基本的に会社員の場合は、所得税、住民税など直接税に関しては、会社任せなのであまり認識がない方もいらっしゃることでしょう。
実際、給与明細を見ても、すごく税金ひかれているななどの感想を持って終わりであったり、中には給与明細をよく見ないまま日々を過ごしていらっしゃる方もいらっしゃることでしょう。
そんな時に転職をして、税金の対応をしなければならないことも当然発生します。特に住民税に関しては自分で対応をしなければならないこともありますし、もしも住民税の対応ができなくて支払いがされてなかったら、色々厄介なことが発生します。
また、健康保険など税金以外の天引きにおいても、知らなければ損をしたりすることだってあります。
では、普段天引きされている税金や、保険関連等のお金についてはどのようになるのか、またどのような対応が必要なのでしょうか。
本編では転職時の税金、保険関連のの対応等について説明をさせて頂きたいと思います。
転職時の住民税の支払い方法について
では、住民税の支払い方法についてですが、大きく3つに分かれます。
まずはその点についてお話をしたいと思います。
特別徴収
特別徴収というのは、一般的な会社員の納税方法で、つまるところは給与天引きで住民税を支払う方法です。
次の会社が決まったのちに転職をするにおいては、次の転職先で特別徴収を継続してもらうことが可能になります。
ただし、住民税は1か月ごとに支払うことになりますので、次の転職まで1か月開く場合は、後ほど説明する普通納税を行った後、特別徴収に切り替える形になりますし、転職して一定期間においては特別徴収に切り替えられず、普通徴収で一定期間住民税を納税したのち、特別徴収に切り替わるというケースがあります。
基本線は特別徴収で納税してもらえますので特段心配はありませんが、転職した後の住民税の状況については会社から説明を受けておくことが重要であるといえます。
普通徴収
普通徴収というのは、会社から給与を天引きされないで給料をもらった後に自分で住民税を支払う方法です。
一般的に普通徴収にする場合は、次の転職先が決まっていない時に給与を支払う方法となり、退職時に人事等にその旨を伝えておけば特別徴収から普通徴収に切り替えることができます。
なお、支払い方法は電気代や水道代同様に、支払伝票が送られてきますので、手元に届いたらそれを指定された方法で支払えば問題ありません。
最後の給与で残りの住民税を一括天引きしてもらう
あまり一般的ではありませんが、最後の給与を住民税に充てるという方法もあります。これについては、会社の人事に対応してもらえるか確認が必要となりますが、基本的には可能となります。
ただ、最後の給料の大半が住民税に持っていかれるということになりますので本当に実行するかどうかは十分考えたうえで行うようにしましょう。
退職時には住民税以外にもいつもと異なる天引きがなされる
住民税については上述の通り、特別徴収か普通徴収か、またそのタイミングについてのみ認識しておけばいいということになりますが、他の天引きについてはどのようになるのかについてもお話をさせて頂きたいと思います。
所得税や雇用保険はあまり気にしなくていい
所得税や雇用保険に源泉徴収については、支払われた給与に対して徴収されることになります。
そのため、前年の給与に基づいて支払われる住民税とは異なりますのであまり気にしなくて問題ありません。ちなみに雇用保険も同様です。
社会保険料はなかなか厄介
社会保険料、すなわち厚生年金と健康保険に関しては結構厄介です。
なぜなら、退職時には2か月分が徴収されるからです。では、なぜ2か月分を徴収するのかというと、社会保険は当月の徴収分は翌月に支払うような作りになっています。
そのため、2か月分がまとめて引かれることになるのです。
結構多くの金額をひかれることになるため、手取り分の給与がかなり減ることにもなりますので、その点はあらかじめ認識しておきましょう。
そして退職後、無職になった場合は厚生年金から、国民年金保険に加入する手続きを取らなければなりません。
具体的には、退職日から2週間以内に、市役所・役場に行き、年金手帳、退職証明、および離職票を持って行き、、役所の職員の指示に従って対応をすれば良いです。
また、退職後においてもも在職中の健康保険に2年までなら継続して加入することも可能です。その場合は、協会けんぽの各支部に、任意継続被保険者資格取得申出書、住民票を提出し、保険料を支払えば可能になりますので、ご自身の状況に合わせて対応をしてください。
確定拠出個人年金制度401kに加入していた場合
では、確定拠出年金に加入している場合はというと、次の会社に確定拠出年金があれば継続することができますので、会社にその旨を伝え手続きを行いましょう。
問題は次の会社が確定拠出年金に加入していない場合です。
この場合はIdeco、すなわち個人型の確定拠出年金に切り替える必要があります。
Idecoに切り替えた場合は、積み立てを自身の給与から行っても良いですし、積み立てずに運用だけ続けても問題がありません。自身の給与状況に合わせて最善の方法を選びましょう
このIdecoへの加入に関する注意ポイントですが、退職後速やかに手続きをするようにしましょう。
というのも、6カ月以内にiDeCoの口座を開設して移換手続きをしないと、6か月後以降に移換時するより多くの手数料が発生してしまいます。
余計なコストを払わないようにするためにも面倒くさがらず早々に対応することが必要です。
なお、手続きの方法については、各金融機関により異なります。
その指定された手続きに沿って実施すれば問題ありません。
退職時の税金、保険については知らないと色々厄介!概要だけでも知識をつけ、想定内にすることが重要
この退職関連のことについては知っているのと知らないのとでは全然違います。
例えば、社会保険料については2か月分徴収されることを知らなければ、実入りが少なるため、預金が十分でない場合は生活がギリギリになってしまいますし、もしも支払っていなければ保険診療を病院で受けることができません
住民税に関しては、もしも支払えていなかった場合は、お住まいの自治体から電話や書面で支払い請求が来ます。
結果、住民税を支払えていなかった場合は、前職、もしくは現職に問い合わせが来て、銀行口座を確認されたうえで、差し押さえが発生することだってあります。筆者はじつは一度差し押さえを受けた経験があります(即支払いに行き大事には至りませんでしたが)
ある日突然差し押さえの連絡が銀行からくることになりますので非常に焦ります。
それだけ税金、社会保険関連の支払いルールについて知っておくことは、自らの身を守るうえで大事なのです。
少し話は異なりますが、このような税金の未払い、社会保険の未払いというのは社会的な立場を危うくする場合だってあります。それは先般、税金未納で問題になった吉本興業所属の芸能人の状況を見てもはっきりわかることでしょう。少なくとも知らなかったでは済まされないことなのです。
また、本編では触れませんでしたが、税金の支払いルールなども、同様に重要となります。
しっかり、世の中のルールを理解し、自分が損しないようにしていけるよう心掛けていきましょう。
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