業界によって、様々な業界用語があると思います。私が会社員時代に勤めていた会社も、その業界ならではの業界用語がありました。
それでも、どの業界でも必ず出てくる用語というのは存在します。
今回は、自身にあまりなじみがなくても知っておいた方が良いビジネスシーンでの用語を紹介します。
新卒者のみなさん、必見ですよ!
知っておいて損はない会社用語
主に本社の勤務者や事業所長が使う言葉ですが、もしかしたらあなたも今後本社の勤務になったり、事業所長になる可能性があります。
そこで、よく使われる会社用語を紹介していきます。
嘱託(しょくたく)社員
こちらは、正社員でも契約社員でもない雇用形態のことです。企業、業種によって様々ですが、基本的には定年退職後もまた再雇用で勤務している人や、医師や弁護士といった専門性の高い仕事についている人を指します。
私が会社員時代に勤めていた会社は、正社員の人が定年退職して、その後また再雇用となって働く人を嘱託社員という雇用形態にしていました。
ちなみに、私は入社当初「嘱託」という漢字が読めませんでした。ああ恥ずかしい・・・。
稟議書(りんぎしょ)
稟議書というのは、従業員を採用したり、従業員が退職したり、契約を結んだり、高額なものを購入する時に、本社内で下の役職の人から回覧し、最終的に社長の承認を得る書類のことです。
稟議書を書く人を出議者と言い、回覧する人は稟議書の内容を理解したら合議として印鑑を押し、最終的に社長が承認すると、決裁という形になり、この案件は承認されたということになります。
旅費をきる
「○○さん、旅費きってもらえるかい?」
旅費をきる?ハサミで旅費のお札を切るの!?
違います。
「旅費をきる」とは旅費交通費の伝票を起こすことです。「領収書をきる」と同じですね。
登記(とうき)
こちらは、会社の代表取締役や役員は誰か、不動産や物権、債権等の権利関係について、法務局に届け出をして記録したものです。
そのため、代表取締役社長や役員が変更になった場合は、その都度登記が必要となります。
会社の方で登記の作業を行ったり、司法書士の方に依頼したり、と会社によって様々です。
定款(ていかん)
定款とは、簡単に言うと会社の概要のようなものです。会社を設立する前に、必ず作成しなければなりません。
例えば
- 当会社は○○株式会社と称する。
- 当会社は次の事業を行うことを目的とする。
- 当会社は本社を●●に置くこととする。
・・・といったようなことを記載します。他にも、資本金額と、発起人の名前と住所を記載しなければなりません。
抵当権(ていとうけん)
抵当権とは、ローンがある建物や土地に設定する権利のことです。会社はその建物や土地を買うことができますが、万が一ローンの返済が不可能となってしまった場合は、銀行がそれらを差し押さえ、競売にかけることになってしまいます。
根抵当権(ねていとうけん)
1つ前に抵当権を述べましたが、根抵当権は抵当権とはまた別です。
根抵当権とは、不動産の担保価値から貸し出し極度額を定めて、その限度額の中で会社が何度もお金を借りたり返したりすることができるものです。
もし、会社が借りたお金を全額返済して、借金がなくなったとします。これで根抵当権は消滅するのかというと、そういうわけではありません。もしかしたらまた会社がお金を借りる可能性があるからです。根抵当権が消滅するのは、会社の合意を得たときです。
私は本社の勤務でした。私自身、登記や抵当権、根抵当権について直接業務にかかわったことはありませんが、司法書士さんの方がよくいらっしゃって、こういった話をしていました。とても勉強になりました。
知っておくべきその他の用語
ここまでは会社の運営等にかかわるものが多く、難しい用語がありましたね。今度は社会保険、住民税、所得税関係の用語を紹介します。
社会保険編
みなさん、社会保険料の金額はどのように決定されているか気になりませんか?
まず、社会保険についての用語を解説します。
標準報酬月額
こちらは、社会保険料のいわばランクのようなものです。
例えば給与の総支給額が18万円の場合、標準報酬月額は180千円となります。給与の総支給額によって標準報酬月額が変動し、標準報酬月額によって社会保険料が変動します。
社会保険料は、厚生年金保険料については全都道府県共通で、標準報酬月額の18.3パーセントですが、健康保険料は都道府県によって何パーセントかが変わってきます。
詳しくは全国健康保険協会のホームページをご覧ください。
※40歳に到達すると、64歳まで介護保険料も給与から天引きされます。
定時改定
定時改定というのは、年に1度、全従業員の社会保険料の金額を見直す作業のことです。毎年4月、5月、6月の3か月分の給与の総支給額を1人ひとり記載し、日本年金機構に提出します。
そして、9月分の社会保険料から、その4~6月分の総支給額をもとに計算された、新しい社会保険料額で給与から天引きされます。なので、秋になると、人によっては社会保険料の金額が変更になっているかもしれませんね。
随時改定
随時改定というのは、昇格、昇給等で給与の総支給額が大幅に変更になった場合に、社会保険料の金額を見直す作業のことです。大幅に変更になった月から3か月分の給与の総支給額を記載して、日本年金機構に提出します。
昇給して嬉しい!と思ったら、その分社会保険料の天引き額も上がってしまった・・・ということになってしまうのです。嬉しいやら悲しいやらですね。
住民税・所得税編
続いて、住民税、所得税関係の用語を解説します。住民税の金額もどのように決定されているか気になりますよね。こちらを参考にしていただけたら幸いです。
年末調整
年末調整は、11月末に扶養家族の所得、生命保険、地震保険の支払い等を会社に申告する業務です。従業員全員対象となります。
毎月給与から天引きされている所得税額はおおよその金額であり、正式な金額ではありません。
もし、扶養親族がいたり、母子・父子家庭(寡婦・寡夫)だったり、扶養親族に障害がある人がいたり、生命保険、地震保険の支払いがある場合は、この年末調整で申告することによって、1年間で徴収した所得税のうち、いくらか返還されます。
12月分の給与支給明細の所得税の欄がマイナスになっていたら、その分だけ返還されるということです。
※ちなみに、扶養家族が年の途中で扶養から外れてしまった場合は、所得税をさらに追加で支払わなければならなくなります・・・。
源泉徴収票
12月分の給与明細と一緒に「源泉徴収票」という紙を渡されるかと思います。こちらは、1年間に支給した給与額、徴収した社会保険料額、徴収した所得税額の証明書です。
ちなみに、年の途中で会社を退職した場合は、新しい勤務先での年末調整や確定申告で源泉徴収票が必要となるため、退職した会社から源泉徴収票が郵送されてきます。
住民税の特別徴収
住民税の特別徴収とは、給与から住民税を天引きして徴収することです。そして、この住民税の金額は、前年の給与支給額や扶養親族の人数や障害の有無、寡婦・寡夫かどうか、生命保険等の支払い金額を元に算出されます。毎年1月に、前述した源泉徴収票の内容を1人ひとり各市町村に申告し、6月から翌5月までの住民税徴収額が決定されます。
まとめ
今回は、ご自身によって身近なところから難しいところまで、様々なビジネスシーンでの用語を紹介しました。
最初の方の会社用語は、社会人になって間もない方はそれとなく読んでいただければ結構です。ただ、社会保険料や住民税の金額については皆さんも気になるでしょう。(社会人1年目の方は、まだ住民税の徴収はありません。2年目から徴収が始まります。)
それでも、会社用語も知っていて損はないと思います。
どうかこちらの記事がみなさんの役に立つと幸いです。
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