日々働くなかで、やりたくもない仕事をやらせれて辛い、また成果ばかり求められてそのプレッシャーに精神的に折れそうになっているという方も多いのではないでしょうか。
中には精神疾患にかかる一歩手前くらいでもがき苦しんでいて、限界の方もいらっしゃることでしょう。
その反面、働かないと給与がもらえない、毎日のごはんを食べていかなければならないというのも重要な問題です。
実は働かずとも当面収入を得られる、しかも公的に認められている制度があります。
本編ではそのような働かなくても一定の収入を得ることのできる制度についてお伝えしたいと思います。
失業手当てでは、不労収入ならない理由
まずは誰でも知っている不労収入である失業手当てについてお話をいたしますが、結論から言えば失業手当てはもらえるまでに一定の時間を要するため、すぐもらうことは期待してはいけません。
では、それはどういうことなのかというと、以下のような支給要件があるからです。
- 失業(退職)日直前の2年間に、雇用保険に加入していた期間が合計で半年〜1年以上ある
- 現在失業しており、かつ、すぐにでも働く意思があること(求職活動を行える)
- 自己都合退職の場合は7日間の待期期間を経て、さらに3ヶ月の給付制限期間が必要
つまり、失業保険で一定収入を得ようとする場合、2年間は働いることが前提となり、ハローワーク経由で就職活動をしている実績が必要となります。
加えて、一番大きなポイントとなるのは、会社を辞めたくて自らの意思で退職をした場合、最初の3ヶ月は失業手当を受給できないというのが重要なポイントです、
3ヶ月一切の収入がないというのは人にもよりますが、それなりに厳しくなる方もいらっしゃるでしょう。
もちろん、自己都合退職の場合でも3ヶ月経てば収入が入るのでハローワークに失業手当の手続きを遅滞なく行い、受給できるようにしておくのが重要となりますが、即お金をもらう仕組みではないということをまずは認識しましょう。
押さえておきたい失業保険の受給額
一方、失業保険は、最短で3ヶ月、最長で9ヶ月の手当、いわば不労収入が得られる方法ではありますので、その受給金額については認識しておきたいところです。
では、失業保険の給付金の算出ロジックについてですが、直近半年間の日給に、年齢に応じた割合を掛け算して求めます。
例えば28歳で月給30万円、半年間で180万円、の場合は、180万円÷180日=10000円が賃金日額、そこに28歳の場合は給付率64%となるため、基本手当日額は6000円になり,月収は18万円程度となります。
つまり退職前の給与が高かった人とそうでない人だと、高かった人にお金が多く入る仕組みということになるのです。
職業訓練受講給付金で月10万円と交通費を手にすることができる!
仕事をやめて、お金をもらう方法は失業手当だけではありません。
職業訓練受講給付金という、ハローワークが指定する職業訓練プログラムに休まず参加するだけで10万円と交通費を手にすることが可能な給付金制度があります。
このプログラムに参加するための要件は以下の通りとなります。
- 収入が月8万円以下
- 世帯全体の収入が月25万円以下
- 世帯全体の金融資産が300万円以下
- 現在住んでいるところ以外に土地・建物を所有していない
- 全ての訓練実施日に出席している、またやむを得ない理由で休んだ場合でも、8割以上出席
- 同世帯の中に同時にこの給付金を受給して訓練を受けている人がいない
- 過去に手当金をもらったことのある人は、前回から6年経過していること
つまり、仕事を辞めていて、一人暮らし、もしくは家族全体の月収が25万円を切っている実家暮らしの方で、真面目に訓練に参加すれば10万円+交通費の給付を受けることが可能であるということになります。
ただし、こちらに関しても注意すべきことがあります。それは、申請をしたからといって今日明日でこの10万円を受けとることができないということです。
とはいえ、1ヶ月単位で振り込みに時間がかかるわけではなく最短1週間かからず、遅くとも申請して10日程度で振り込んでもらうことが可能となります。
つまり、申請して多少のタイムラグはあるものの、比較的すぐもらうことが可能なのです。
また、失業手当と職業訓練受講給付金に関しては、基本的には両方を受給することも可能となります。
失業手当に関しては、自己都合退職の場合だと、上述の通り受給までに時間を要してしまいます。また、どのくらいの金額がもらえるのかについては個別の給与によってきますが、月収20万円以上もらうことも可能にはなるのです。
また、失業手当の申請と職業訓練受講給付金の申請は同時に可能で、ハローワークにおいても同時に申請することを薦められるケースも少なくありません。
一緒に手続きを進めていきましょう。
職業訓練受講給付金の申請に必要なものは?
では、職業訓練受講給付金を申請するにあたり、なにが必要になるのかをお知らせします。
- 本人確認書類(免許証・パスポート・在留カード・マイナンバーカード(写真付き)などいずれも原本)
- ハローワーク窓口から交付された各種様式(受講申込書・事前審査書・職業訓練受講給付金要件申告書・職業訓練受講給付金通所届)
- 直近3カ月以内に公布された住民票謄本の写しまたは住民票記載事項証明書(世帯の構成および続柄が記載されたもの)
- 事前審査申請日の前月に得た本人収入を証明する書類(賃金明細書など)
- 事前審査申請日の前年における申請者本人および全ての同居配偶者等の収入を証明する書類(源泉徴収票、所得証明書など)
- 申請者本人または同居配偶者が保有する事前審査申請日の残高が50万円以上である全ての預貯金通帳または残高証明(直近1カ月以内に交付されたもの)
- 給付金の振込先となる通帳
- その他、ハローワークが求める書類
ご覧いただいたように、準備しなければならない書類等は非常に数多くあります。
早めに必要な書類等を認識したうえで、手際よく準備することが早期受給において必要なことと言えます。
失業手当と職業訓練受講給付金受給について認識すべきこと
失業手当と職業訓練受講給付金は、働かずとも一定の収入を得られるという観点から非常にありがたい存在です。
しかし、それゆえに注意すべきこともあります。それは、貰える期間が限られるということ、また、20万円程度の収入のままではライフプランが立たないということです。
失業手当は20代でもらえるのは3ヶ月程度で、職業訓練受講給付金は最長でも2年程度です。目先の最低限の生活費を貰いながら、職業トレーニングを税金でさせてもらえるという位置付けにすぎません。
加えて、毎月20万円得られるとしても、年間収入は240万円程度で、この金額でライフプランを立てるのは難しいと言えます。
あくまでも、失業手当と職業訓練受講給付金は何かしらの理由で働けなくなった時のつなぎです。
最終的には自らのキャリアを切り開いていかなければならないことは認識しておきましょう
失業手当と職業訓練受講給付金は有効活用しよう
改めて、失業手当と職業訓練受講給付金は公的に得られる不労収入です。働けないときに有効活用することは権利ですのでしっかり行使しましょう。
しかし、最終的にお金を作り出すのは労働です。そして、失業手当と職業訓練受講給付金は次の労働のための準備をするまでにもらえるお金で一時的なものです。
その点をしっかり認識し、どう自分のキャリアを作るべきかしっかり考えながら受給するようにしましょう。
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