社会人になってから聞くようになった「下請け」と「元請け」いまさらだけと違いがよくわからないという人はいませんか？聞くにしても恥ずかしく聞けない状況にある社会人の方もいるはずです。
今回の記事では、下請けと元請けの違いについて解説していきます。社会人の必要知識として、メリットとデメリットを確認しておきましょう。
下請けと元請けの違いとは？
下請けと元請けの大きな違いは依頼主、元請け業者の依頼主は、お客様です。お金を支払うお客様から直接依頼された企業を元請けと呼んでいます。一方の下請けは、元請けから仕事の一部を依頼され引き受ける業者のことを言います。この場合のお客様は、元請け業者です。
あまり聞かないと言われるかもしれませんが、元請けと下請けの関係はいろいろな場所で見られます。簡単なもので言えば、配送サービスも元請けと下請けの関係を利用されている場合があるのです。
大手スーパーで購入したものに配送を依頼すると、配送業者が配達してくれるはずです。大手スーパーがこの配達の依頼を郵便局にしていたとしましょう。この場合は、大手スーパーが元請けとなり、郵便局が下請けの関係です。
万が一内容品が破損していた場合は、大手スーパーへクレームを入れます。お客様が購入されたのは大手スーパーからです。郵便局にクレームを入れることではなくなります。もちろん配達員の態度が悪くても大手スーパーにクレームを入れます。これにより、大手スーパーは郵便局との契約を止める可能性も考えられるのです。
ほかにも電化製品の設置工事など、多くのところで元請けと下請けの関係は利用されています。中には、市の事業の元受けになる業者もあることでしょう。こうなれば、下請けはいくつもの会社が存在し大きな仕事です。元請けと下請けの関係による仕事は、ピンからキリまであると言えるでしょう。
下請けのメリットとデメリット
それではまず下請けはのメリットとデメリットを確認しておきましょう。
下請けのメリット
下請けのメリットは、営業に関する労力をあまり必要としない点です。元請けが安定して仕事を受ける営業努力をしていれば、下請けの利益も安定してきます。下請け最大のメリットは、広告費に高額なお金をかける必要がないという点です。
また、企画などの発案も特に必要としません。元請けの指示通りに作業を進めれば、問題がないのです。納期と質をまもれば、問題がなく仕事をもらうことができるでしょう。
下請けのデメリット
下請けのデメリットは、元請けに依存していることです。元請け業者が一社しかなければ、元請け業者しだいで共倒れということにもなりかねません。元請けの業績は下請けも気になるところです。
また、常に価格競争を強いられ場合があります。下請け競争とでもいましょうか、元請けにとって価格の安い下請けがあれば、そちらに依頼する可能性もあります。お客様から得られる支払いは変わりません。元請けが利益を出すためには、支出を抑える必要もあるのです。そのため、価格競争に発展することも多々あります。価格面が下請けにとって一番つらいデメリットとなることでしょう。
元請けのメリットとデメリット
それでは次に元請けのメリットとデメリットを確認しておきましょう。下請けのメリットとデメリットを確認した後ならば、元請けの立場が上ということが理解できます。そのために得るメリットもあるようです。
元請けのメリット
元請けは下請けに対し、自由な金額設定ができる立場です。先ほど下請け業者のデメリットが元請けにはメリットです。できるだけ安く下請けに依頼できれば、元請けの利益は向上します。
そのため、複数の下請けで争わせることもあるのです。提示した金額で合意が得られないのならば、ほかの安い下請けを探すことができます。下請けも何としても仕事が欲しいのならば、ある程度の価格競争に勝負をしなければいけません。主導権は常に、元請けにあると言っても過言ではありません。
また、下請けがいるおかげで、大きな仕事を受託できます。自社だけでは立ちいかない内容の仕事でも、複数の下請けに依頼ができれば不可能も可能です。受注をすれば指示をするのが元請けの仕事とも言えます。
元請けのデメリット
ただその分、責任を取るのも元請けの仕事です。下請けが納期を間に合わなかったり製品に何らかのトラブルがあれば、責任は元請けがとります。お客様からすれば、元請けに仕事を依頼しているわけで、何らかのトラブルがあった際に、知らない業者から謝られても意味がありません。元請けを信用してお金を支払ったのです。「うちのミスではありません」では納得いくわけがありません。
つまり下請けがミスをすれば、元請けの信用が落ちる可能性もあるというわけです。そのため下請けの業者選びを慎重しなければいけません。ただ、もし重大なミスが下請けに発生すれば、元請けは責任を追及することも可能です。あまりにひどい過失ならば、裁判に発展することもあり得ます。
下請けから元請けの転職はできるの？
ここまで見ると、下請けより元請けに就職したいと思う人のほうが、多くいるはずです。下請けの仕事はある程度決まった作業ではないでしょうか。そのため、働いている人の中には、将来性が乏しいと思われる人もいるはずです。
また、どうしても待遇面が元請けよりも弱くなります。利益がでるのは元請け業者です。そのため給料面も高くなると言えるでしょう。それならば、元請けに転職したいと思われても仕方ありません。
それでは下請けに就職したあと、元請けに転職することは可能なのでしょうか。
下請けから元請けに転職することも可能
下請けから元請けに転職することは可能です。下請けができるということは、似たような業務を行っているということです。能力が認められるのならば、元請けに転職もできるでしょう。
ただ、元請け業者になっているだけあり、相手は下請けよりも大きな会社になるのは必然です。そのため、転職に受かるかが問題、相手が一流企業ならば、面接を通過するのはとてつもなく高いハードルになるかもしれません。
元請けへの転職が大変な理由
先ほど言ったとおり、大手だからと言った理由のほかに、大きな壁があります。それは、元請けと下請けの信頼関係が損なわれることがあることです。優秀な人材を元請けが引き抜くように見られる転職ならなば、元請けが敬遠することもあり得ます。
業種が同じで近い関係の業者では、関係を崩したくないと思うケースも少なくありません。相手の良い人材を引き抜くのは、関係が悪化する材料に十分なり得ます。そのようなリスクを冒してまで欲しい人材になれるかどうかが転職のカギです。
もしそれでも転職を考えるのならば、万全な状態で面接を受けるようにしましょう。こちらの記事を参考にしてください。
面接の前日にすることは何？合格率が上がるためにする6つの行動
下請けや元請けの関係ない転職をするのも一つの手段です。
下請けから転職をするのに、元請けにこだわる必要はありません。元請けや下請けの関係がない仕事もたくさんあります。もし下請けの仕事で不安に感じているのならば、なにか新しいことに挑戦するチャンスではないでしょうか。
そのために転職を支援する制度があるのです。給付金を受けながら転職先を探すこともできます。元請けにこだわる理由はありません。本人にやる気があれば、畑違いの業種に挑戦することも可能です。
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