的な奴隷にならないような仕事をする、またそのために必要な努力をするということは大事にしましょう。
不必要に時間に拘束されない
奴隷感を感じてしまう要因として、不必要に仕事場に長時間拘束をされてしまうことも1つのポイントです。
私、定時で帰りますというドラマがありましたが、定時以上働かない、もしも働くのならば自分の意志で働くということも大事です。
自分の時間を確保することができれば、、それだけ選択肢は生まれますし、もっといえば、自分の時給を挙げられる環境で働くことができれば不必要に時間を拘束されなくてよいです。そういった環境で働ける会社を選ぶ、もしも実現ができないのであればそういう環境で働けるようにするにはどうすればいいのかを考えていくと良いでしょう。
経済奴隷にならないのは、無駄な支出を減らし、豊かな生活を送ること
結局、経済奴隷に完全にならないというのは日本に住む以上難しい話です。高い税金を払い、お金を払わなければならない環境に生きている以上、やむを得ないことかもしれません。
ならば、自身の選択肢を得られるためのお金を稼ぎ、かつ無駄に使わないこと、そして仕事そのものに満足感を得られるようにするということが一番であるといえます。
もし、今実現できていないならば、どうすれば経済奴隷にならないのか、もっといえばどうすれば満足感の得られる仕事ができるのか、何が足りないのかを考えるところから始めて頂けたらと思います。
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