転職において、50代という年齢層で実現するのは非常に厳しいと言われてます。
実際、ハイクラス向けの転職サイトには多くの50代の方が登録され、転職を希望されていますが転職はおろか、求人の紹介がなされないというのが現実問題としてあります。
では、50代で転職は絶対的に不可能なのでしょうか。本編では50代転職の現状についてお話しをしたいと思います。
50代での転職はやめたほうがいい
結論から言えば、50代の転職はあまり現実的ではありません。
その背景として以下の要因が挙げられます。
- 定年まで期間が限られている
- 採用におけるコストパフォーマンスが悪い
- 若い人と比較して環境の変化に対する適応力が弱い
50代はビジネスパーソンにとってはラストスパートと言って良いでしょう。また、一般的には定年は60歳ですが、55歳を定年にしている会社もあり、活躍できる年数は限られています。
しかも、年収は他の世代より高くなります。加えて、採用企業は、転職エージェントを利用すれば、採用が成功した場合、採用に係わる費用を支払わなければなりません。
その際どういう計算をするのかというと、提示された編集にあらかじめ契約で決まった掛け率(一般的には30%)をかけて算出することになります。
例えば年収を800万円で採用され、入社したと仮定すると、240万円の手数料をエージェント側に支払うという計算になります。
つまり、毎年支払う年収も採用にかかる費用もかさんで来るということなります。
また、年齢が上がると一般的には環境に対する適応力は下がると言われます。採用側はその点に関しても気にしています。
以上の点から50代の転職は非常に厳しいと言えるのです。
50代の採用はゼロではない
上述のとおり、50代の転職は厳しいということはご理解いただけたかと思います。
とはいえ、50代の方が全く転職ができないかと言われるとそうとは言えません。では、どんな方なら転職が可能かと言われたら以下の通りです。
- 電気・制御系の技術者
- 生産技術職
- 専門職+マネジメント
- エグゼクティブ
では、それぞれ補足を加えていきます。
電気・制御系の技術者
今大前提として理系の方が世の中から減っているという現実があります。特に電気・制御の設計経験者は非常にレアな存在と言えます。
そんな中ですぐに開発における即戦力を採用するためには50代の即戦力を採用するケースが散見されます。
また、この動きは国内だけではありません。実際、アジア系、特に中国、韓国が日本の優秀な技術者を採用したいと高い年収でヘッドハントするといった事例もあります。
優れた技術者は世界規模で採用したいと考えられているのです。
生産技術職
製造業において、生産現場である工場で高品質かつ効率的な製造ラインの企画・設計を行う生産技術職の即戦力は必要とされているのに、転職市場にいないという状況となっています。
そのため、50代の優秀な生産技術職の経験者は採用各社において非常に採用したいと考えられている職種です。
専門職+マネジメント
50代の場合、マネージャーという肩書きだけでは採用されません。金融アナリストや製薬・医療機器メーカーの薬事などより専門性の高い方々のマネージャー経験者を採用が行われるケースがあります。
こういった職種の場合、メンバークラスが40代となるため、必然的にマネージャークラスが50代となることが要因になるのです。
エグゼクティブ
50代の採用において、最も顕著に採用ニーズにがあるのが、エグゼクティブといわれるいわゆる経営層です。
優秀な経営層の方は50代であったとしても、三顧の礼で迎えられることが多いです。
50代の採用をメインに支援している転職エージェント、ヘッドハンティング会社は大抵この層にターゲットを絞り、採用、転職支援をしています。
50代の採用で最もフォーカスされる層であると言えます。
50代の方が転職をするにはどうすればいい?
では、50代の方が転職をするにはどうすれば良いのでしょうか。結論としては以下2つの方法があります。
- 転職サイトに登録
- 原則待ちの姿勢で望む
50代の転職は基本的に待ちの姿勢で大丈夫です。なぜなら、率直に申し上げて、50代でも採用ターゲットになる案件は放っておいてもエージェントが声をかけてきます。
50代の場合だと、複数案件の紹介は難しいため単独案件で転職活動を進めることになるのをエージェントは知っています。つまり、エージェント側としては競合がいない中で売り上げを作ることができるということです。
そのため、早急に案件を決めにいこうとアクションをとります。そのため、案件が出るや否や転職サイトをつかってスカウトを送ります。
気に入った案件があればスカウトに返信し、案件の詳細を聞いて受ける・受けないを判断する、それだけで良いのです。
転職を希望される50代の方に見られる傾向として、とにかく少しでも気になった案件についてエントリーを乱れうちする傾向にありますが、あまり生産的なやり方とは言えません。
限られた時間を有効に使うという観点からもじっくり構えるくらいで良いのです。
50代の方が転職をするために注意すべきこと
50代の方が転職をするにあたっては以下3点について注意をして下さい。
- 転職をしないことから考える
- 転職活動はじっくり行う
- よほどのことがない限り年収は下げない
50代の採用に関しては上述の通り、限られた経験がないと転職できません。
以上の状況からすると、50代の方は、そもそも転職をしないことを最初に考えたほうが良いです。
なぜなら、転職をすることで、もらえる退職金は減ります。また、年齢が重なってくると新しい環境に慣れるのもなかなか大変です。決してデメリットが少ないとは言えません。
それでも転職したいとお考えの方は、慌てないでじっくり転職活動を行うくらいの感覚が大事になります。
逆に慌てて転職活動を行うことで、書類選考を通過して面接に受かることに満足をしてしまう懸念があります。
また、そうなることで、よい環境、働き方を得るために転職したのに、逆効果になることも少なくありません。
じっくり吟味しながら転職活動をすることで、そういとたリスクを防ぐことができます。
自分を真に必要としてくれそうな会社から、またうまく転職活動を進めてくれそうな転職エージェントからの接触に応じて転職活動を行いましょう。
また、これから定年以降のお金のことも考えていかなければならないので、年収を下げるような転職もあまりおすすめしません。
そう考えると他業界、他職種というのは難しいと考えたほうが良いと言えます。
まとめ
50代の転職というのは出来ないとは言いませんが、かなり厳しいという現実があります。
転職が可能な職種は限定的ですし、かなりの能力が求められます。基本的にプレーヤーレベルの採用はなく、指導ができるような方の採用が主です。そのため、そういった経験がないのてあれば、無理に転職をしないという選択肢を持ちたいところです。
また、転職をすると決めた場合でも、慌てず騒がず自身の築いたキャリアに適するよい案件を厳選して選ぶくらいの気持ちでいる、そういった案毛をがなければ転職を諦めるくらいの心持ちでいることが適しています。
50代はこれまで築いたキャリアの集大成となります。気持ちよくビジネスライフを完結させるためにも後悔なく満足いく形でラストスパートを駆け抜けていただきたいです。
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