日本の高度成長期によく耳にしたのが年功序列です。最近は成果主義の会社が増えてきましたが、年功序列を崩さない会社もあります。転職をするならば、日本の経済を支えた年功序列が良いのでしょうか？それとも勢いのある成果主義でしょうか？よく考えて行動する必要があります。
今回の記事では、聞かれても上手に答えることができない人も多くいる、年功序列について解説します。年功序列のメリットとデメリットを確認して、転職先を決める手段に役立ててください。
年功序列とは？
年功序列とは、個人の成果に伴って評価をするのではなく、会社に勤めた年数を役職や給料に反映させる制度です。昔は、今のように転職をすることに抵抗を持たれた時代でした。長く勤めればそれだけ給料や退職金に影響があるからです。
その経験から、親が子どもの転職に反対する光景も見られました。最近は年功序列の会社も減り、対象となる成果主義をとっている会社が増えています。しかし中には、成果主義がうまくいかず年功序列に戻した会社もあることから、一概にどちらが良いと判断するのが難しいのではないでしょうか。
年功序列にする理由
年功序列の考え方が、人生を設計するのにちょうどあてはまるのが大きな理由の一つです。人は年を取るごとに支出が増えてきます。結婚し子供が生まれれば、教育にお金が必要です。年功序列で上手に給料が上がれば、普通の生活を送ることができます。
大きな退職金を得ることで、老後の生活も安泰ではないでしょうか。年功序列の考え方は、一つの家庭が幸せに過ごすために、必要な人事制度です。昔、社員は家族と大きく打ち出している会社が多くありました。年功序列はその言葉の裏付けかもしれません。
年功序列と成果主義の違い
年功序列は、先ほど説明したとおり、未来が安心できる人事制度です。ただ、大きな手柄を立てずとも、給料に反映されていきます。その結果、実力のある若手社員の、やる気を失う可能性がでてくる人事制度です。中には、後輩よりも仕事ができないと悩む先輩もでてきます。万が一そのように考えいているのならば、こちらの記事も確認してください。
後輩よりも仕事ができない、考え方を変えて気持ちを楽に
逆に成果主義は、結果が役職や給料に反映されることから、やる気が出てきますが、その反面殺伐とした空気になることがあります。他の社員を蹴落とそうと、わざとミスを誘うような、そのようなずるい考えを持つ社員を生みだす可能性もゼロではありません。地位と名誉、これは人を狂わす魔力を秘めています。悪いことでも、自分が上にいくためには手段を選ばない、このような人が増えるのです。そのため、人間関係が殺伐とし、年功序列のような会社は家族という言葉が当てはまらないと感じられます。しかし、うまく競争心を煽るように機能すれば、少数精鋭の会社ができるかもしれません。
年功序列のメリット
それでは年功序列のメリットを確認していきましょう。転職活動の参考にしてください。
帰属意識を高められる
年功序列のメリットは、帰属意識を高められる点です。会社という集団の中に属し、社員として存在する意識を高めることができます。年を重ねるごとにその意識は高まり、定年まで勤めようと思うはずです。
昔は離職率など気にする会社はほとんどありませんでした。終身雇用、これがどの会社にもあったからです。
社員の連帯感が強まる
社員の連帯感が強まること、これも年功序列のメリットです。上司は必ず年上の人、この状況はチームワークを強くします。役職と年齢の上下逆転は、お互いに気まずい状況となることがあり、おのずと避ける年下上司もいるようです。
年功序列の会社は、年上の上司から受ける指示をまっとうにこなせば、いずれ自分の給料も上がるという期待があります。他の社員を蹴落とす必要も、殺伐となる原因も存在しません。年功序列が上手に機能すれば、社員の連帯感が強固となることでしょう。
人事評価が分かりやすい
年功序列は、人事評価をする際に、非常に楽に行えるメリットがあります。普通に仕事をこなしていれば、決められた割合で評価をすればいいだけです。人事評価がマイナスになることもありますが、そのれも本人が納得しやすいのもと言えます。
会社によって異なりますが、年功序列の人事評価でマイナスになるとすれば次の内容です。
- 始末書や顛末書の枚数が多い
- 何かしら処分を受けた
- 病欠期間が長い
他にも会社によってありますが、これらの内容が評価に関係してきます。お客さまからクレームをもらったなどは関係ありません。その結果、処分をされたり始末書を書いた結果が、評価に反映されます。非常に分かりやす人事評価制度ではないでしょうか。
また、逆にプラスの材料も存在します。会社から表彰を受けたや、社会貢献が大きかった社員には、給料でプラスの評価を受ける可能性が高まります。
無難に仕事をこなしていれば、順序良く給料と役職が上がっていく、とても分かりやすいのがメリットと言えます。
年功序列のデメリット
次に年功序列のデメリットを確認しておきましょう。年功序列にもデメリットはあります。だからこそ対照的な人事評価である成果主義が生まれました。
企業が衰退化する恐れも
年功序列は、企業が衰退化する恐れがあります。無難に仕事すれば給料が上がるメリットの裏には、冒険する必要が無いことの表れです。なにか冒険をすることでプラスのイメージを出さずとも、年を取れば年収も役職も上がります。無難な社員が増えることは、なんの刺激もない集団の集まりになる可能性を秘めているのです。
そのため目的意識が非常に低い社員が増え続けます。事なかれ主義、イエスマン、ぶら下がり社員などは、年功序列の会社に見られる社員です。その結果、次のような行動に出る社員が増えていきます。
実力のある若者が会社を退職する
実力のある若者が年功序列に嫌気を感じ、退職をし始めます。年子序列に甘んじて、仕事をしない社員が出てくる可能性はゼロではありません。それら先輩社員の行動を見ていた結果、自分はこうはなりたくないと転職を決断します。
さらに、仕事を無難にこなしているだけの人が、自分よりも給料が高い現実は実力のある若手にこたえます。この人たちの給料も自分が働いているおかげ、そう考えてしまうと、転職をしたくなるのもうなずけます。
自分だけが仕事をしているような錯覚に悩まされる社員もいることでしょう。無難にこなしていれば、給料が上がるかもしれませんが、志の高い実力のある社員はそれに納得ができません。
周囲の先輩のような年の取り方をしたくないと感じ、転職や起業を目指す若者も増えることでしょう。実力のある若者が退職するのは、年功序列の大きなデメリットです。
ポストがなければ昇進できない
年功序列には、ポストがなければ昇進できないデメリットがあります。上役のポストは人数に限りがあり、その人たちが退職しなければ、次の人がその役職になれません。
上の人の退職待ちや定年待ちと言った傾向が見られるのも、年功序列のデメリットと言えます。
自分にあった評価制度の会社を選択する
自分にあった人事評価制度の会社に勤めるのが得策です。周囲を蹴落とすまでしたくない、逆に蹴落とされるような状況にあいたくないのならば、年功序列の意識が強い会社を選択することをおすすめします。
危険なのが、年功序列の会社から成果主義の会社への転職です。井の中の蛙大海を知らずということわざもあり、転職をしたことで新たな世界に馴染めない人もでてきます。自分の実力を履き違えるのは危険です。その結果、うつ病を発症したり、通勤するのが嫌になったら本末転倒です。会社を辞めるのも選ぶのも慎重に行うようにしましょう。
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