なぜ8時間? 労働時間の考え方の変化

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基本的に日本では1日の労働時間が8時間と法律で決まっていて、労働時間をこれより短縮することはできでも、8時間以上の労働を行う場合は、超過分の労働時間に残業代をつけることを義務付けています。

その残業代が支払われているかどうかはまた別の議論とはなりますが、この8時間労働というのは世界でもスタンダードな労働時間であり、世界の労働の歴史の中で固まってきた世界標準の労働時間であるといえますが、今この常識を変えるような動きが世界的に生まれています。

では、そもそもなぜ労働時間は8時間と設定されているのか、また今労働時間についてどのような動きが生まれているのか本編では説明をさせて頂きたいと思います。

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そもそも労働時間が8時間である理由

では、まずなぜ世界的に8時間労働なのかということから説明をしていきたいと思います。

世界的に今の使用者と雇用者がはっきり明確になった労働スタイルというのは、イギリスで起きた第一次産業革命に端を発します。

そして、日本でも世界でも、長く働かせたい労働者と、早く帰りたい労働者との対立関係が生まれています。このような労働者と使用者の関係において常に労働者と使用者との争いが起きて、週69時間までの労働制限、1日10時間労働と法律で労働時間が短くなってきた経緯があります。

その中で1850年代にオーストラリアで初めて8時間労働制がうまれ、1900年代にはアメリカ、イギリスなどで相次いで8時間労働制が生まれそのまま現在まで引き継がれてきたというのが8時間労働が根付いてきた背景であるといえます。

また、8時間労働が定着してきた背景としては、ヨーロッパの鉄工所で8時間労働日を導入したところ、あらゆる職種において生産性が上がってきたこと、また、で労働者が生き生きと働くようになったことから、8時間という労働時間が最も最適であるというワールドスタンダードが生まれてきたといわれています。

しかし、裏を返せば、このワールドスタンダードの8時間という時間は工場労働が大前提の中で生まれた労働時間であり、AIやITが生まれた現状において、本当に適しているのかどうかというのは特に検証をされているわけではないのです。

5時間労働の取り組みが生また

そんな中で、アメリカの国際的な影響力を持つウォールストリートジャーナル、すなわち日本でいうところの日経新聞のようなものになりますが、このウォールストリートジャーナルでは、ドイツのある企業が1日5時間労働について取り組んだという記事を掲載しました。

5時間しか働かなくていいんだと思うと楽でいいと思われる方もいらっしゃる一方、わずか5時間でどうやって通常の事業を進めていくのか疑問の方もいらっしゃることでしょう。

ではこの1日5時間労働を成立させるためにどうしたのかというと、とにかく仕事に集中させること、これにつきます。

そのため、以下のような取り組みを実施させました。

  • 携帯電話は鍵をかけて収納
  • 業務中のSNSは禁止
  • 仕事中の無駄話禁止

つまり、無駄を極力排除し、就労時間はとにかく仕事に向かわせることで、5時間労働を実現させるという取り組みをさせたということになります。

この会社は、とにかく仕事に集中して、早く帰れるということで、従業員の満足度が向上し、鬱などの問題を解決できるのではないかと考えたということです

1日5時間労働には問題もある

しかし、1日5時間勤務には良いことばかりではなく問題もあります。では、どのような問題があるのかというと以下の通りです。

  • 短時間で仕事を完結させなければならないプレッシャーがある
  • 仕事中にゆとりがない
  • 暇な時間が長すぎる

仕事中は常に緊張状態というのは例え、5時間であったとしてもつらいものです。基本的に人間の集中力は基本的にそんなに持ちません。

また、仕事中は家族や恋人と一切連絡はとれないというのも、不安をあおってしまいます。

何より、9時に仕事をスタートさせ、14時に仕事を終わらせたとしても、そこから何をするのかと言われたら、案外なにもできず、暇を持て余すことになってしまいます。

結果、はじめのうちは高い生産性を生み出してきましたが、結果的にいつしか5時間ルールが会社に適合しなくなり、この5時間ルールは夏のみ実施するということになりました。

労働時間にはゆとりが必要

このドイツの会社の1日5時間労働取り組みは結果的に終焉を迎えることになりますが、アメリカの有識者からは、短時間で効率的に働けるような体制を敷いたということで、この5時間労働制について評価の声があがりました。

ただし、この5時間労働制については、労働環境におけるゆとり、すなわちリラックスして仕事に臨める体制がなかったことが長期継続しなかった要因となります。

変わってきた労働の形

歴史のなかで生まれてきた8時間労働ですが、しかしこの8時間という労働時間は、工場で働くことが当たり前だった時代の労働時間で、今や工場はオートメーション化が進み、工場以外の場所で働く人も増え、かつパソコン、AIなども普及し、働き方が大きく変わってきました。

また、仕事についても、お金のために無理やり嫌なことをするという考え方よりも、自らのキャリア、すなわち生き方という見方をするようになった点は100年前と比較しても大きく異なります。

そして、今の働き方において、生まれてきた考え方は自由です。

昔はとにかくオフィスに縛りつけて働くのがあたりまえでした。

それは、工場労働からの流れもありますし、オフィスに行かないと仕事ができなかったということが要因となりますが、このご時世において、ノートパソコンが当たり前に普及するようになりました。

結果、在宅勤務はもちろんのこと、テレワーク・ノマドワークといった労働場所を制限しない働き方が生まれ始めています。

また、オフィス内においても座席を指定せずに、自由な場所で働けるような取り組みをしている会社もあります。

何より、フレックスタイム、ふなわち従業員が日々の始業・終業時刻を自身で決定して働く事ができる制度が導入されたことは、労働が強制から成果を出せば自由に進めて良いものになった象徴ともいえるでしょう。

つまり、短時間で職場にしばりつけるより、個々が自由に自分が最もパフォーマンスが出せる働き方が選べるようになっているのが現代の働き方と言えるでしょう。

残業でしばるような会社に未来はない!自由・裁量こそがこれからの働き方

これからの未来の働き方は、責任を前提とした自由と裁量のある働き方、これに尽きます。

逆に自由、裁量のない職場には人材も集まらない、仕事が効率的に進められないので成果も上がらないということにもなっていくでしょう。

1日8時間労働というのは、製造業が産業の大半を占めていた時代のスタンダードです。また、この8時間労働を実現するためにはあらゆる血が流れ、またあらゆり検証がなされ今日に至っておりこの8時間労働というのは非常に理にかなった労働時間であることには間違いありません。

しかし、時代は移行し、IT,AIが実用化され時代はどんどん進化しています。

それにあわせて働き方も進化していかなければならないですし、労働者においても自信の仕事にあわせて、自らが成果を出せる働き方を自らで認識し、シフトしていく必要があります。

自分はどんな働き方が合うでしょうか?まずは自分の適した働き方を模索し、そこから状況にあわせて働き方を変えてみてはいかがでしょうか。

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