名前の通り、以前在籍した会社に、また再度転職で戻る、そのような転職のことです。
転職というと、新しい環境で新しい仕事をするというスタイルのものを想像されると思います。しかし、実は最近、かつて退職した企業に、数年の時間を経て再度転職をする出戻り転職をするケースが増えていて、中小、大手関係なしにそんな人々の再雇用を積極的に行っている会社が増えているのです。
また、この出戻り転職については、一般社員のみならず、大手企業の経営陣においても非常に増えているのが現状です。
では、出戻り転職にはどんなメリットがあるのでしょうか。また、どんな点に注意をしなければならないのでしょうか。
本編では、この出戻り転職についてお話をさせて頂きたいと思います。
出戻り転職を受け入れられている背景は?
では、何故出戻り転職が増えているのでしょうか。
その背景には以下のようなことがあります。
- 採用難
- ライフスタイルの多様化
- 他の会社を見た結果自分に合った会社を働く側が理解した
- 自社のことを理解して戻るので長期就労につながる
つまり、採用側としては、人材難の昨今において、過去に自社を辞めた人材であっても貴重な戦力になりうるし、一度辞めて再び自社に戻ってきたとして、会社のことを理解した状態で戻ってくるため、長期就労に繋がりやすいと判断します。
また、働く側としてもライフスタイルが多様化し、会社側が、それを受け入れてくれる、加えて以前働いた会社なので、辛さもある程度理解できるため、下手に新しい会社で働くより、就労メリットがあると判断するすることが可能になります。
これにより、労使双方の思惑が一致して、出戻り転職が成立する、お互いにとってプラスであると考えてもらえる状態となるのです。
さらにいえば、労働者側が自分に合った生き方を求めるために、昔にいた会社に出戻ること、また会社側はそれを受け入れるという、一昔前にあった、対面、面子のハードルが下がってきているということも同様にいえるのです。
どんな人が出戻り転職をするのか
では、どんな方々が出戻り就職をするのでしょうか。
具体的にはに以下の3タイプに分けられます。
- 転職や起業を背景に退職した人
- 結婚や出産、介護など家庭の事情で退職している、正社員でなかったり、就労していない時期のある人
- 定年退職で退職した人
では、以下でそれぞれ説明を加えていきます。
転職や起業を背景に退職した人
まず、一番多いパターンとしては、言わずもがなですが転職や起業を背景に退職した人、もっといえば、一度他の会社に転職して、数年たって戻ってくるというパターンです。
こういった方は転職したがうまくいかない、ほかにやりたいことがあったが、やってみたら前の会社の仕事のほうが面白かったなどの理由により、やっぱり前の会社で働きたいと再認識するケースがあります。
また、一度古巣に戻り、退職後の経験をいかすために出戻るというパターンもあります。
結婚や出産、介護など家庭の事情で退職している、正社員でなかったり、就労していない時期のある人
家庭を理由に退職した方であったとしても、その理由が解消されたら戻りたいと思う方も当然いらっしゃいます。
会社側としても、人員不足と経験者が入ってくれることは当然メリットがあります。その思惑が一致して成立するパターンであると言えます。
定年退職で退職した人
まだそんなに多い事例ではありませんが、高齢化社会、働き方改革に伴い、今後増えていく事例と言えます。
出戻り転職のメリット
では、出戻り就職にはどのようなメリットがあるのかについてですが、働く側においても受け入れる会社側においても共通しています。
ではどんな点でメリットがあるのか労働者側、企業側でそれぞれ見ていきたいと思います。
労働者のメリット
入社後、それは、早期に仕事に取り組んでいける、職場環境や企業文化に対しての認識があるため、慣れの期間なしで、早々に仕事を進めていくことができます。
また、社内人脈の構築もできています。
そのため、仕事の効率も新しく人材を受け入れるよりも良くなりますし、他の会社より働く側からすればキャリア構築もしやすいです。
企業側のメリット
次に企業側のメリットですが、受け入れる会社も社内の人を知っている、会社の中を熟知している、教育工数を減らせるというのは採用メリットが非常に高いといえます。
加えて、出戻りだからこそ、出戻り社員のスキル面について認識があるため、想定外がおきにくい、つまりふたを開けてみたら思っているより全然仕事ができなかったというようなことが起きにくくなります。
しかも、退職したあとに所属した会社のノウハウを持ち帰って生かしてくれる、社外にいなければわからなかった課題を見つけ出して問題提起をしてくれますし、社内人脈の構築もできているので、会社側も受け入れやすく、結果的にため会社の発展にもつながるというメリットが非常に大きいのです。
出戻り転職で注意すべきポイント
上記の通り、労働者側、および企業側双方にメリットをもたらすことのできる出戻り転職ですが、労働者側において、出戻り転職をする場合には、以下の点について注意すべきです。
あらゆる方とコミュニケーションを取る
出戻り転職をすると、既知の方々と優先的にコミュニケーションを取り、時に偉そうな顔をしている方も見られますが、謙虚に分け隔てなくあらゆる方、特に自分が入社した後にその会社へ入社した人と積極的にコミュニケーションを取っていきましょう。
会社で仕事をする以上、できる限り多くの方とコミュニケーションを取ることが大事ですので、面識のない相手にもちゃんと自分のことを知ってもらいという努力が大事となるのです。
新入社員の気持ちを忘れない
会社組織は常に変化します。裏を返せば、常に変化できるからこそこの厳しいビジネスの世界で生き残っていけます。
しかし、出戻り転職をする方は、自身がいた時と同じままだという想定の下入社しますので、会社の雰囲気や業務方針などが変化しているということも非常に多く、それに戸惑うケースも想定されます。
実際に、昔ののままのイメージで出戻り転職をしたら、仕事のやり方や環境が全く違う会社になっていて、そのショックで早期退職につながってしまったということも実は散見されます。
同じ会社とはいえ、次に入社しているときはそれなりに新しい会社になっていると考えた方が自身に負担は少なくなります。特に社会人に、またサラリーマンとしてはたらくのにブランクのある人は新人の気持ちを忘れないということが重要であるといえるのです。
新しい自分になり出戻り転職は労働者会社双方にプラス
出戻り転職は、時代背景から、これからも景気が悪化しない限り、積極的に行われる採用手法で、労働者においても出戻り転職の機会というのは非常に増えてくるでしょう。
また、出戻り社員として働くことで、新しい風と、新しい文化を持ち込むことができる点で採用企業にメリットをもたらし、かつ自分自身も慣れ親しんだフィールドでありながら新しい気持ちで活躍できるチャンスを有しています。
これから転職を検討している方は、新しい会社ばかりではなく、かつて在籍した企業というのも転職先の候補として検討するというのも、良い転職を実現するうえで、重要な選択肢であるといえるのではないでしょうか。
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