今働き方改革によって、副業が政府によって奨励をされていますし、副業を認めている会社も増えてきました。
実際、クラウドワークスやメルカリなどインターネット上で成立する副業も増えてきましたし、ウーバーイーツの配達員を街角でたくさん見かけるようにもなりました。
しかし、まだまだ個人事業主おける税金面、保険制度というのはまだまだ整備されていません。
そこで本編では副業における税金、保険面とその問題点についてお話をさせて頂きたいと思います。
そもそも副業をする会社員が増えてきた背景は?
では、そもそも副業をするする会社員が増えてきた背景についてお伝えしていきたいと思います。
働き方改革で給与が減ってきたから
今世の中では働き方改革が政府主導で行われているのは冒頭でお伝えした通りですが、それによって、残業が削減されてきています。
かし、残業代ありきで働いてきた方にとっては、残業代の月間数万円が削減されるということは極めて家計において厳しくなります。その残業代をどう補填するのかという中で、なくなった残業の時間を副業で補填することを目的に始める方も多くいらっしゃるのです。
副業の垣根が下がった
こちらも冒頭でお伝えしたように、今ネットを通じて簡単に副業を始められるになっています。
クラウドワークスもウーバーイーツもインターネット、スマートフォンのアプリ登録し、仕事にエントリーすれば完結することができます。
昔は副業といえば、派遣での体力仕事や、女性であればいわゆる水商売と呼ばれる夜のお仕事が多かったのに対して、単価は安いものの夜の時間を有効に使い、かつ仕事の負担を減らす形で仕事ができるため、非常に副業がやりやすくなっている、そういったイメージを持っていただけら良いでしょう。
副業の税制・保険面についてはサラリーマンほど恵まれていない
しかし、インターネット副業はいいことばかりではありません。税制、保険制度などはいわゆるサラリーマンに対しては非常に充実しているにもかかわらず、副業はこの辺りがしっかり整備されていません。
では、税制、保険制度の面でどのあたりが不十分なのかについて説明をいたします。
インターネット副業の労働者は個人事業主として扱われる
クラウドワークスにしてもウーバーイーツにしても、一般のサラリーマンと違い、個人事業主として扱われます。
そのため、サラリーマンのような給与所得者のように、、給与所得控除がありません。では、給与所得控除とは何なのかというと、いわゆるサラリーマン控除と呼ばれ、収入から無条件で一定の経費を差し引くものです。
いわゆる会社員においては、スーツや靴のような働くうえで、自らの給料から仕事に必要なものを購入するコストがかかります。それを考慮している一方、それをすべてのサラリーマンに個人事業主のように経費を計上させて納税対応するのは処理する税務署側も手がかかってしまうため、収入に応じて一定の掛け率を定め、それで処理する形となっています。
しかし、この給与所得控除は個人事業主にはなく、率直に言えば不公平感を感じるレベル感となっています。個人事業主より会社員のほうが税制面で非常に有利になっているというのが実情となっています。このサラリーマン控除の掛け率は、年収にもよりますので一概には言えませんが、おおよそ年収の30%くらいだと考えてもらえたら良いです。
すなわち、500万円の年収をもらっている場合はイメージとして150万円程度は給与控除がなされている計算となります。ということは、基礎控除の38万円をさらに引いて計算すれば、実質300万円強という収入の中で税金を支払っているという計算になるのです。
ただし、個人事業主には青色申告特別控除という65万円の所得控除が受けられる制度があるのですが、取引を複式簿記という方法で記帳しなければならないので非常に手間がかかります。
以上のような形で、インターネットを介した副業は税制面で非常に不利になるのです。
労災保険がない
インターネット副業には、労災というものがありません。そのため、インターネット副業における過労が認定されることも、ウーバーイーツの配達員は、ケガをしても労災認定がなされることはありません。
本来この点については法整備を行わないといけないのですが、それが追い付いていない実情があるといっても良いでしょう。
インターネット副業の税制、保険制度が整っていないと何が問題か
では、インターネット副業の税制、保険制度が整っていないと何が問題なのかというと、以下の点が問題であるといえます。
副業が世間に定着しなくなる
労働者の問題というより、日本国全体の大きな話になってしまうのですが、副業を定着させることで、国民の所得を増やし、経済循環を豊かにしたい、そのように考えています。
しかし、副業を行うことで、残業するより効率が悪いので多く働くくらいなら、支出を減らせばいいと考えられてしまったら、それはかえって経済循環が悪くなります。
ましてや、2019年10月より増税となってしまったため、その考えは労働者においては非常に強くなってもおかしくないでしょう。
結果、経済循環をよくするために行った施策なのに、最終的にうまくいかなくなるということになります。
確定申告が面倒
副業で収入を得ると、確定申告をしなければならないです。
しかし、確定申告は率直に言えば面倒ですし、会社員は平日は会社に行くことになりますので、手続きを簡素化しないといけません。しかも、会社で源泉徴収をして、別に自身で確定申告をしなければならないのとか、そのあたりのルールも非常にわかりにくいところがあります。
そのため、よくわからないので、副業はやめとこうという人も増え、副業が定着しづらくなります。
もしくは、とりあえず目の前の収入を稼いだのはいいけど、適切な税務処理ができなくなるというケースも考えられます。
このように、税制面、保険制度においても未整備であるため、労働者を守れなくなっているような状況になっています。
そのため、労働者においてインターネット副業が根付かなく可能性がなくなってしまうという国単位での問題であるということが言えます。
働き方改革は法整備、税制度の改革が必要となる
働き方改革はそもそもは経済循環をよくすること、またそれに合わせて、長時間残業をなくしながらワークライフバランスの改善をすること、また人材不足を解消する方法としてあみだされた方法であるといえます。
そして、世の中の労働者に対して、確実に働き方改革は浸透し、政府の方針に基づいて各企業が働き方改革に沿った労働制度、環境を整備してきています。
しかし、税制や社会制度が整っていかなければ、この副業の定着というのはありえないことであると考えられます。
労働者においては、現行の制度に合わせて、確定申告をしていかなければならないですし、労災などについても一旦は我慢しなければならない、もしくは労働組合をSNSなどを活用して労働環境を自らで作っていかなければならないということになります。
ただし、長い期間で副業を定着させていくには、将来的にはこのあたりの整備をしっかりしていかなければならないという側面も当然あります。
自分ができることではないのでなかなか難しいですが、そういった動向についてはしっかり見守っていくことをやっていきましょう。
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