転職回数が多い人は転職市場において人気がない、そのためどんどん年収が下がって行く、転職できなくなる、これが通説でした。
そして、転職希望者においても、自分の転職回数が多いい方は転職回数が多いから・・・と自分の経歴を卑下するような方も散見されました。
しかし、今転職市場において、転職回数の多さを徐々に問題視しなくなるような風潮が見られています。
では、今転職市場がどのようになっているのか、本編では説明をいたします。
少子高齢化の波は確実に来ている
今、ご存じの方も多いでしょうが日本は少子高齢化社会となってきています。
事実2000年には65歳以上の高齢者の方が全国内人口の17%ほどだったのが、2010年には23%、そして2020年には29%程になると総務相の統計で出されています。
そして、2040年には65歳以上のの人口割合が40%を越えるのではないかという試算も出されています。
つまり、高齢者がうなぎのぼりに増えている現実があるのです。
また、逆の見方をすれば、若者が確実に減っています。すなわち、若手の労働力確保というのが厳しいと感じている企業が多くあるということも同様に言えます。
最近外国景気の不調で好景気に陰りが見えてきたといえますが、有効求人倍率は2019年現在1,63倍(厚生労働省調査)と高い数値を維持しており、人材不足の会社は非常に多くあります。
この現状から、採用企業は、転職回数などを気にしている場合ではなくなっているという現状となってきているのです。
転職産業の発達も大きな要因
今、転職産業が本当に盛んになったのは、皆様の目にも明らかでしょう。
転職サイト、転職エージェントともに数が増加しだれもが転職しやすい状況が生まれています。
企業の採用人事もあらゆる不満を抱え転職回数を重ねている方も多くいて、もはや転職は当たり前のようなアメリカ社会に近づきつつあります。
このような中で、転職をマイナスにとらえることのほうが無理があると言えるのです。
転職回数で選考がすすまない人はどんな背景があるか
しかし、一方で、転職回数を理由に面接が進まない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
それには以下の理由があります。
採用人事の頭が固い
基本的に中途採用求人にエントリーした場合、書類選考は人事→現場の順番で流れます。
しかし、転職回数は現場のことを知らない現場の人でも分かるので、頭の固い人事が書類選考をバサバサ切っていきます。
現場責任者の頭が固い
採用人事よりやっかいなのは、現場責任者です。
人事は採用がミッションです。それゆえに、どうにかして選考を前に進めようとします。
しかし、受け入れるマネージャー側は良い人が欲しいと目線が贅沢になりがちです。
結果、理不尽な、また経歴もなにもみないで転職回数だけで面接しないというケースも珍しくありません。
短期間での転職を繰り返している
そもそもなぜ転職回数が多いと採用されにくいのかていうと、忍耐力のなさ、定着性のなさを懸念されているというのがポイントです。
転職エージェントは一般的に転職回数が多い方に対してはどのように書類選考を通す際にはあの手この手で書類選考を通そうとしますが、3ヶ月を、半年といった短期間で転職を繰り返している場合、この人は本当に大丈夫なのか?と定着性に疑問を感じます。
企業は採用、教育にコストをかけます。
そのため、コストが無駄になることを懸念して書類選考の段階で見送りにしてしまいます。
以下にして自分の短期転職の理由を訴えるのかがカギとなるのです。
転職回数の懸念を打ち消すために
つまり、転職回数が多い人は一部企業を除き根本的に歓迎されている訳ではなく、転職市場の状況からやむなしで採用枠を埋め、人材の補強をしなければならない状況にあるということなのです。
では、そんな状況のなかで、どのようにして上手く転職活動を進めていくかですが、ポイントはやはり転職エージェントの利用です。
転職エージェントはなるべく自分達の売り上げをあげるために、出来る限り、企業に推薦し、面接してくださいとお願いをします。
特に小規模のエージェントは案件数が大手と比較して少ないため、その傾向にあります。
転職回数が多ければ、その背景についてちゃんと企業に説明して面接機会を作りにいきます。
また、大手エージェントはとにかく求人数が多くあるため、多くエントリーすれば選考に引っ掛かっていきます。
つまり、2つのタイプのエージェントをフル稼働させることで、底引き網と一本釣りを両方使いながら次の企業を見つけ出せるという仕組みになっています。
そのうえで、転職サイトのスカウト機能を利用すればエージェントとの接点も生まれやすくなります。
転職サイトメインで転職活動をする方もいらっしゃいますが、一本釣りと底引き網の両用という効率の良い転職活動もできないですし、自分のことをフォローしつくれる存在もないため、上手く選考を進めにくくなります。
以上の観点から転職エージェントを活用していくことが良いと言えま
転職エージェントとの面談で必要なこと
転職エージェントを利用するに辺り、転職面談を実施することになりますが、ポイントは以下の通りです。
- 良い印象を持ってもらうこと
- 退職理由をごまかさないこと
- これまで経験した仕事を志望すること
転職回数が多い方にとって、企業が大事にするのは人物面と、長期継続性であることは上述の通りです。
転職エージェントに対してはその点をきっちり説明してもらえるようにしておくこと、これに尽きます。
そのためには、まずは転職エージェントに対していい印象を与えるために、転職に対して前向きであること、はきはき自身のことを伝えること、また連絡についても
遅滞なく行うことをこころがけましょう。
また、長期継続性を大事にするためには、退職理由を明確に伝え、採用側が採用するメリットを感じれるよう経験値を生かせる職種を志望していくということが大事です。
企業がなんだかんだで採用したいのは経験者です。バックオフィス系以外の方は、原則同業界、同職種での転職を希望することが適しているといえます。
転職回数で落とされることはないが、それでもまだまだハードルがある
転職回数が多い人は採用されない、そのハードルは確実に低くなっています。実際、転職回数が多くて、これは苦戦するだろうと思っていた方があっさり採用されたり、今まで転職回数で書類選考を落としていた会社が、あっさり転職回数を面接に呼んだりする機会というのは増えてきました。
ただ、これは少子高齢化、かげりを見せているものの好景気を背景とする有効求人倍率の高さが招いている事象で、転職回数が多い方を大歓迎しているわけではなく、それを言い出したら企業の採用活動がうまくいかないことを背景に起きている現象といえます。
そのため、アメリカのように転職回数が多いことがステータスになるということが日本にも定着することは今のところなさそうです。
とはいえ、転職がやりやすくなっている状況とも言えますので、もし、転職回数が多い方、短期での転職を繰り返してしまった方は、まずは転職エージェントに相談しましょう。大規模のエージェントには多くの求人を紹介してもらい、中小規模のエージェントには、企業側に自身を採用するメリットを転職エージェントを通じ採用側に訴えかけていくことで転職がうまくいきやすい市場となっています。
そして、転職エージェントにも採用企業側にも自分の良さ、やる気、経験を認めてもらい、良い転職と長期定着を目指していただけたらと思います。
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