始めにお伝えします。転職市場において、離職中の方というのは決して評価は高くありません。
その一方、転職市場にはあらゆる理由で会社在籍時に転職活動をしない、もしくはできず離職になる方もいらっしゃいます。
特に女性の場合は結婚や出産を背景に離職する方は多く、出産、育児が一段落して復職・再就職をするケースも少なからずあります。
では、離職となることでどのような影響があるのか、また、離職からのキャリアブランクを前向きにするためにどのようにすべきなのかを説明致します。
離職が転職にどのような影響を与えるのか
今日本は空前の売り手市場になっております、働き方改革によって女性はおろか、60歳以上の方々も労働の担い手として期待されています。
その一方で、採用企業側は離職者の採用においてはシビアです。
離職者は、キャリアが空いてしまっているがゆえに、仕事の感覚が失われている上に、特別な事情があれば考慮されるものの、短期的にでも離職の期間があれば計画性のなさ、忍耐性のなさなどが問題となり、採用へのハードルがあがります。
しかし、女性の場合は出産・育児が背景に離職せざるを得なくなるケースも非常に多くあり、離職が不可避なケースも少なくありません。
にも関わらす、結果として、どんな理由であれ離職の方に対しては、ブランクがあることで復職や再就職が不利になってしまうこともあります。
そのため、結婚、出産・育児を迎えると、もう自分はビジネスの現場に戻れないのではないかと考えますし、一度会社を辞めてやりたいことをやって、再度就職活動しようものなら、ビジネスマン失格の烙印を押されてしまいます。
このように、どんな理由があろうと、どんなに積み上げたキャリアがあったとしても、ブランクができてしまうことによって、復職・再就職には高いハードルとなっており、政府が掲げる一億人総活躍社会女性のにはまだまだビジネスの現場がついてきていないのです。
キャリアブランクを前向きに捉えるために
今、転職というのは、昔と比べてしやすくなりました。転職産業が成熟し、転職サイト、転職エージェントが市民権を得ることになりました。
また、ITが非常にあらゆる産業において大きな影響影響をあたえるようになりました。
そのため、同じ会社でずっと働く人も減りましたし、産業も大きく変わり、大企業においても長く大企業として残り続けるかも分からない、そんな時代になっているのです。
上記の点から、ずっと同じ会社で働き続けることを良しとするの日本人労働者の価値観は、変わりつつあり、欧米化が進んでいると言っても良いでしょう。
そして、欧米では、離職期間を空けることへのマイナスイメージは日本よりはるかに低いのか現状です。
そのため、離職によりキャリアが空いてしまうことに対するマイナスイメージが払拭されていき、多様性をが認められることが想定されます。
もちろん、現時点ではキャリアを途切れさせないことが評価されていますので、その点はご認識いただきたいところですが、今後どのようなことが想定されるか以下で海外の事例をお話しさせていただきます。
海外のキャリアブレイク事例
海外では離職期間云々より、失敗も含めたあらゆる経験やチャレンジを評価する傾向があり、キャリアが途絶えたことに対してもを否定的に見ないキャリアブレイクという考え方がなされています。
つまり、キャリアも休息してよいものとする考え方です。
キャリアブレイクはベルギーではじまったキャリアブレイク制度、現行の2002年タイムクレジット制度と呼ばれるものが、そもそものスタートです。
また、イギリスにおいても、長期労働が深刻化していたため、ワーク・ライフ・バランス政策というものを実施し、長期休暇制度を設け、2年間の長期休暇を付与するタイムアウトとよばれる手法を導入しました。
この2年間には休むと同時に、新しい技能や考え方を習得するといった目的もあります。
こうした、イギリスやベルギーの取り組みは経済協力開発機構(OECD)からワークライフバランスに関する評価がなされており、労働における先進国として位置付けられているのです。
日本におけるキャリアブレイクの取り組み
では、日本ではこのような考え方が全く進んでいないのかと言えばそうでもありません。
日本においても、働き方改革が政府主導で進められています。
その中で、推非正規雇用の待遇の見直し、長時間労働をどのようになくしていくのか、改善していくのかなど、あらゆる議論、取り組みがなされています
特に、日本においては、十分に休みを取れていないところを問題視している方も有識者の中で多くみられています。
こういった状況の中で、社会人が仕事を離れて、休むと同時に落ち着いて学ぶ時間をしっかり作り上げていくリカレント教育についても政府は奨励しています。
上記のように、キャリアブレイクの考え方は、欧米からすればまだまだですが、日本においても確実に取り入れられているのです。
では、どのような取り組みがあるのかですが、以下2例をご紹介をさせて頂きます。
サバティカル休暇
サバティカル休暇とは、長期的に会社に在籍し貢献した労働者に対して、1ヶ月以上の休暇を与える制度です。
離職せず、長期間の休みを取れるため、休暇から開けたら、元の職場で働くことができるため、安心して休むことができるため、非常にメリットが大きいのです。
フレキシブルキャリア休職
フレキシブルキャリア休職とは、2015年に、大手電機メーカーであるソニーがリリースした制度で、社員が社外でやりたい勉強、技能の習得をするために、最長2年の休職を認めた制度です。
会社のコストで留学をするのと異なり、自費で学校等に通うことによって、やりたい勉強をできる、仕事を離れられるというのがこの制度のメリットであると言えます。
キャリアのブランクが認められる時代が来ている!制度を活用してキャリアブレイクをしよう
日本において、離職が=悪だという考え方、離職しているから新たな雇用が難しくなるという状況は依然として継続しています。この考え方が大きく変わるというのにはまだまだ時間を要しそうな状況であると言えます。
しかし、キャリアブランクに関しては、少しずつではありますが、キャリアブレイクの考え方が取り入れられるようになっており、離職期間については徐々に認められるような動きは確実に進んでいます。
特に、結婚や出産、家事・育児、また、介護などの経験については、また仕事を一度やめて、知識の習得をしてきたことについては新しい価値観を企業に与える可能性も十分にあります。
とはいえ、今現在においてはすべての会社がキャリアの中断を認めてくれるわけではないので、まずは、キャリアの中断に関し、理解を示してくれる会社、キャリアブレイクを認めてくれる会社を見つけることから始め、しっかりその企業に自身が働くことで一定の価値を提供したうえで、さらに新たなる価値を与えられるためにキャリアブレイクをしていくというのが良いでしょう。
最後に、今は65歳まで働くのが当たり前の世の中になり、40年以上働く時代です。社会人生活にいて休息、充電をすることも肯定しても必ず取り返しが利きます。
いずれ、良い働きをするためにも、企業側も離職を評価する時代も目の前に近づいています。時代の流れに合わせて、最善の選択をするように心がけていきましょう。
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