個の侵略型パワハラとはどのようなパワハラのことを指すのでしょうか。知らない間にパワハラを受けている可能性も考えられます。
侵略型という恐ろしい言葉を利用しているこのパワハラ、個を一体どのように侵略していくのでしょうか。
今回の記事では、個の侵略型パワハラの具体例と対応策について解説していきます。
個の侵略型パワハラの具体例
まずは個の侵略型パワハラの具体例について確認していきましょう。個の侵略型パワハラは、相手に自覚がない場合がある面倒なパワハラです。つまり受け手側が知っておき注意する必要があるかもしれないのです。
有休の取得に際し色々聞いてくる
有休休暇の申請を行った際に、上司から色々聞かれるのは個の侵略型パワハラに該当する恐れがあります。もちろん外国に旅行に行く際は会社へ届け出るのは当然の行為です。渡航願いを提出してから外国に行くのは勤めている人の当たり前のことなのです。
しかし、誰と行くどんな関係の人と行く、宿泊先はどこなのかなどは、聞く必要がありません。このような内容を執拗に聞いてくるのは問題です。社員が有休を取得するのは労働基準法にも認められた当然の行為です。これを質問に答えないから認めないというのは明らかな個の侵略型パワハラに該当します。
更にもし交際相手と旅行に行きますと答えた場合、そこから更なる質問をされるのも問題です。旅行から帰り出社した際、「交際相手とどうだった?」などと聞くのも大問題、異性ならばセクハラに発展する可能性もあります。
管理職という優位性を利用した質問
「明日の休みは何をするの?」何気ない上司からの質問も、個の侵略型パワハラに該当する恐れがあります。休みの日まで上司に管理される必要はありません。特に何をするかなど答える必要も無いわけです。
更に何の疑いもなくロッカーの中身や机の引き出しの中を確認することも個の侵略型パワハラに該当します。このような行為を上司にさせないためにも、通常は会社の書類は自分の引き出しの中に入れないというのがルールです。もしこのルールがあるのに個人で保管をしているのならば、仕方ないときもありますが、それ以外は問題な行為となります。
ただ管理者の中には、このような行為がパワハラに当たるとは考えもしなかったと話す人もいます。ロッカーや机の引き出しは会社の備品だから勝手に開けても問題ないと思っている人もいるのです。まだまだパワハラに対して勉強不足な人もたくさんいます。このような行為をされた場合、すぐに訴えるという行動に出るのではなく、知っているかの確認をそれとなくするのも良いかもしれません。
仕事に関係ないラインやメール
休みの日に上司から、仕事に関係のないメールやラインが来たらどう感じますか。「休みの日まで上司と連絡したくない」と思ってしまう人も多くいるかもしれません。特に一般の社員は休みの日は会社と関係のない友達と遊びたいと考えている人が多くいます。それに対し上司からのメールは重荷以外のなにものでも無いのです。無視するわけにはいかない、返信すると長くなるという悩みが付きまとうのです。
つまりこのような行為も個の侵略型パワハラに該当するのです。さらに先ほどと同様、上司はパワハラと感じていないのかもしれません。ここがこのパワハラの厄介な点なのです。しかも異性に行われることが多いパワハラ、嫌だとも言いにくいという特徴もあります。
個の侵略型パワハラへの対応策
それでは個の侵略型パワハラに関しての対応策を考えていきましょう。今までの内容から分かるように、ちょっとした勇気が必要ですが、放っておくと治まることはありません。
「普段はいい上司だから」「この内容に迷惑していると話して、態度が豹変するのが怖い」など言いだせない理由はあるかもしれません。ですが、このまま放っておいてよろしいのでしょうか。我慢ができますか?ストレスはたまりませんか?もし自信が無いのならば行動するしかないのです。
本人に直接説明する
もし上司との関係性が良好ならば、休みの日のメールや行動を聞いてくることは嫌だという話を、勇気をもってするのも一つの手です。ただいくら信頼できる上司だからと言って何も持たずに話し合いをするのはいけません、このような話をするときは必ずボイスレコーダーを利用するようにしましょう。
異性の場合は万が一のことも考えられます。そのような場合に備え準備をしておくようにしましょう。また、信頼できる同僚と一緒に話しに行くのも良いかもしれません。あくまで相手の気持ちを逆なでしないように慎重に行動するようにしましょう。
社内や部署内で話合いを行う
特に上司との関係性を気にしていないという場合は社内で話合う方法が良いでしょう。先ほどから説明してきましたが、これらの行動は本人に自覚がないということも考えられます。実際に上司からこういうメールが来たなどの内容を伏せながら話し合いを行いましょう。そのため誰か信頼できる人に発起人となってもらう必要があります。
話合う内容は、どこまでが業務の範囲内か?プライベートを聞かれるのは個の侵害、更にはどうして知る必要があるのかなどまで話すのもよいでしょう。さらに個の侵害による裁判例などは調べればネットに出てきます。これらの実例を示すのも良いかもしれません。まずは知ってもらうということ、理解してもらうということ、嫌がっている人がいて悩んでいるということを分かってもらうことが必要なのです。
これでもし理解してもらえないのならば最悪な状況、上司として管理する目的ではなく異性として見ている可能性が高くなります。こうなると非常に面倒な問題へと発展していくのです。
人事部への相談を行う
今までの行動でなくならない場合は、最終的に人事部や外部に相談するという行動が必要になります。つまり恋愛による個の侵害型パワハラだった可能性が高くなるという訳です。
あの人がまさかと思われる人でもあり得ます。真面目な人ほどなりやすいと考えるべきです。あなたは何も悪いことはしていないのかもしれませんが、ある程度のことは覚悟し、慎重に行動しなければいけません。
まずは会社側の対応にもなります。会社側が上司を優遇し、あなたに不本意な異動を命じた場合、それが納得できないのならば行動するべきかもしれません。そのためにボイスレコーダーを利用していたのです。メールやライン、ボイスレコーダーを利用し不当な異動を証明する必要があります。
なぜ自分がこんな目に合うのか、もしかするとそう考えてしまうかもしれませんが、個の侵略型パワハラを行った加害者がいるので仕方ありません。この人を退治するための行動をするしかないのです。
もしかすると公になると会社に居づらくなる可能性もあります。ただ我慢できない個の侵略型パワハラに耐えるぐらいならば行動するしかないのです。できるだけ味方を付けて対抗するようにしましょう。
納得いかない結末になる可能性も
個の侵略型パワハラはセクハラにもなる可能性があるパワハラです。もしかすると恋愛という仕事に関係のない感情が混じる可能性があるため、非常にしつこく厄介になるケースもあり得ます。
そのため、自分が納得いかない内容で決着することも考えられるのです。だからと言って個の侵略型パワハラを耐えるわけにはいきません。相手は勘違いしている可能性もあるのです。
私は迷惑しているという態度をしっかりと示し、パワハラやセクハラは許さないという強い気持ちを持つようにしましょう。
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